Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

ベンヤミン・ユスポフのノーラ~様々な笛と弦楽オーケストラのための協奏曲を聴きながら西谷まで歩く

2009-05-24 04:48:55 | 古典~現代音楽その他の地域編
昨日は二俣川から西谷まで歩きました。
途中聴いたのは1962年生まれのユスポフの作品。
ベンヤミン・ユスポフはタジキスタンに生まれ、
1981年から1990年の間、モスクワのチャイコフスキー音楽院で
ピアノ、作曲法、指揮法の教育を受け、
ドミトリ・キタエンコなどに師事した。
その間から、指揮者、作曲家として活躍し、様々な賞を受け、
1990年にはイスラエルに移住している。
ノーラ~様々な笛と弦楽オーケストラのための協奏曲は、
1994年に作曲された作品で、二楽章で構成される作品である。
今回聴いたCDの演奏はマティアス・ヅィーグラーのフルート(各種笛)、
ヘルムラートの指揮、ドレスデン交響楽団によるものである。

第一楽章は、ダブルベース・フルートというのか、
かなり低い音の笛の響きで怪しくゆっくりと始まる。
その響きはアジア的であり、祈るような声まで聞こえ、
宗教的な雰囲気を漂わせているが、その瞑想的な音楽は、
弦楽器が加わってからもしばらくの間、保たれていく。
さらに西アジアにみられる笛の響きで旋律が奏でられ、
そのあと弦楽器とのやりとりが続き、叙情的な部分をみせ、
後半から躍動的な主題が弦楽器により現れ、繰り返され、
徐々にドラマティックに盛り上がりをみせていき、
笛の音と絡み合いながら、冒頭の瞑想的な音楽が登場し、
最後は静かに終わり、第二楽章に続いていく。

第二楽章は、その続きから始まるが、
音楽はやがて一定のリズムを刻みだし、
フルートと弦楽器で、躍動的な旋律を奏でていく。
オスティナート風に繰り返されるリズムの中で、
フルート(笛)奏者の高度な技巧が発揮される。
親しみやすい旋律が繰り返されながら、盛り上がり、
最後はフルートの下降する音で終わる。
生命の躍動を感じさせるこういう曲は、
気分の落ち込んだ今の自分の心に、
前向きに生きることの活力を与えてくれる。
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忙しい一日そして呉祖強の琵琶協奏曲「草原の小姉妹」をレコードで聴く

2009-05-23 07:00:12 | 古典~現代音楽その他の地域編
昨日は一日中忙しく、ウォーキングをする時間もなかった。
ゆとりのないのは健康によくないなあと思いながら、
家で酒を飲み、むしゃくしゃした気持ちをまぎらす。
久しぶりになつかしいレコードを出して、
中国の作品を聴いて、気分転換をしてみる。
聴いたのは1927年生まれの呉祖強の作品。
彼の略歴は器楽・室内楽曲編で触れたので省略する。
琵琶協奏曲「草原の小姉妹」は1973年に作曲された。
今回聴いたレコードの演奏は劉徳海の琵琶、
小澤征爾指揮、ボストン交響楽団によるものである。

作品はモデラート、アレグレット、アンダンテ、アレグロ、
そして最後にプレストという5つの部分から構成されている。
ホルンと管弦楽に始まる導入に続き琵琶独奏が入る。
そして管弦楽伴奏により琵琶が主題を軽快に奏でる。
次にゆったりとした部分に入り、草原の放牧を描写する。
叙情的なこの部分は内モンゴルの草原を感じさせ、
雄大な自然を感じさせる美しい音楽である。
そのあと少し荒々しい音楽になり、
それは荒れ狂う暴風雪を描写しているようだ。
テンポの速い中、琵琶の技巧的な演奏が冴える。
しばらくカデンツァ風の琵琶独奏が続き、
劉徳海による美しい琵琶の演奏を聴くことができる。
それがフルートの音で終わり、管弦楽が入り、
琵琶がフルートなど管楽器との掛け合いの中で、
美しく叙情的な旋律を奏でていく。
そのあとはいったんテンポが早まり、
そのあとゆったりとした音楽になるが、
このあたりはいたるところで咲き誇る無数の赤い花々を
描写しているような雄大な音楽である。
そのあとテンポは速まり、冒頭の主題が再現され、
最後は軽快なプレストのコーダで華やかに終わる。
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鄭冰の二胡協奏曲第3番を聴きながら片倉町から和田町まで歩く

2009-05-22 05:59:22 | 古典~現代音楽その他の地域編
いろいろなことでちょっと傷心の気持ちにも、
音楽はやさしくそれを癒してくれるところがある。
そんな気持ちになっていたところで中国の曲を聴くと、
その嫌な気持ちを一時的にも忘れさせてくれる。
昨日は片倉町から和田町まで歩きました。
途中聴いたのは1956年生まれの鄭冰の作品。
彼の略歴は管弦楽曲編で触れたので省略する。
二胡協奏曲第3番は作曲年代については、
CDの解説にも書いておらず不詳である。
今回聴いたCDの演奏は主暁生の二胡、閻惠昌の指揮、
中国北京音楽廰愛楽民族楽団によるものである。

