Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

ドミトリ・ショスタコーヴィチの交響曲第11番ト短調「1905年」作品103を聴く

2016-04-30 21:59:33 | ショスタコーヴィチの作品
今回取り上げるのはショスタコーヴィチが1957年に作曲した、
交響曲第11番ト短調「1905年」作品103である。
聴いたCDは1967年の録音のエフゲニー・ムラヴィンスキー指揮、
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による。
第1楽章「王宮広場」(アダージョ)は、ハープと弦楽により、
夜明けの情景が描写され、やがてトランペットが鳴り響く。
そのあと冒頭の描写的な部分が繰り返され、展開部に入り、
これらの主題が再現され、最後は静かに終わる。
第2楽章「1月9日」(アレグロ)は、力強い旋律で終わる。
戦争の荒々しさを描写し、フーガ風に展開されていく。
革命の情景がオーケストラにより、描写されていくが、
それは圧倒的な感じで盛り上がりをみせたあと、
第1楽章の冒頭のゆったりとした主題が再現され、
トランペット・ソロが奏でら、これはマーラー風である。
王宮広場で展開された生々しい犠牲者の姿を描写しているようで、
最後はティンパニの音が鳴り響く中、静かに終わる。

第3楽章「永遠の追憶」(アダージョ)は、
低弦のピチカートに始まり、叙情的な旋律が弦楽器により奏でられる。
革命で亡くなった人々の途方に暮れた感じが描写される。
途中から激しく盛り上がるところがあるが、
それは生々しい戦場の様子をを描いているようだ。
第4楽章「警鐘」(アレグロ・ノン・トロッポ)は、
力強く金管楽器により主題が示される。
そのあとは戦争の情景を描写していき、
弦楽器により勇ましい感じの主題も現れる。
激しい場面が終わるとアダージョのゆったりとした部分に入り、
イングリッシュ・ホルンが犠牲者を哀悼する旋律を奏でていく。
そして打楽器の荒々しいリズムと共に、金管楽器が力強く旋律を奏で、
鐘が鳴り響く中、盛り上がったところで終わる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドミトリ・ショスタコーヴィチの交響曲第7番ハ長調「レニングラード」作品60を聴き、西谷から三枚町まで

2016-04-27 07:10:43 | ショスタコーヴィチの作品
昨日は西谷から三枚町まで歩きました。
途中聴いたのはショスタコーヴィチが1941年に作曲した、
交響曲第7番ハ長調「レニングラード」作品60である。
聴いたCDはエフゲニー・スヴェトラーノフ指揮、
ソ連国立管弦楽団の演奏によるもので、1978年のライブ録音である。
第1楽章アレグレットは、力強く堂々とした第一主題で始まる。
これは「人間の主題」とよばれている。
そして、明るい第二主題が弦楽器を中心に奏でられる。
そのあとは行進曲風の「戦争の主題」が奏でられ、
これがラヴェルの「ボレロ」風な手法で展開される。
徐々に楽器を増やしながら、荒々しくなっていくところは、
戦争の厳しい局面を描写しているかのようでもある。
最後再び第一主題が現れる前後の部分が、
テンポをあげていくところが効果的で、
スヴェトラーノフらしく、印象に残るところである。
コーダは「戦争の主題」がかすかに顔を出すことで、
戦争がまだ終わらないことを暗示させ、最後は静かに終わる。

第2楽章モデラート(ポコ・アレグレット)はスケルツォ楽章で、
ヴァイオリンが奏でる軽快な主題で始まる。
オーボエが奏でる優雅な旋律がそれに絡んでいく。
中間部では打楽器や金管楽器により徐々に盛り上がりを見せる。
それが終わると再び冒頭の主題が繰り返されて終わる。
第3楽章アダージョは、木管楽器群を中心としたコラールで始まり、
それが終わると弦楽器が力強く旋律を奏でていく。
木管楽器群のコラールと弦楽器の奏でる旋律は繰り返される。
そのあとフルート・ソロによる美しい旋律が現れ、
他のフルートも絡み合っていき、そのあとは弦楽器が引き継いでいく。
そして、そのあとは躍動的で情熱的な旋律が現れて、
金管楽器も加わり、盛り上がりをみせていき、
勝利に向けた希望に満ちた旋律が奏でられる。
そして、再び冒頭のコラールの旋律が弦楽器で現れ、
弦楽器による力強い旋律も繰り返されて終わる。
第4楽章(アレグロ・ノン・トロッポは、
弦楽器による軽快で力強い旋律で始まる。
徐々に荒々しい感じになり、それは続く戦争を示しているのだろう。
そして、力強く堂々とした旋律も弦楽器で現れ、繰り返される。
そしてあとで中心になる主題が何度も顔を現われ徐々に支配的になり、
それに第一楽章の「人間の主題」が金管楽器により奏でられ、
ティンパニが鳴り響いて、盛り上がりをみせたところで、
最後力強く終わるが、最後の音を伸ばすこのライブ盤はなかなかいい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドミトリ・ショスタコーヴィチの交響曲第12番ニ短調「1917年」作品112を聴く

