Mars&Jupiter

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ベートーヴェンの交響曲第1番ハ長調作品21から交響曲第9番ニ短調「合唱」作品125までを聴く

2023-12-31 21:29:40 | ベートーヴェンの交響曲・管弦楽曲
大みそかの日なのでベートーヴェンの交響曲を全曲通して聴きました。
交響曲第1番ハ長調作品21から交響曲第8番ヘ長調作品93までは、
ルドルフ・ケンペ指揮、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による。
第1番から第8番のCDについては聴いた順に触れていく。
交響曲第1番ハ長調作品21は、明快な演奏で名演である。
各楽器の音の中でも木管楽器の音がはっきり聞こえ、
交響曲第5番ハ短調作品67「運命」でもそれは同じである。
第5番も音楽が自然に流れ、生き生きとした演奏であり、
改めて指揮者としてのケンペの良さがわかる。
交響曲第3番変ホ長調「英雄」作品55は、
リズミックなところが際立って聴こえるところがいい。
第二楽章のドラマティックな展開もなかなかである。
第四楽章では、弦楽器や金管楽器の音の動きが目立つが、
木管楽器の音がよく聞こえ動きがわかるところもいい。

交響曲第6番ヘ長調「田園」作品68の演奏も、
音楽の中にあるリズミックな部分を引き立たせ、
終楽章まで生き生きとした自然な演奏を聴かせている。
交響曲第7番イ長調作品92も、木管楽器の音が引き立ち、
全楽章生き生きとしたリズムの躍動感に満ちている。
交響曲第8番ヘ長調作品93もリズミックな部分がみられ、
各楽器と木管楽器とのバランスも重要なので、
ケンペらしい良さが発揮される作品である。

交響曲第2番ニ長調作品36は、序奏から主部に入る前の、
木管楽器と弦楽器や金管楽器の旋律のやりとりがいい。
そして主部に入ってからの主題の爽快感のあるテンポ感がいい。
第三楽章のダイナミックなスケルツォの部分もよい。
交響曲第4番変ロ長調作品60は、第一楽章の主部以降がいい。
流れるように一気に駆け抜けて、各楽器の音のバランスがいい。
終楽章が特にダイナミックな部分も加わり軽快さがいい。
一気に聴いてみるとケンペのベートーヴェン交響曲全集はやはりいい。
全体的にいいし、あまり曲による出来不出来はなく揃っている。
なお、第9番の演奏については以前ブログで触れているので省略します。
1974年の録音とはいえ、音質も悪くないし今聴いても遜色ない。

その同じ年に小澤征爾は交響曲第9番ニ短調「合唱」の最初の録音をしている。
ボストン交響楽団の音楽監督に就任して翌年の録音である。
聴いたCDの演奏は、小澤征爾指揮、ニュー・フィルハーモニア管弦楽団、
アンブロジアン・シンガーズ、独唱者はマリタ・ネイピアのソプラノ、
アンナ・レイノルズのメゾ・ソプラノ、ヘルゲ・ブリリオートのテノール、
カール・リッダーブッシュのバスによるものである。
第一楽章から緊迫した雰囲気で始まり、力がみなぎっている。
第二楽章もダイナミックで軽快なテンポである。
中間部のトリオの流れるような音楽のテンポ感もいい。
第三楽章も生き生きとして美しい旋律とハーモニーに溢れている。
終楽章は、軽快なテンポで力強く堂々とした演奏で、
歓喜にみなぎる感情を管弦楽と合唱と独唱者により表現している。
今聴いてもこの演奏は若い時期の小澤征爾の優れた録音の一つだろう。

今年も自分のペースで気楽にブログを書くことができました。
ともかく一年健康でいられたことに感謝。
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの交響曲第1番と交響曲第2番と交響曲第7番から交響曲第9番までを聴く

2022-12-31 23:04:07 | ベートーヴェンの交響曲・管弦楽曲
今日は交響曲第1番ハ長調作品21と交響曲第2番ニ長調作品36、
そして、交響曲第7番イ長調作品92から、
交響曲第9番ニ短調「合唱」作品125まで聴きました。
今回聴いたCDはベルナルド・ハイティンク指揮、
コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏である。
交響曲第9番ニ短調「合唱」作品12のみは、
ルチア・ポップのソプラノ、キャロライン・ワトキンソンのアルト、
ペーター・シュライアーのテノール、ロベルト・ホルのバス、
そしてオランダ放送合唱団が加わっている。
それぞれについて簡単に感想を書いていく。

