<一品香の湯麺餃子>
地下鉄門前仲町駅近くの、低価格のラーメンチェーン店で昼飯を食べることに
した。ラーメン一杯が三百円台の店だ。餃子が食べたくなったのだが、門中深川
あたりにはこれといった店がなかったためである。味はそれほどでもないが、安い
からそこはしょうがない。とにかく餃子が食べたいのだ。
昼時で、安いせいもあって店内はけっこう混んでいる。
「おひとりさまですか」
どこか、イントネーションがおかしい。
(いくらマニュアルどおりと言っても、みればわかるだろうに・・・)
「そう、ひとり」
「では、カウンターにお願いします」
ここの店員はちょっと見は日本人だが、賃金を安く抑えられる東南アジア系が
多い。日本語もたどたどしく、「ありがとうございます」がなかなか言えない店員
が多い。
水が運ばれてきたので、
「味噌ラーメンと、餃子、ね」
入る前から決めていた注文をきっぱりとする。
「はい、野菜たっぶりのタンメン、ですね!」
元気一杯に返事をして注文票に書き込もうとしているのを見て、危うく椅子から
落ちそうになる。
「違う! 味噌ラーメン! それに、餃子!」
なんでやねん! どっこもあってないじゃないか。だいたい文章の長さもぜんぜ
ん違うし。
周りの客も目を点にしているひとがいたり、食べるのをやめて固まっている。
まだ水しか前におかれていない客のなかには、オレがいった注文はだいじょうぶ
だろうか、そう心配しているヤツもいたに違いない。
味噌ラーメンと餃子をなんとか了解した店員だったが、思うに、「野菜たっぷり
のタンメン」の注文が多く、注文確認がどうにも言いづらくて、夜半独りひそかに
練習を積んだあげくようやくスラスラ言えるようにマスターしたのではないだろう
か。だから、長い注文の品に、つい反射的に自信満々答えてしまったのではない
か。まあしかし、タンメンがこなければどうでもよろしい。
わたしは東京では、まずタンメンは頼まない。(木場の「來々軒」は別だが)
やはり、食べるなら横浜だ。それにタンメンではなく、湯麺である。
どこで食べるかというと、「一品香」だ。
たぶん正しい読みは「いっぴんこう」だろうが、わたしやわたしの友達の間では
「いーぴんこう」と呼んでいる。
なんでも、昭和30年創業のころからの精神である「一品一品に真心を込めて最高
の味に徹しよう」が店名の由来だとか。一品香は、横浜が中心だが神奈川県には
支店も多い。
湯麺を食べたくなると、抑えがきかない。その強すぎる衝動を止めるのは誠に
困難である。
今日は、伊勢佐木町に二店舗あるうちの比較的きれいなほうの店で食べること
に。
「湯麺、餃子」
メニュー見ずに注文する。違う注文する客は誠に珍しい。もちろん他の料理も
平均点以上は請合うが、ここの焼きそばは、かなりうまい。
気恥ずかしいことにメニューには、「絶品湯麺」と店自らが自慢して載っている
が、たしかに味は間違いない。
たっぷりの野菜を軽く炒め、豚と鳥ガラをメインにしたスープでしんなりする
ほど煮込む。キャベツは使わず、白菜を大量に使用する。独自にブレンドされた
胡椒とニンニクの利いたスープは、クセになるほどの後味を残す。
東京のように、ラーメンの麺を湯麺には使わない。ほんのりモッチリした平たい
コシのある麺が、横浜の湯麺の特徴だ。
餃子も百点満点で、八十点はカタい。つまり、相当に旨いのである。
ただし、横浜の湯麺餃子は、さらにこの上の店があるので、いずれまた紹介しよ
う。
横浜の湯麺餃子は食べ終わると、即効性があって、すぐにモリモリと元気がで
る。
一品香から、野毛に廻り、大道芸を見物した。
アルコールが欲しくなり「叶屋」の暖簾をくぐる。
この店もそうだが、野毛は、昼間からでも飲める店が多い。
この元気になった日は、仕上げに超古くさいバーの水割りで締めたのであった。