2016-04-25 06:18:04 | ショスタコーヴィチの作品
今回取り上げるのはショスタコーヴィチが、
1961年に作曲した交響曲第12番ニ短調「1917年」作品112である。
聴いたCDはムスティスラフ・ロストロポーヴィチ指揮、
ロンドン交響楽団の演奏による。
第1楽章「革命のペトログラード」(モデラート-アレグロ)は、
低弦による重々しい導入部から始まる。
中心主題となるこの旋律は繰り返されたあと、
アレグロの主部に入り、ファゴットが第一主題を奏でる。
やがて打楽器と金管楽器を中心に荒々しく盛り上がっていく。
これが終わると低弦が第二主題を奏でていく。
それらの主題をもとに展開されて、
激しい革命の様子を描写し、勝利を目指すように、
希望に満ちた旋律が現れながら突き進んでいく。
最後はそれを回想するかのように旋律が奏でられ、
金管楽器によるファンファーレ風の部分も現れて終わる。

第2楽章「ラズリフ」(アダージョ)は、低弦の奏でる旋律で始まる。
ラズリフはレーニンが革命の年に仕事をしていた、
ペテログラード近郊の湖のことであるようだ。
湖の湖面の水の揺れるさざ波の音を示すような旋律が、
他の楽器に引き継がれる中、ホルンも絡んでいく。
中間部は木管楽器により牧歌的な旋律が奏でられていく。
やがて金管楽器が歌うように旋律を奏でていき、
弦楽器のトレモロとともに盛り上がりを見せ、
最後は穏やかに終わり、次の楽章に続く。
第3楽章「アフローラ」(アレグロ)は、
弦楽器のピチカートで始まり、それに木管楽器や打楽器が絡み、
そのあとは激しい感じになり、皇帝に反旗を翻し、
ネヴァ川から冬宮を砲撃した巡洋艦アフローラの活躍を示し、
第一楽章の主題も顔を表して終わる。
第四楽章「人類の夜明け」(アレグロ-アレグレット)は、
力強く勇ましい第一主題が奏でられて始まる。
弦楽器と金管楽器により示されるこの旋律は歓喜を示している。
もう一つの主題は弦楽器により示される優しく明るい旋律である。
これまでの楽章で出てきた主題も回想風に現れながら、
革命の激しさと厳しさとそれを乗り越え勝利した歓喜が示される。
革命歌が金管楽器で繰り返される中、ティンパニが鳴り響き、
力強い歩みを進めながら、盛り上がりをみせ、高揚したところで終わる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドミトリ・ショスタコーヴィチの交響曲第4番ハ短調作品43を聴く

2016-04-23 09:12:59 | ショスタコーヴィチの作品
今回取り上げるのはショスタコーヴィチが、
1935年から36年にかけて作曲した交響曲第4番ハ短調作品43である。
聴いたCDはガキリル・コンドラシン指揮、
モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による。
第1楽章アレグロ・ポコ・モデラートは、
強奏に始まり、力強くリズミカルな第一主題が示される。
そして第二主題も現れたあと、盛り上がりを見せていく。
それが終わった後は木管楽器中心に活躍し、
そのあとは静かな部分を経て、再び盛り上がり、
静まったあとはファゴットが旋律を奏で、
弦楽器を中心としたゆったりとした部分に入る。
ファゴットやフルートが弦楽器と絡んで旋律を奏で、
次には舞踏風の音楽になり、金管楽器が中心になり盛り上がり、
木管楽器が第一主題をもとにした展開を進めていく。
そのあとは疾走するような弦楽器の旋律が現れ、
フーガ風に展開していき、金管楽器も加わり音の厚みを増す。
そのあとワルツ風になり、強奏のあと第一主題の一部が再現され、
イングリッシュ・ホルンが旋律を引き継ぎ、ヴァイオリン独奏が続き、
ファゴットが第一主題を奏でて、イングリッシュ・ホルンも続いて終わる。