交響曲第1番ハ長調作品21は、
第一楽章の序奏の部分のテンポがかなり遅い。
主部に入ってからの軽快な感じと対照的である。
第二楽章は軽快なテンポで、録音がいいこともあり、
弦楽器をはじめ各楽器の動きがよくわかる。
第三楽章も軽快できびきびとした演奏である。
第四楽章の序奏もゆったりと始まるが、
主部は生き生きとしてよく、各楽器の音のバランスもよい。

交響曲第2番ニ長調作品36は、
第一楽章の序奏は歌うように軽快に流れていく。
主部も明るく軽快に始まり、生き生きとして弾んでいて、
展開部もなかなかよく、飽きることなく、
一気に最後まで聴くことができる演奏である。
第二楽章は木管楽器の明るい音色の響きで始まるが、
時に影のある部分もあり、平和が長続きしない現状を、
思い起こしもするが、それでも人々は平和を求めている。
この時期はナポレオンが対外的にも和平を結んでいるので、
ヨーロッパ内は平和が保たれていた時期なんだろうなと、
ふと思いながら聴いてしまう。
第三楽章は音楽を聴きながら不安と理想について考えてしまった。
第四楽章は軽快に音楽が流れていく。
なかなか弦楽器のグルーブ感がよく、のってしまった。

交響曲第7番イ長調作品92は、
第一楽章の序奏の部分が力強く、木管楽器の響きもいい。
主部に入ってから主題を奏でるフルートの音もいい。
力強い演奏で展開部の流れるように各楽器に、
フレーズが移っていくところがいいと感じた。
金管楽器が鳴る音もバランスよく感じた。
第二楽章は淡々と進んでいき、深い感情移入はない。
しかし、曲の構造がよくわかる明快な演奏である。
第三楽章、第四楽章も軽快な演奏である。
第四楽章は特に各楽器の旋律のやりとりがスリリングで、
最後テンポアップしていくところがいい。

交響曲第8番ヘ長調作品93は、
第一楽章のテンポも自然で、力みのない演奏である。
第二楽章は軽快なテンポで明るい感じである。
第三楽章、第四楽章も流れるように進むが、
第一楽章の少し乗る気が十分に出ていない感じからすると
あとになればなるほど乗ってきている印象を受ける。

交響曲第9番ニ短調「合唱」作品125は、
第一楽章が淡々と流れていくように進んでいく。
打楽器や金管楽器の音も抑えられてバランスがいい。
第二楽章は軽快なテンポで、各楽器の統制がとれている。
よく打楽器や金管楽器が目立ったりするが、
むしろ弦楽器の動きに耳が傾く。
第三楽章は自然に流れていく中、
弦楽器が奏でる旋律がやはり美しい。
第四楽章も各楽器と合唱のバランスの良さに感心する。
最後の盛り上がりかたもなかなかいい。
マーラーやブルックナーの録音でなじみのあるハイティンクだが、
ベートーヴェンの交響曲も聴いてなかなかの名演を聴かせている。

今年退職後あっという間の1年であった。
毎日の生活に大きな変化はないが、
1日1日の体験を大切にしようと感じたことは確か。
来年に向けてはもっと自分の研究に力を入れていこう。
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの交響曲第3番から交響曲第6番までを聴く

2022-12-30 22:30:56 | ベートーヴェンの交響曲・管弦楽曲
年末はベートーヴェンの交響曲を聴く。
今日は交響曲第3番変ホ長調「英雄」作品55から、
交響曲第6番ヘ長調「田園」作品68まで聴きました。
今回聴いたCDはサー・コリン・デイヴィス指揮、
BBC交響楽団の演奏で1970年代の録音である。
それぞれについて簡単に感想を書いていく。
交響曲第3番変ホ長調「英雄」作品55は、
第一楽章から颯爽とした感じで力みのない演奏である。
自然に流れていき、各楽器の音もバランスよく鮮明に聴こえる。
第二楽章も感情に流されることはないが、
演奏はダイナミックでドラマティックである。
第三楽章、第四楽章を聴いても見通しの良い演奏で、
各楽器の音の動きがよくわかるし、音量のバランスがいい。
終わり方もとてもスマートな感じがする。

