Mars&Jupiter

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サヴァリッシュ指揮のルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの交響曲第9番ニ短調「合唱」作品125を聴く

2016-12-31 17:50:56 | ベートーヴェンの交響曲・管弦楽曲
今回取り上げるのは1770年生まれのベートーヴェンが、
1824年に作曲した交響曲第9番ニ短調「合唱」作品125である。
演奏はマーガレット・プライスのソプラノ、
マリアナ・リポヴシェクのメゾ・ソプラノ、
ペーター・ザイフェルトのテノール、
ヤン=ヘンドリク・ローテリングのバス、
デュッセルドルフ楽友協会合唱団、
ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮、
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団である。
第一楽章アレグロ・マ・ノン・トロッポは、
弦楽器がゆったりと音型を繰り返しながら始まる。
提示部に入り、第一主題が弦楽器や金管楽器により力強く奏でられ、
第二主題は弦楽器と木管楽器を中心に優しく奏でられていく。
展開部に入り各主題は変形されていくが、
ここでは弦楽器と金管楽器の掛け合いの部分がいい。
金管楽器の音がクリアに聴こえるのもよく、
力づくの演奏になっていないところがいい。
各楽器が旋律を引き継ぎながら、
流れるように自然に音楽が進行していき、
コーダの盛り上げ方もなかなかで、
最後は金管楽器と打楽器、弦楽器で力強く終わる。
第二楽章モルト・ヴィヴァーチェは弦楽器が刻む音型に、
木管楽器や金管楽器が絡む部分がいい。
各楽器の動きがよくわかり抑制されたバランスの上で、
生き生きとした音楽が表現されていく。
ティンパニの荒々しいリズムもだいぶ抑制されている。
中間部のトリオの部分は終楽章の歓喜の歌を想起させる。
ホルンから木管楽器へとその主題が引き継がれる部分がいい。
そのトリオが終わると再び冒頭の荒々しいスケルツォ主題が現れる。
全体的にリズミカルであり、各楽器の音のバランスは絶妙である。

第三楽章アダージョ・モルト・エ・カンターヴィレは、
冒頭の木管楽器の平和な響きに続き、
弦楽器が味わい深い穏やかな旋律を奏でていく。
弦楽器の愛情にあふれた柔らかな音色と、
木管楽器の温かい音色が重なり合っていい。
主題をもとに変奏曲風な展開を進めていき、
弦楽器と木管楽器が絡み合っていくところが美しい。
金管楽器によるファンファーレ風の部分が途中何度か現れ、
その雰囲気を何度が中断させるが、それでも再び甘美な旋律が繰り返され、
最後は平和に満たされたような穏やかな感じで終わる。
第四楽章冒頭のプレストの部分は、ドラマティックに始まるが、
サヴァリッシュ盤は抑制を利かせて、あまり荒々しくはしない。
各楽章の回想部分が現れたあと、「歓喜の歌」の旋律がチェロで奏でられる。
これをヴィオラが引き継いでファゴットのソロが絡む。
その旋律をヴァイオリンや金管楽器が引き継いでいく。
そのあと再びティンパニの音と共にドラマティックになり、
バス独唱が入り、ゆったりと歌いあげ、
バス独唱と合唱による「歓喜の歌」が歌い上げられる。
そして四人の独唱者による四重唱が続き、
それに合唱が加わり管弦楽ととにも盛り上がりをみせていく。
それが終わると有名なトルコ行進曲風の音楽となり、
テノール独唱が入り、合唱も加わり盛り上がりをみせる。
そのあとはしばらく管弦楽のみの演奏の部分となる。
このあたりはフーガ風の展開となっている。
そして合唱が再び「歓喜の歌」を高らかに歌い、
合唱と金管楽器中心に高揚感のある音楽を生み出していく。
そして合唱による「抱擁を受けよ」で始まる歌を力強く歌い、
そのあとに独唱者による四重唱が続き、合唱も加わり、
合唱のみの部分と四重唱のみの部分を経て、
コーダに入り、管弦楽に導かれて合唱が歌い始める。
合唱が力強く歌い上げ、盛り上がりをみせたあとは、
最後は管弦楽のみの演奏となり盛り上って終わる。
今年2016年という年もいよいよ終わりますね。
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンのカンタータ「静かな海と楽しい航海」作品112を聴く

