Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

クレシミル・バラノヴィッチのバレエ組曲「リツィタル・サルツェ」を聴く

2023-04-23 14:18:54 | 古典~現代音楽バルカン地域編
今回は1894年生まれのクロアチアの作曲家バラノヴィッチが、
1927年に作曲したバレエ組曲「リツィタル・サルツェ」に触れる。
今回聴いたCDはクレシミル・バラノヴィッチ指揮、
ベオグラード・フィルハーモニー管弦楽団の演奏である。
バラノヴィッチはシベニクで生まれ、ザグレブでピアノとホルンを学び、
ウィーン国立音楽大学で1912年から1914年まで作曲を学んだ。
翌年からはザグレブ歌劇場の指揮者となり、
その後スロヴァキアでも指揮者としても活動したようだ。
そのあとはベオグラード中心に活動し、
ベオグラード・フィルハーモニー管弦楽団の指揮者も10年以上務めた。
バレエ組曲「リツィタル・サルツェ」は6つの曲から成っている。
リツィタル・サルツェとは北クロアチアにみられる
ジンジャー・ブレッドのことで、赤いハート形などしており、
クリスマスなどの飾り物などにもする伝統菓子のようである。

第1曲「定期市にて」は、明るく弾んだ旋律で始まる。
やがて金管楽器も加わり、華やかな感じになり、
打楽器も加わり、騒々しい感じで盛り上がる。
それが終わると静まり、新たな舞踏的な旋律になり、
徐々に荒々しい舞踏へと発展し、最初の主題も現れ、
二つの主題をもとに徐々に熱狂的な高揚感をみせていく。
にぎやかな定期市の様子を描いているのだろうか。
民謡風の旋律も現れ、エネルギッシュで色彩豊かな音楽である。
終わりの方はヴァイオリンが奏でる美しい旋律の後、
再び金管楽器も加わり、リズミックな旋律が繰り返され、
次の第2曲「男女が登場する」に切れ目なく続いていく。
この曲の最初は、ゆったりとした旋律で始まる。
ロマンティックな旋律が弦楽器により奏でられ、
切れ目なく次の第3曲「リツィタルが命を得る」に移る。
これもゆったりとした旋律であり、ワルツ風である。
第4曲「2つのリツィタル・サルツェのパ・ド・ドゥ」は、
金管楽器と打楽器により荒々しく勇ましく始まる。
舞踏的な感じで盛り上がって高揚したあと、
後半は夜を思わせるようなゆったりとした旋律になる。
第5曲「教会の外側」は、トランペットの旋律で始まる。
打楽器も加わり、盛り上がりをみせていく。
ヴァイオリン中心の歌うような旋律が奏でられ、
徐々に高揚する中で終曲にそのまま続く。
第6曲「祝賀会」は、金管楽器と弦楽器による速い旋律で、
お祭り騒ぎのように盛り上がっていき、終曲らしい。
最後は盛り上がったところで力強く終わる。
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フラン・ロートカのバレエ組曲「村の悪魔」を聴く

2023-04-15 20:39:49 | 古典~現代音楽バルカン地域編
今回は1883年生まれのクロアチアの作曲家ロートカが、
1935年に作曲したバレエ組曲「村の悪魔」に触れる。
今回聴いたCDはフラン・ロートカ指揮、
ザグレブ国立歌劇場管弦楽団の演奏である。
フラン・ロートカはチェコで生まれ、
プラハ音楽院でホルンと作曲を学んだ。
この時、作曲で師事した先生にはドヴォルザークがいる。
1909年からはザグレブに移り住み、そこで音楽の仕事を得て、
クロアチアの音楽教育にも携わり、指揮者としても活動したようだ。
バレエ組曲「村の悪魔」は7つの曲から成っている。
ストーリーは分からないが、各曲のタイトルで想像はできそうだ。
第1曲「悪魔は恋人ミルコとイェラに対して企む」は、
何やら大変なことが起きるかのように、
民謡風の旋律に乗って、騒々しい音楽で始まる。
それが静まり、弦楽器とフルートがゆったりとした旋律を奏でられる。
そして抒情的な旋律が弦楽器中心に奏でられ、
管楽器も絡み、最後は静かに終わる。

第2曲「踊り」は、駆け抜けていくような軽快なテンポで、
何かが迫りくるかのような緊張感がある。
民謡風の旋律が奏でられ、高揚したところで終わる。
第3曲「地獄」は、ファゴットの音で始まり、おどけた感じである。
ハンガリーの音楽を思わせるような舞踏的音楽である。
第4曲「魔女たちのサバト」は、ワルツを思わせるような音楽で始まるが、
どこか怪しい感じで荒々しさもあり、打楽器の音が悪魔的である。
サバトは魔女たちの集会だが、それを思わせるおどろおどろしさがある。
第5曲「魔女たちのどんちゃん騒ぎ」は、ファゴットの音で始まる。
そのあと民謡風の旋律が奏でられていき、舞踏的な音楽になる。
一方感傷的な感じのゆったりとした旋律も現れ、
二つの旋律が交互に現れて、絡んで盛り上がって終わる。
第6曲「光の回復」は、オーボエの音で始まる。
そのあと弦楽器が奏でる生き生きとした旋律が繰り返される。
第7曲「ミルコの地獄からの脱出、村人の歓喜」は、
苦悩を思わせるような地獄を思わせる音楽で始まり、
これとは対照的な力強い旋律が次に現れる。
舞踏的な音楽になり、徐々に盛り上がり、
最後は明るい音楽になり、高揚したところで終わる。
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マノリス・カロミリスの交響詩「ミナスの反乱、エーゲ海の海賊」を聴く