第一楽章レントは、管弦楽による京劇風の音楽で始まる。
二胡の独奏が入り、民謡調の旋律を歌っていく。
これは東北の民族音楽「江河水」の旋律から採っており、
それは夫と生き別れた妻の悲嘆を歌った音楽である。
第二楽章モデラートは、笛の音に導かれ始まるが、
奏でられる旋律は軽快で陽気な音楽で、
束の間の幸せを歌うかのような感じである。
夫との楽しかった過去の思い出を描いているような
そんな回想風の音楽であり、二胡が奏でる旋律も魅力的だ。
第三楽章ヴィヴァーチェは、弦楽器中心に始まり、
打楽器などが加わり、荒々しい感じで始まる音楽である。
その中を二胡も高度な演奏技術を発揮するところでもある。
速いテンポで展開される音楽は戦乱の中、
夫と生き別れることになった現実を表現しているかのようだ。
第四楽章レントは、第一楽章の主題が二胡によって再現される。
夫の姿を求めてさまよう妻の嘆きが表現されている。
人生はドラマティックであり、その中に喜怒哀楽があり、
それゆえに人生であることを表現しているかのようである。
終わりに二胡のカデンツァ風の独奏があり、
最初の旋律管弦楽により奏され盛り上がり、
最後は消えていくように静かに終わる。
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殷承宗ら共作によるピアノ協奏曲「黄河」を聴きながら上星川駅から三枚町まで歩く

2009-05-21 06:06:43 | 古典~現代音楽その他の地域編
昨日は上星川駅から三枚町まで歩きました。
今回からその他の地域の協奏曲編に入るが、
まずは中国の作品から取り上げる。
途中聴いたのは1941年生まれの殷承宗(Yin Chengzong)ら共作の作品。
ピアノ協奏曲「黄河」は、1969年に作曲された。
洗星海が1939年に作曲した「黄河大合唱」というカンタータをもとに
殷承宗(Yin Chengzong)、劉荘、盛禮洪らが共作で完成させた作品である。
1939年というと日本の中国内への侵入に対し、
第二次国共合作が成立し、抗日戦が中国内で展開された時期である。
そういうことから、愛国的な部分の力強い音楽である。
今回聴いたCDの演奏は殷承宗のピアノ、リーパー指揮、
スロヴァキア放送ブラティスラヴァ交響楽団によるものである。

第一楽章「前奏曲:黄河の舟歌」は、
大河が流れるようなうねりのある序奏に続き、
ピアノ独奏が入り、中国らしい旋律を奏でていくが、
音楽はラフマニノフ風なところもあるといえば確かにそうで、
色々な旋律がピアノで奏され、冒頭の旋律が最後登場して終わる。
第二楽章「黄河を讃える」は、チェロの朗々と歌う民謡風の旋律を
ピアノ独奏が引き継いでいくが、ともかくロマンティックである。
第三楽章「黄河の憤り」は、最初の笛子が奏するところが、
とても中国的であり、そのあとピアノ独奏が入る。
この旋律もいかにも中国的で、叙情的な曲である。
第四楽章「黄河を守れ」は、管弦楽により明るい音楽が奏され、
ピアノ独奏が入り軽快に民謡風の音楽が展開され、
主題は様々な形で変形され、雄大な黄河の流れをたたえながら、
ピアノと管弦楽により最後は盛り上がって華やかに終わる。
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ギヤ・カンチェリの交響曲第4番「ミケランジェロの思い出に」を聴きながら横浜から星川まで歩く

2008-10-11 06:25:17 | 古典~現代音楽その他の地域編
昨日は横浜から星川駅まで歩きました。
途中で聴いたのは1935年生まれのギヤ・カンチェリの作品。
グルジアのトビリシに8月10日生まれた彼は、
CDの解説によると幼いころから音楽的な才能を発揮していたが、
音楽を職業とすることを決断したのは20代に入ってからだったようだ。
1959年から1963年までトビリシ音楽院で学んだようである。
7つの交響曲の他、映画音楽やミュージカル作品、
多くの室内楽曲などを残している。
交響曲第4番「ミケランジェロの思い出に」は、
1974年から1975年にかけて作曲された。
単一楽章制にもとづく交響曲である。

鐘の音で静かに始まるこの感じは、
聖なるイメージ、宗教的な祈りを感じさせる。
その鐘が鳴り響く中、うねりのような音が、
徐々に大きくなりぶつかるように強奏され、
突然静まると、祈りのような優しい音楽が続き、
突然クレッシェンドをし、頂点に達すると、
また静かになり、強奏になるかと思うと静かになる。
この繰り返しが続いていき、収束と発散を繰り返すかのようだ。
11分後にハープの伴奏に乗って、メロディックな
そしてかわいらしく愛らしい旋律が登場する。
金管楽器の強奏による中断が何度もありながら、
ダイナミックな音楽になり、華やかな感じにもなるが、
一方で聴こえるこの優しくてロマンティックな旋律は、
平和的であるが、グルジアの民族音楽的な要素も加わり、
音楽は多様性を示し、複雑である感じだ。
舞踏的な荒々しい音楽と鐘の響きと愛らしい旋律
現実と夢の世界が交錯するような音楽。
不思議な音楽であり、じっくり聴いてみるとおもしろい。
最後は宇宙空間を感じさせるような浮遊感、
鐘の音が響き、ハープが鳴り響き、
時を刻むような弦楽器の音などが聴こえる中、
フルート・ソロが優しい音色を奏でたあと、
消えるような弦楽器の音の中で静かに終わる。

なお、今回とりあげた補足分の交響曲その他の地域編の
CD等の情報は、以下のアドレスに載せてあります。
http://www1.ocn.ne.jp/~bocchi07/symphony-cd-other.html
でNEW!と赤字で表示されているのが該当する曲です。
参考にしていただければ幸いです。
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