交響曲第4番変ロ長調作品60は高校時代に友人の家で、
発売されたばかりのこの録音のレコードを聴いた思い出がある。
第一楽章のゆったりと始まる序奏に続き、
あふれんばかりにみなぎる力で弦楽器が主題を奏で、
始まる感じが印象に残っていて、友人が勧めていた。
その時のことを思い起こすかのように生き生きとした演奏である。
流れるように音楽は進み、力強さとやさしさのメリハリを感じる。
第二楽章はゆったりと始まり、木管楽器の響きが美しい。
第三楽章と第四楽章は弦楽器の活躍が際立っている。

交響曲第5番ハ短調作品67「運命」は、
第一楽章のはじまりは特に変わったところはないが、
徐々に力がこもっていくなと感じたりする。
金管楽器と弦楽器が特に緊迫した感じを出している。
第二楽章は弦楽器でゆったりと静かに始まるが、
金管楽器が鳴り響くところは力強く対照的である。
第三楽章は金管楽器が鳴り響いて始まるところが力強い。
第四楽章も堂々として力強くなかなか素晴らしく、
金管楽器と打楽器の鳴り響く最後がいい。

交響曲第6番ヘ長調「田園」作品68は、
第一楽章の軽快で躍動的な始まりがいい。
展開部からの部分が特によく、流れるような進行がいい。
第二楽章は木管楽器の中での旋律の受け渡しが心地いい。
第三楽章以降も自然な流れで各楽器の音のバランスがいい。
第四楽章の荒々しさの中では弦楽器が動きのよさをみせる。
第五楽章でも弦楽器が流れるように美しい旋律を奏でていき、
金管楽器とともに盛り上げて、最後はさわやかに終わる。
一気に第3番から第6番まで聴いてみたが、
この時期のコリン・デイヴィスのベートーヴェンは、
なかなかオーケストラも含めいい演奏をみせていると思う。
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ギーレン指揮のベートーヴェンの交響曲第4番と第5番、第7番を聴く

2022-01-01 18:39:32 | ベートーヴェンの交響曲・管弦楽曲
今日はベートーヴェン交響曲群をギーレンの指揮で聴いた。
すべてドイツのフライブルク・コンサートハウスでのライブ収録で、
バーデン・バーデン&フライブルクSWR交響楽団の演奏である。
交響曲第4番変ロ長調は、2000年1月に行われたライブ映像である。
第一楽章は、重々しい序奏とは対照的に提示部は生き生きとして躍動感がある。
第二楽章は、各弦楽器が中心となっており、各楽器の旋律の動きがよくわかっていい。
木管楽器や金管楽器や打楽器はそれを色彩を加えていく感じである。
第三楽章は軽快さと力強い部分が現れていくスケルツォである。
第四楽章は一気に駆け抜けていく楽章であるのだが、
ギーレンは冷静に的確な指示をしながら盛り上げて終わりにしている。
交響曲第5番ハ短調は、1997年12月に行われたライブ映像である。
第一楽章は、軽快なテンポで進んでいき、流れるように進んでいく。
だからといって表現は大人しいわけではなく、ダイナミックである。
第二楽章は、軽快なテンポの中、各楽器の動きが細部にわかっていい。
第三楽章も各弦楽器の掛け合いする部分の動きがよくわかっていい。
第四楽章は、力強く主題が高らかに歌われて始まり、
最後の高揚して終わるところまで一糸乱れず素晴らしい。
交響曲第7番イ長調は、1998年6月に行われたライブ映像である。
第一楽章は、序奏部で木管楽器など各楽器にゆったり旋律を歌わせて始まる。
提示部に入り、フルートの主題で始まるが、それが全体で力強く奏でられ、
展開部からコーダまで力強く推進力のある指揮で一気に聴かせてくれる。
第二楽章は、前楽章とは対照的に重く沈んだ変奏形式の楽章であるが、
丁寧にそして冷静に曲を進行させていき、ここもなかなかいい。
第三楽章は、軽快さとダイナミックな部分が現れるところで、
音やテンポのメリハリがつけられていてとてもいい。
第四楽章は音楽的にも素晴らしい楽章であり、展開部では弦楽器同士、
旋律のやりとりをすることろがみられる聞かせどころがある。
冷静に楽団をコントロールしながら、最後のコーダまで、
一気に聴かせていくギーレンの指揮もなかなかである。
今回は年末年始にベートーヴェンの交響曲全曲を、
3人の指揮者によるDVDを聴き比べで視聴した。
それぞれの指揮者なりの特性があって面白かった。
来年度はどうしようかはまた1年後になってかな。
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クーベリック指揮のベートーヴェンの交響曲第2番と第3番、第9番を聴く