2023-03-26 10:11:24 | 古典~現代音楽バルカン地域編
今回は1883年生まれのギリシアの作曲家カロミリスが、
1940年9月16日に作曲を完了した交響詩、
「ミナスの反乱、エーゲ海の海賊」について触れる。
今回聴いたCDはバイロン・フィデツィス指揮、
ロシア国立シンフォニック・カペラの演奏である。
ギリシア生まれの作家コスティス・バスティアスの、
小説「ミナスの反乱、エーゲ海の海賊」に基づいているようだ。
この小説は1939年に出版されたもので、
これを読んだ作曲家が、インスピレーションを得たのだろう。
最初から金管楽器や打楽器による大音響で始まり、
反乱を思わせる騒々しい感じであるが、
それが静まるとギリシア民謡風の旋律が奏でられる。
感傷的な部分と情熱的なところが交互に現れながら進行し、
映画音楽を聴いているかのようで、ドラマティックである。
後半は木管楽器とはハープによる穏やかな音楽が続き、
冒頭の荒々しい感じとは対照的にのどかな感じで静かに終わる。
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ニコス・スカルコッタスの「4つの映像」を聴く

2023-03-05 11:19:26 | 古典~現代音楽バルカン地域編
今回は1904年生まれのギリシアの作曲家スカルコッタスが、
1948年に作曲した「4つの映像」について触れる。
今回聴いたCDはニコス・フリストドルー指揮、
BBC交響楽団の演奏である。
第1曲「収穫期」(モデラート)は、弦楽器のリズムに合わせ、
ホルンの音が奏でる力強い旋律で始まる。
その旋律は他の弦楽器などに引き継がれていく。
もう一つの旋律は抒情的で、弦楽器が奏でていく。
再び冒頭の旋律が現れ、最後力強く終わる。
第2曲「種まき」(アンダンテ)は、
弦楽器が奏でる優しい感じの旋律で始まる。
木管楽器も絡み、やがて金管楽器も絡む。
中間でトランペットが力強い旋律を奏で、
盛り上がりをみせていくが、そのあとは穏やかになり、
やや感傷的な感じになり、最後は穏やかに終わる。
第3曲「ワインの醸造」(アレグロ)は、打楽器のリズムに乗って、
弦楽器や金管楽器が明るく楽しい旋律を奏でていく。
ワインが発酵していく様子を描いているのだろうか。
とにかく聴いていて楽しくさせる音楽である。
第4曲「ぶどう絞り」(モルト・ヴィヴァーチェ)は、
軽快で流れるような旋律が弦楽器中心に奏でられ、木管楽器も絡む。
そのあとは弦楽器と金管楽器で楽しく民謡的な旋律で、
明るい感じに盛り上がっていき、最後力強く終わる。
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パンチョ・ヴラディゲロフの3つの演奏会用小品作品57を聴く

2023-01-04 22:21:44 | 古典~現代音楽バルカン地域編
今回は1899年生まれのブルガリアの作曲家の
パンチョ・ヴラディゲロフが、
1959年から1960年にかけて作曲した、
3つの演奏会用小品作品57について触れる。
今回聴いたCDはアレクサンドル・ヴラディゲロフ指揮、
ブルガリア国立放送交響楽団の演奏である。
なお、アレクサンドル・ヴラディゲロフは彼の息子である。
パンチョ・ヴラディゲロフはスイスで生まれたが、
その後ブルガリアで育ち、少年期からピアノと作曲を学び、
その後はベルリンに行き、ピアノと作曲を学んだ。
プロイセン芸術アカデミーでは、
ゲルンスハイムなどに作曲を師事したようであり、
帰国後はブルガリア国立音楽院の講師として招かれ、
その後はピアノ科教授として就任し、
教育活動の一方創作活動も積極的に行ったようである。

第一曲アリオーソは、のどかで牧歌的な曲である。
民謡的な旋律が木管楽器により歌うように奏でられる。
その旋律を弦楽器も引き継いだりもして、
ハープも加わり幻想的な感じにもなる。
第二曲カプリースは、軽快な旋律が奏でられていく。
明るい旋律が自由に展開されていき、
盛り上がったところで終わる。
第三楽章アジアの踊りは、荒々しい舞踏の音楽で始まる。
明るい曲調で、金管楽器も加わり盛り上がっていき、
最後は高揚したところで終わる。
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