今回取り上げるのは1840年生まれのチャイコフスキーが、
1879年に作曲した組曲第1番ニ短調作品43である。
聴いたCDはエフゲニー・スヴェトラーノフ指揮、
ソヴィエト国立交響楽団の演奏による。
第一曲序奏とフーガ(アンダンテ・ソステヌート)は、
木管楽器の奏でる主題に弦楽器が絡みながら始まる。
その主題は弦楽器で繰り返され、そのあとその主題をもとに、
フーガ的な展開がされていき、木管楽器・金管楽器が絡んでいく。
そのフーガ風の展開がバロック風の趣きを持ちながら始まり、
しかしそうではなくロマン派的な部分を見せていくところが面白い。
第二曲ディヴェルティメント(アレグロ・モデラート)は、
クラリネットの奏でる舞踏的な旋律に始まり、
弦楽器が奏でる激しく情熱的な旋律に続き、
木管楽器群の奏でる牧歌的な旋律と、それに絡む弦楽器の旋律へと続く。
ホルンなども加わったあと、木管楽器が旋律を奏でていく。
再び冒頭からの旋律が繰り返され、最後は軽快に終わる。
第三曲間奏曲(アンダンティーノ・センプリーチェ)は、
弦楽器中心に民謡風の叙情的な旋律が奏でられていく。
その主題とロマンティックな旋律が奏でられ、
この二つの対照的な主題をもとに曲は展開されていく。
情熱的な盛り上がり方はチャイコフスキーらしい。
冒頭の叙情的な旋律が再び繰り返されて最後は終わる。
第四曲小行進曲(モデラート・コン・モート)は、
木管楽器中心に展開される可愛らしい行進曲である。
第五曲スケルツォ(アレグロ・コン・モート)は、
弦楽器の奏でる躍動的で舞踏風の旋律で始まる。
木管楽器も絡みながら進行した後、中間部を経て、
冒頭の部分が繰り返されて、金管楽器も加わり最後爽やかに終わる。
第六曲ガヴォット(アレグロ)は、弦楽器と木管楽器で生き生きと始まる。
舞踏風の旋律が奏でられて、可愛らしい感じに展開されていく。
ピチカートも効果的に使われ、金管楽器や打楽器も加わり、
最後は盛り上がりをみせて、華々しい感じで終わる。