2021-12-31 22:39:28 | ベートーヴェンの交響曲・管弦楽曲
今日はベートーヴェン交響曲群をクーベリックの指揮で聴いた。
交響曲第2番ニ長調はアムステルダムのコンセルトヘボウで、
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団により演奏されたものである。
1969年6月に録画されたもので、交響曲全集では1974年に同作品を同楽団と録音している。
第一楽章は、主題を生き生きと演奏する楽団員の姿が見られる。
第二楽章は優雅な感じで、第三楽章は力強い演奏が印象的である。
第四楽章は流れるように一気に聴かせ、熱気あふれる演奏である。
交響曲第3番変ホ長調はベルリンのUFAスタジオで、
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団により演奏されたものである。
1967年3月に録画され、交響曲全集ではこの楽団とも1971年に同じ作品を録音している。
第一楽章は、力強くダイナミックで、生き生きとした演奏である。
第二楽章は、葬送行進曲は厳粛で悲痛な雰囲気で演奏されていく。
木管楽器が奏でる旋律はそれを一瞬忘れさせるかのようでもあるが、
理想と現実の差を感じさせ、現実が勝っていることを実感させる。
前楽章ではスタジオの背景は燃えるような赤であったが、
その楽章ではスタジオの背景は黒に変わっていてそのコントラストも面白い。
第三楽章は、きびきびとした演奏であることに違いないが、
中間部でのホルンの三重奏がやはり印象的である。
第四楽章のスタジオの背景は再び燃えるような赤になっている。
自由な変奏曲の形式をとりながら、演奏も徐々に盛り上がりをみせていく。
弦楽器のそれぞれの動きをよくわかった指示の仕方をしているなと感心する。
フィナーレは一気に聴かせる感じで力強く盛り上がって終わるところがいい。
交響曲第9番ニ短調はドイツのミュンヘンにあるヘラクレスザールで、
1970年12月31日に演奏されたライブを録画したものである。
演奏はバイエルン放送交響楽団および合唱団、
で、ソプラノはグンドゥラ・ヤノヴィッツ、アルトはブリギッテ・ファスベンダー、
テノールはヴァルデマール・クメント、バスはフランツ・クラスである。
交響曲全集では1975年に同楽団(ソリストは違うが)との録音をしている。
この時期にしては映像がモノクロで、音声がモノラルというものどうかと思うが、
それはともかく指揮をするクーベリックの姿は関係なくエネルギッシュである。
第一楽章は、緊迫感を持ちながらも流れるように曲は進行し、最後盛り上がって力強く終わる。
第二楽章は、緻密さと荒々しさをみせながら、突き進んでいく。
第三楽章は、穏やかで牧歌的な中で、それぞれの楽器が歌うように旋律を奏でる。
甘美で、愛にあふれた平和的な音楽がクーベリックの指揮の下で作られていく。
モノラル録音なので弦楽器同士の旋律のやりとりは立体的に把握できないのは残念である。
終楽章は、力強さの一方でそれぞれの楽器に旋律を十分に歌わせていく。
その自然な流れで独唱者や合唱の歌につながっていく。
楽器も独唱者そして合唱もすべてが歌うことで全体が大きな響きになっていく。
そんなことを思わせる演奏であり、最後のコーダからの盛り上がり方がいい。
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