第2楽章モデラート・コン・モートは、
弦楽器が舞踏風の旋律を奏でて始まる。
その主題を弦楽器の中で引き継ぎながら曲は進行し、
木管楽器や金管楽器がそれに絡んでいく。
終わりの方で盛り上がりをみせたあとは、
最初の主題を繰り返して終わる。
第3楽章ラルゴ-アレグロは、低弦の奏でるリズムに乗り、
ファゴットが行進曲風の旋律を奏でて始まる。
葬送的でもあるこの雰囲気はマーラー風であり、
交響曲第7番の雰囲気を感じさせもする。
やがて金管楽器も加わり、盛り上がりをみせ華やかとなる。
それがいったん終わると静かになり、弦楽器中心となる。
やがて、軽快でリズミカルに旋律が奏でられ盛り上がっていき、
木管楽器と金管楽器により激しく荒々しい感じになり、
それが終わると舞踏風の優雅な旋律と、
軽快な旋律が交互に繰り返される。
そして打楽器の強打の上で、
金管楽器のコラール風の旋律が力強く奏でられる。
それが繰り返されながら、盛り上がりをみせたあと、
フルートに続き弦楽器が静かに旋律を奏でて、
チェレスタが分散和音によるオスティナートを繰り返し、
最後は神秘的な雰囲気の中、謎めいた部分を残して静かに終わる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドミトリ・ショスタコーヴィチの交響曲第14番ト短調作品135を聴く

2016-04-22 06:10:38 | ショスタコーヴィチの作品
今回取り上げるのはショスタコーヴィチが、
1969年に作曲した交響曲第14番ト短調作品135である。
聴いたCDはガリーナ・ヴィシネフスカヤのソプラノ、
マルク・レシェティンのバス、ルドルフ・バルシャイ指揮、
モスクワ室内管弦楽団の演奏による1969年10月6日のライブ録音である。
第1楽章「深き淵より」(アダージョ)は、
弦楽器による序奏に続き、バス独唱が歌い始める。
効果的なコントラバスの音にヴァイオリンが絡み、
ロルカの詩に基づく死のイメージがバスによって歌われる。
第2楽章「マラゲーニャ」(アレグレット)は、
前楽章の静のイメージとは対照的で動のイメージで、
せわしく動く弦楽器の動きに合わせ狂乱したように、
ソプラノ独唱によりロルカの詩に基づく歌が、
舞踏的な旋律にのって歌われる。
第3楽章「ローレライ」(アレグロ・モルト)は、
バス独唱とソプラノ独唱により歌われる。
アポリネールの詩に基づく歌が、荒々しく、
軽快なテンポで、行進曲風な伴奏に乗って歌われる。
鐘が鳴り、そのあとはゆったりとしたテンポとなる。
最後チェロの音が残り、次の楽章に続く。

第4楽章「自殺者」(アダージョ)は、
チェロ独奏の伴奏に乗ってソプラノ独唱により、
アポリネールの詩に基づく歌が歌われていく。
やがて伴奏に弦楽合奏も加わるが、そのあともチェロ独奏が、
ソプラノ独唱に絡んでいき、最後は消え入るように終わる。
第5楽章「用心して」(アレグレット)は、シロフォンの音と、
打楽器による行進曲風のリズムの中、ソプラノ独唱が歌う。
アポリネールの詩に基づく歌は、塹壕で死ぬ兵士を歌っている。
第6楽章「マダム、ごらんなさい!」(アダージョ)は、
バス独唱とソプラノ独唱が対話風に歌っていく。
アポリネールの詩に基づく歌で、ドラマティックである。
第7楽章「ラ・サンテ監獄にて」(アダージョ)は、
バス独唱によりアポリネールの詩に基づく歌が続く。
ここでもコントラバスなど低弦の音が効果的に使われる。
この音は監獄のイメージといっていいのだろうか。

第8楽章「コンスタンチノープルのスルタンへのザポロージェ・
コサックの返事」(アレグロ)も、アポリネールの詩に基づく。
弦楽器の鋭い音と、バス独唱により展開されていく。
第9楽章「おお、デーリヴィク、デーリヴィク」(アンダンテ)は、
キュヘルベーケルの詩に基づくもので、キュヘルベーケルは、
プーシキンの友人で、デーリヴィクも同じく友人であった。
デーリヴィクはデカブリストの乱に参加し、シベリアの流刑地で亡くなった。
弦楽合奏の序奏のあと、デーリヴィクに呼びかけるように歌われる。
最後のチェロとコントラバスによる五重奏が効果的である。
第10楽章「詩人の死」(ラルゴ)は、リルケの詩に基づくもので、
弦楽合奏の前奏に続き、ソプラノ独唱が歌って始まる。
ヴィブラフォンの音が途中で効果的に使われる。
第11楽章「結び」(モデラート)も、リルケの詩に基づくもので、
カスタネットと弦楽合奏の軽快な伴奏の上で、
バス独唱とソプラノ独唱が「死は全能」と歌って始まり、
盛り上がったところでトムトムが衝撃的に鳴り響いて終わる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする