温泉クンの旅日記

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読んだ本 2016年8月

2016-08-31 | 雑読録
  <読んだ本 2016年8月>

 わたしに似たのか海もクーラーとか扇風機とかが嫌いである。
 通常の暑さは我慢して部屋の隅の涼しい暗がりとか、風の通り道にある椅子の上とかで、眠りを貪って過ごすのだ。



 それでも最近の夏は異常に暑い。



 体温をはるかに超えた灼熱の温度の日々が続き、能天気なわたしもさすがに熱中症が心配になりこまめに水分補給していたある昼下がり、毛皮をまとった海は気息奄々、廊下に長々と寝そべっていた。



「おーい、海ちゃん! だいじょうぶかいな。この夏もあとひと息だ。頑張って乗り切るんだぞ!」
 でも、眼つきをみるとまだまだ元気が残っているようだ。

 口開けから看板まで延々と呑むスタイルのわたしなので、立ちっぱなしの角打ち(立ち飲み)は不得意である。それでも缶詰を肴に呑むことは嫌いではない。
 最近、凝っているのがウィンナの缶詰だ。





 たまに食べると酒が進む。
 あれば旅先で実に重宝すると思うのだが、コンビニにはなぜか置いていない。惜しい、残念至極。


 さて、8月に読んだ本ですが今月はまるで旅をしなかったので9冊、累計で57冊でした。

 1. ○寒雷ノ坂 居眠り磐音 江戸双紙二      佐伯泰英 双葉文庫
 2.○花芒ノ海 居眠り磐音 江戸双紙三      佐伯泰英 双葉文庫
 3. ○雪華ノ里 居眠り磐音 江戸双紙四      佐伯泰英 双葉文庫
 4. ○始末   吉原裏同心二十四         佐伯泰英 光文社文庫
 5. ○最重要容疑者 (上)            リー・チャイルド 講談社文庫
 6. ○最重要容疑者 (下)            リー・チャイルド 講談社文庫
 7. ○恋愛時代  (上)             野沢尚 幻冬舎文庫  
 8. ◎恋愛時代  (下)             野沢尚 幻冬舎文庫
 9. ○龍天ノ門  居眠り磐音 江戸双子五     佐伯泰英 双葉文庫

「恋愛時代」・・・あれれ、チャンバラかミステリーしか読まないじゃないんだ。そう思ったでしょう。そう思われてもしょうがありませんが、大好きな野沢尚で読んでいない本のひとつなんです。

 主人公はもと夫婦の二人。書店員の早瀬理一郎と、スポーツジムのインストラクターの衛藤はる。二人は子どもの死産で二年前に一年三カ月の結婚生活を終えたがいまだにつき合いを続けている。
 カラオケで時々二人で『別れても好きな人』を歌って、顔を合わせれば夫婦喧嘩の延長戦、だけど相手の幸せを心から祈っている。
 眼にとまったセリフを書きぬいてみた。

  『「(略)二人で生きる喜びって、アルバムをめくることじゃないんだよ。二人で昔話をすることじゃないんだ。
  もっと楽しいことはこれから先に沢山あるって夢見ることなんだ。(略)」』

  『「早瀬さんも、女性に溺れた時代とかありましたか」
  「溺れて骨抜きになったという意味ではないですが、いまでも翻弄されています。世の中の女性、あっちこっちから」
  「あっち」で私を指し、「こっち」で妹を指すの。
  「お兄さんは早く卒業したほうがいいわよ。あたしたちから」
   しず夏が旺盛な食欲の合間に言った。
  「成績優秀なのに卒業させてくれないのは君たちだろ」
  「あと一つ、単位が足りないの」
  「どういう科目」
  「女心」』





  『「でも、これだけは約束できるような気がする。俺はお前に二度と背を向けたりしない。
  お前が泣く時は近くで見つめている。お前が望むなら手を伸ばして髪を撫でてやる。手を握ってほしかったら
  両手で包んでやる。一人で悲しませるような真似はさせないよ。その代り、お前が楽しいときは喜びを分けてもらう。
  幸せは独り占めさせない。俺はお前と一緒に笑いたいし、一緒に泣きたいし、怒りたいし、
  一緒に眠りたい・・・・・・どうしたらいいんだろう。愛してるんだはる。愛してるんだからしょうがないだろう。
  もう離れたくないんだ。お前を幸せにするまで一生かかっちまうかもしれないけど、俺、頑張ってみたいんだ」』


 コミカルで笑える小説だが、下巻の途中からは泣かせてくれるいい本である。



   →「八戸、漁港ストア」の記事はこちら
   →「田沢湖線、小岩井駅」の記事はこちら
   →「青い鳥の驛」の記事はこちら
   →「読んだ本 2016年7月」の記事はこちら


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