2016-12-30 15:37:33 | ベートーヴェンの合唱曲および声楽曲
今回取り上げるのは1770年生まれのベートーヴェンが、
1815年に作曲したカンタータ「静かな海と楽しい航海」作品112である。
その作品の詩はゲーテの詩に拠っているようだ。
演奏はジョン・エリオット・ガーディナー指揮、
オルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティク、
モンテヴェルディ合唱団である。
「静かな海」の部分は合唱と管弦楽で静かに始まり、
風もなく不気味な静けさと波がたたない海の様子が、
途中で大音響になるなど変化はあるが歌われる。
「楽しい航海」の部分は、雲が晴れ、空の明るい様子が、
管弦楽と力強い合唱の歌で表現され、
生き生きとした中、盛り上がりをみせ、最後力強く終わる。
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第6番変ロ長調作品18の6を聴く

2016-12-29 22:54:07 | ベートーヴェンの室内楽曲および器楽曲
年末年始にかけベートーヴェンの作品を取り上げていきたい。  
今回取り上げるのは1798年から1800年にかけて、
作曲された弦楽四重奏曲第6番変ロ長調作品18の6である。
演奏はコダーイ四重奏団である。
第一楽章アレグロ・コン・ブリオは、ソナタ形式で、
軽快なテンポで、明るく生き生きとした第一主題を、
第1ヴァイオリンが奏でて始まる。
第二主題は穏やかな感じの旋律で始まり、
提示部が繰り返されたあと展開部に入り、
各主題が変形されていき、それぞれの楽器が活躍し、
再現部に入ったあと、最後力強く終わる。
第二楽章アダージョ・マ・ノン・トロッポは、3部形式で、
そっと優しく奏でる第1ヴァイオリンの旋律で始まる。
その甘美な旋律は他の楽器に引き継がれていく。
中間部は対位法的な部分も見られる部分で、
それが終わると冒頭の旋律が奏でられ、
平和な感じで穏やかに終わる。
第三楽章スケルツォ(アレグロ)は、
躍動的ななスケルツォ主題で始まる。
中間部のトリオの部分を経て、
冒頭の部分が繰り返されて終わる。
第四楽章アダージョ-アレグレット・クワジ・アレグロは、
穏やかな序奏であるアダージョの部分で始まる。
それが終わると優雅で舞踏風の第1主題が現れ、主部に入る。
ここからはロンド形式をとり、そのあと第2主題が奏でられ、
二つの主題を中心に展開され、最後は軽やかにそして力強く終わる。
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アレッサンドロ・ストラデッラ(ストラデルラ)のクリスマス・カンタータ「ああ!なんたる真実」を聴く

2016-12-25 10:01:05 | クリスマス特集・その他
今回取り上げるのは1639年生まれのストラデッラ(ストラデルラ)が、
作曲した独唱5声と合奏協奏曲編成のためのクリスマス・カンタータ、
「ああ!なんたる真実“Ah,ah,troppo è ver”」である。
アレッサンドロ・ストラデッラはボローニャで学び、
ローマ、ヴェネツィア、ジェノヴァなどで作曲家として活動した。
生まれた年については1644年と書いているのもあるが、
おそらく1639年の方が正しいのであろう。
様々な女性と関係を持ったことで、逃亡生活を繰り返し、
最後はジェノヴァで貴族の女性と駆け落ちしたため暗殺された。
演奏はミヒャエル・シュナイダー指揮、
ラ・スタジオーネ・フランクフルトである。
最初は弦楽合奏と通奏低音による爽やかなシンフォニアで始まる。
それが終わるとシンフォニアとバスのレシタティーヴォ、
そしてバス独唱によるアリアとレシタティーヴォ、
続いて2人のソプラノとアルト、テノール、バスの合唱となり、
レシタティーヴォが続いた後、ソプラノ独唱によるアリアが歌われる。
そしてソプラノによるレシタティーヴォのあとに、
テノール独唱によるアリアとレシタティーヴォが続く。
このパストラーレの部分が終わったあと、
テノール独唱に続きアルトによるアリアとレシタティーヴォとなり、
ソプラノによるレシタティーヴォとアリアが続く。
それが終わると弦楽合奏と通奏低音によるシンフォニアが入り、
テノール独唱によるアリオーソに続き、
5声によるマドリガーレで華やかな感じになる。
5声が絡み合いながら、盛り上げて最後穏やかに終わる。
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ゲオルク・ベームの「高き天よりわれは来れり(Vom Himmel hoch)」を聴く

2016-12-24 20:16:22 | クリスマス特集・その他
今回取り上げるのは1661年生まれたゲオルク・ベームが、
作曲した「高き天よりわれは来れり(Vom Himmel hoch)」である。
ゲオルク・ベームはゴーダ、イエナで学んだ後、
ハンブルクなどを中心にオルガン奏者として活躍した。
演奏はハラルド・フォーゲルのオルガンである。
オルガンによるコーラル変奏曲で、
奏でる旋律が何層にも重なり合う曲である。
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