Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

ユン・イサン(尹伊桑)の交響曲第2番を聴きながら横浜から和田町まで歩く

2008-10-10 06:33:14 | 古典~現代音楽その他の地域編
昨日は横浜から和田町まで歩きました。
途中で聴いたのは1917年生まれのユン・イサンの作品。
韓国の作曲家である彼の経歴については、以前触れたので省略する。
交響曲第2番は1984年3月21日から10月17日の間に作曲された。
第1楽章は、冒頭から打楽器が粗野なリズムを奏し、
曲はその野性的な部分と暴力的な雰囲気が続いていく。
弦楽器は韓国歌曲風の旋律を奏で、金管楽器は荒々しさを加える。
中間部で音楽は静まるが、徐々に荒々しさを取り戻して終わる。
第2楽章は、おだやかに始まり、鳥のさえずりを思わせるような旋律が
管楽器によって奏され、弦楽器はユニゾンで歌曲風の旋律を奏でる。
静かな音楽は後半になって打楽器や金管楽器によって、
やや荒々しさを加えるが、最後は静かに終わる。
第3楽章は、弦楽器によって歌曲風の旋律が奏され、
打楽器と金管楽器により粗野な感じの部分が加わる。
緊張した音楽は一貫して続いていくが、
その音楽の根底には弦楽器の歌うような旋律が流れている。
最後は打楽器の叩く強烈なリズムの中で終わるが、
そのあたりはややショスタコーヴィチ風な終わり方だ。
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ダグラス・リルバーンの交響曲第2番と第3番を聴きながら

2008-10-09 07:27:31 | 古典~現代音楽その他の地域編
昨日は急な飲み会が入り、ウォーキングを休みました。
途中で聴いたのは1915年生まれのリルバーンの作品。
ニュージーランドの代表的な作曲家である彼の経歴については、
以前触れたので、ここでは省略したい。
交響曲第2番は1951年に作曲され、1959年初演された。
第1楽章前奏曲(モデラート)は、ゆったりとした曲で、
幻想的であり、北欧風のところは、ニールセン風ともいえる。
交響曲は、雄大なニュージーランドの風景を描写しているようだ。
第2楽章スケルツォ(アレグロ・ヴィヴァーチェ)は、
軽快で素朴な民謡風の主題が色々な楽器に引き継がれ、
金管楽器によりアクセントが付けられ、歯切れのいい曲である。
底抜けに明るい音楽は聴きやすいが、中間部のやや暗い音楽が、
対照的な感じでいいし、最後も歯切れよく終わる。
第3楽章導入(ポコ・レント)は、深い悲しみに包まれた曲で、
哀愁漂う旋律は弦楽器と木管楽器を中心に展開されていく。
北欧らしさを感じるような幻想的な楽章である。
第4楽章フィナーレ(アレグロ)は、雄大な自然を描写した曲で、
シベリウスを思わせる作品で、堂々とした主題が提示され始まる。
急な坂や急峻な岩場や日の出のときの雄大な河と平原と地平線、
輝く海がパノラマのように展開する風景を描写した作品である。
ニュージーランドの自然をこよなく愛したリルバーンらしい作品である。

交響曲第3番は1961年に作曲された。
単一楽章制を採り、モデラートからヴィヴァーチェ、
アレグロ、そしてアンダンテ、
アレグロの5つの部分から構成されている。
幻想的な感じで始まる曲は、第2番に比べると現代的で、
聴いてみるとニールセン風なところもあり、
荒々しい部分や木管楽器の扱いなどを注目すると、
さらに円熟した彼の作曲技法を感じ取ることができる。
とはいえ、そこにイメージされるのは自然である。
彼は自然を愛した作曲家なんだなあと感じるのである。
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アヴェト・テルテリアンの交響曲第3番ロ短調作品4を聴きながら二俣川から西谷まで歩く

2008-10-08 06:30:40 | 古典~現代音楽その他の地域編
昨日は二俣川から西谷駅まで歩きました。
今回からは、交響曲のその他の地域編に入る。
本日はアルメニアの作曲家をあげる。
途中で聴いたのは1929年生まれのテルテリアンの作品。
アゼルバイジャンのバクーに生まれたが、
アルメニア系であった一家は1951年アルメニアに戻り、
テルテリアンは1952年から1957年の間、
エレバンでミルソヤンから作曲を学んだようだ。
その後何度か音楽院の講師として働き、
1983年からは教授の地位を獲得した。
8つの交響曲と、2つの歌劇、バレエ音楽、声楽曲などを
1968年から1989年の間に作曲したようである。
そんなことが、CDの解説書には書かれている。

