Mars&Jupiter

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カール・ライネッケの交響曲第3番ト短調作品227を聴く

2020-03-15 10:59:22 | 古典~現代音楽ドイツ編
今回は1824年に生まれたドイツの作曲家カール・ライネッケが、
1895年に作曲した交響曲第3番ト短調作品227をとりあげる。
今回聴いたCDはヘリベルト・バイセル指揮、
フランクフルト・ブランデンブルク州立管弦楽団の演奏による。
この曲は作曲された翌年の1895年2月21日ライプチヒで、
作曲者自身の指揮で初演され、成功をおさめている。
第1楽章アレグロは、弦楽器が奏でる悲劇的な第一主題で始まる。
それとは対照的に第二主題は牧歌的な部分がみられる。
展開部は第一主題中心に変形されていく。
曲の感じとしてはブラームス風な部分も感じる。
再現部を経て、主題が力強く何度も奏でられて終わる。

第2楽章アンダンテ・ソステヌートは、
フルートやクラリネットなど木管楽器が旋律を奏でて始まる。
牧歌的で穏やかな旋律が奏でられていき、
その後弦楽器も加わり、メンデルスゾーン風にもなる。
やがて金管楽器も加わり、壮大な感じで盛り上がっていく。
そのあとは牧歌的な感じで進行していき、
ホルンが鳴り響く中、静かに終わる。
第3楽章スケルツォ(アレグロ・ヴィヴァーチェ)は、
弦楽器が奏でるリズミックな旋律で始まり、
木管楽器・金管楽器も絡んでいく。
フルートを中心とした牧歌的でのどかな感じの部分も現れ、
最初の主題と絡みながら進行し、最後は力強く終わる。
第4楽章フィナーレ(マエストーソ-アレグロ・コン・フォーコ)は、
堂々とした感じの旋律が奏でられて始まり、
そのあと金管楽器も加わった明るく躍動的な旋律が奏でられる。
ファンファーレ的な旋律が金管楽器によって奏でられるが、
そのあたりはシューマンを感じさせる。
明るく希望に満ちた音楽となっていき、
ホルンや木管楽器がその旋律を受け継いでいき、
最後は金管楽器が鳴り響き、力強く終わる。
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ハンフリー・サールの交響曲第2番作品33を聴く

2020-03-08 11:50:28 | 古典~現代音楽イギリス編
今回は1915年に生まれたイギリスの作曲家ハンフリー・サールが、
1958年に作曲した交響曲第2番作品33をとりあげる。
ハンフリー・サールは、ロンドンの王立音楽大学で学び、
ジョン・アイアランドに師事した作曲家である。
セリー技法を取り入れた作品を残し、映画音楽なども手掛け、
フランツ・リストの研究者としても知られている。
今回聴いたCDはヨーゼフ・クリップス指揮、
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるものである。
第1楽章マエストーソ-アレグロ・モルトは、
重々しい感じで始まり、金管楽器により荒々しさをみせていく。
中間部は静かな部分で木管楽器中心に展開され、
最後は金管楽器により盛り上がって終わる。

第2楽章レントは、弦楽器によりゆったり重々しく始まる。
その静けさは一旦金管楽器によって破られるが、
再び静まったあと弦楽器中心に徐々に盛り上がりをみせていく。
チェレスタと木管楽器による神秘的な部分を経て、
再び重々しく沈鬱な感じが続き、金管楽器も鳴り響き、
いったん静まったあと次の楽章に続く。
第3楽章アレグロ・モルト-レント、ソレンネは、
荒々しい感じで始まり、金管楽器が鳴り響き盛り上がる。
激しくリズミックな旋律が続いていき、
静かな部分と荒々しい部分を繰り返しながら、
最後は緊迫した感じの中で終わる。

この交響曲には、不安や恐怖や緊迫感がある。
現代は目まぐるしく状況が変わっていく。
予測できない事態も起き、それが不安感を増加させる。
新型ウィルスの感染もあまりにも速く世界で広がっている。
しかし、その恐怖や不安に対して負けてはいけない。
冷静に事態を考えながら、見えない敵に対し、
強い意志で戦う気持ちが大切なんだろう。
この交響曲を聴いていてそんな気持ちになった。
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トマス・マルコの交響曲第8番「大地の舞曲」を聴く

2020-03-01 21:53:10 | 古典~現代音楽スペイン編
今回は1942年に生まれたスペインの作曲家トマス・マルコが、
2008年に作曲した交響曲第8番「大地の舞曲」をとりあげる。
今回聴いたCDはホセ・セレブリエール指揮、
マラガ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるものである。
第1楽章ゴンドワナ大陸は、打楽器の強烈なリズムに乗り、
弦楽器や木管楽器が音型を奏で、原始的な音色を出していく。
幻の大陸へのイメージはアメリカや中南米の感じなのだろうか。
第2楽章ローラシア大陸は、アジア的な部分を感じさせ、
幻想的であり、繰り返されるリズム音型にも特徴がある。
第一楽章よりはメロディックな部分が見られる。
第3楽章パンゲア大陸は、そもそも分裂する前の一つの大陸である。
原始的で強烈なリズムの部分と、メロディックな部分が共存する。
リズムと旋律ということによりもたらされる一体感、
それは繰り返される中で高揚していき、最後不協和音で終わる。
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