交響曲第3番ロ短調作品4は1974年から75年にかけて作曲された。
3つの楽章から成り、彼の弟に献呈されている。
第1楽章は、強烈なティンパニの強打で始まる。
一方はピンと張り、もう一方は緩めたティンパニを使っている。
民族色強い強烈な個性を示してくれる音楽である。
そしてそれに呼応する打楽器群の嵐のような演奏。
二つが対話するかのようにしながら最初展開される。
次に静かに奏される鐘と金管楽器が奏する宗教的な音色。
音楽はやがて管楽器の吹奏と荒れ狂うような打楽器により、
より刺激でリズムに特徴のある音楽となる。
そしてやがてその喧騒は静まり、次第にうねるような音楽が聞こえ、
突然強く奏される合図のような音楽が現れたかと思うと、
すぐに静まり瞑想的な感じで終わる。
第2楽章は、2つの民族楽器が演奏で活躍する楽章である。
オーボエの一種であるズルナという楽器である。
これはインドやイラン(ペルシア)で使われる楽器である。
鐘の音によりさえぎられ次にドゥドゥクという楽器が奏される。
哀愁のある楽器であり、いにしえの歴史を感じさせる感じだ。
第3楽章は、激しい打楽器の繰り返すリズムで始まる。
金管楽器がそれに呼応し、壮大な音楽になる。
荒々しいリズムの中で民族的楽器により民族色を見せながら、
一旦静まり、第1楽章に出た宗教色のある旋律が登場する。
そのあと金管楽器の強奏に続き、打楽器が加わり、
短いコーダでフィナーレの楽章を終わる。
それにしてもテルテリアンの交響曲は個性的でスリリングだ。
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杜鳴心と呉祖強の共作によるバレエ組曲「人魚」を聴きながら、二俣川から鶴ヶ峰まで歩く

2008-09-12 07:41:12 | 古典~現代音楽その他の地域編
昨日は二俣川から鶴ヶ峰駅まで歩きました。
途中聴いたのは杜鳴心と呉粗強が共作したバレエ組曲「人魚」。
杜鳴心(Du Mingxin)は、1928年8月19日湖北省生まれの作曲家で、
重慶で若い頃学び、上海に移り住みピアニストとしてデビューした。
その後モスクワ音楽院で1954年から1958年の間学び、
北京の中央音楽学院の教授陣として活躍した人物である。
呉祖強(Wu Zuqiang)は1927年北京に生まれ、1952年に中央音楽学院を卒業し、
1958年にはモスクワにあるチャイコフスキー音楽院に入学した。
その後は中央音楽学院の教授として教育活動に従事している。
CDには人名を呉粗強と書いてあるのだが、
琵琶協奏曲「草原の小姉妹」を作曲した人物でもあるので、
呉祖強が正しいのかもしれないので、ここでは呉祖強と表記しておく。

バレエ組曲「人魚」は、1959年に作曲されたピアノ曲。
第一曲「朝鮮にんじん」は、軽快な感じの曲で、
中国的な旋律が使われているが、印象主義派風の音楽に仕上がっている。
第二曲「コラール」もゆったりとした部分が、
ドビュッシーを思わせるような印象主義派風の音楽。
第三曲「水草」は、きらめくようなピアノの音が、
湖水や海辺を思わせるような感じでいい。
第四曲「結婚の情景」は、終曲にふさわしい軽快で華やかな曲。
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アルフレッド・ヒルの弦楽四重奏曲第1番変ロ長調「マオリ」を聴きながら、星川から横浜まで歩く

2008-09-11 05:54:20 | 古典~現代音楽その他の地域編
昨日は星川駅から横浜まで歩きました。
途中聴いたのは1869年オーストラリア生まれのヒルの作品。
1869年12月16日にメルボルンのリッチモンドで生まれた彼は、
17歳の頃にニュージーランドのウェリントンに移り住んだ。
その後、ライプチヒ音楽院で学び、その時ブラームスや
ドヴォルザーク、チャイコフスキーなどとめぐりあったようだ。
ヴァイオリン、ピアノ、作曲を学んでから帰国し、
ウェリントンに住んだあと、1910年以降シドニーに移り住んだようだ。

弦楽四重奏曲第1番変ロ長調「マオリ」は1896年作曲され、
1911年にシドニーで初演された作品である。
表題の「マオリ」は刺激的ではあるが、
曲はヨーロッパの伝統的な音楽を感じさせる。
第一楽章モデラート-アレグロは、優しさあふれる曲だ。
いかにもロマン派的な作風であり、のびのびとした部分は素朴で、
ドヴォルザークを思わせるところは随処にみることができる。
第二楽章「ワイアタ」は、おだやかな3部形式による短い曲である。
ドヴォルザーク風のスケルツォ的な楽章である。
中間部のおだやかな音楽は、牧歌的なところがある。
第三楽章「タンギ(悲歌)」は、淡々とした中で悲しみを表現する。
これもドヴォルザーク風な感じを受ける曲である。
第四楽章終曲は、明るく軽快な音楽で、ドヴォルザーク風である。
郷愁あふれた部分や弾んだ音楽が心地よく響く。

弦楽四重奏曲第2番ト短調「4つの情景によるマオリ伝説」は、
1907年から1911年の間に作曲された。
第一楽章森の流れるようなメロディは、ドヴォルザーク風である。
第二楽章夢は、ゆったりとした音楽で、おだやかであるが、
過去を悲しみ、嘆くような情感あふれる曲でもある。
第三楽章スケルツォは、ドヴォルザーク風の音楽だ。
軽快な音楽で、伝統的なスタイルでつくられている。
第四楽章終曲は、軽快かついきいきとした音楽で、
弾むような明るい音楽は聴いていて心地よく、
やはりどことなくドヴォルザーク風である。
それにしても、この曲のどこがマオリ伝説と関係するのだろう。
とはいえ、そのタイトルはいかにもニュージーランドの作曲家らしい。
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