地下鉄門前仲町駅近くの、低価格のラーメンチェーン店で昼飯を食べることに
した。ラーメン一杯が三百円台の店だ。餃子が食べたくなったのだが、門中深川
あたりにはこれといった店がなかったためである。味はそれほどでもないが、安い
からそこはしょうがない。とにかく餃子が食べたいのだ。
昼時で、安いせいもあって店内はけっこう混んでいる。
「おひとりさまですか」
どこか、イントネーションがおかしい。
(いくらマニュアルどおりと言っても、みればわかるだろうに・・・)
「そう、ひとり」
「では、カウンターにお願いします」
ここの店員はちょっと見は日本人だが、賃金を安く抑えられる東南アジア系が
多い。日本語もたどたどしく、「ありがとうございます」がなかなか言えない店員
が多い。
水が運ばれてきたので、
「味噌ラーメンと、餃子、ね」
入る前から決めていた注文をきっぱりとする。
「はい、野菜たっぶりのタンメン、ですね!」
元気一杯に返事をして注文票に書き込もうとしているのを見て、危うく椅子から
落ちそうになる。
「違う! 味噌ラーメン! それに、餃子!」
なんでやねん! どっこもあってないじゃないか。だいたい文章の長さもぜんぜ
ん違うし。
周りの客も目を点にしているひとがいたり、食べるのをやめて固まっている。
まだ水しか前におかれていない客のなかには、オレがいった注文はだいじょうぶ
だろうか、そう心配しているヤツもいたに違いない。
味噌ラーメンと餃子をなんとか了解した店員だったが、思うに、「野菜たっぷり
のタンメン」の注文が多く、注文確認がどうにも言いづらくて、夜半独りひそかに
練習を積んだあげくようやくスラスラ言えるようにマスターしたのではないだろう
か。だから、長い注文の品に、つい反射的に自信満々答えてしまったのではない
か。まあしかし、タンメンがこなければどうでもよろしい。
わたしは東京では、まずタンメンは頼まない。(木場の「來々軒」は別だが)
やはり、食べるなら横浜だ。それにタンメンではなく、湯麺である。
どこで食べるかというと、「一品香」だ。
たぶん正しい読みは「いっぴんこう」だろうが、わたしやわたしの友達の間では
「いーぴんこう」と呼んでいる。
なんでも、昭和30年創業のころからの精神である「一品一品に真心を込めて最高
の味に徹しよう」が店名の由来だとか。一品香は、横浜が中心だが神奈川県には
支店も多い。
湯麺を食べたくなると、抑えがきかない。その強すぎる衝動を止めるのは誠に
困難である。
今日は、伊勢佐木町に二店舗あるうちの比較的きれいなほうの店で食べること
に。
「湯麺、餃子」
メニュー見ずに注文する。違う注文する客は誠に珍しい。もちろん他の料理も
平均点以上は請合うが、ここの焼きそばは、かなりうまい。
気恥ずかしいことにメニューには、「絶品湯麺」と店自らが自慢して載っている
が、たしかに味は間違いない。
たっぷりの野菜を軽く炒め、豚と鳥ガラをメインにしたスープでしんなりする
ほど煮込む。キャベツは使わず、白菜を大量に使用する。独自にブレンドされた
胡椒とニンニクの利いたスープは、クセになるほどの後味を残す。
東京のように、ラーメンの麺を湯麺には使わない。ほんのりモッチリした平たい
コシのある麺が、横浜の湯麺の特徴だ。
餃子も百点満点で、八十点はカタい。つまり、相当に旨いのである。
ただし、横浜の湯麺餃子は、さらにこの上の店があるので、いずれまた紹介しよ
う。
横浜の湯麺餃子は食べ終わると、即効性があって、すぐにモリモリと元気がで
る。
一品香から、野毛に廻り、大道芸を見物した。
アルコールが欲しくなり「叶屋」の暖簾をくぐる。
この店もそうだが、野毛は、昼間からでも飲める店が多い。
この元気になった日は、仕上げに超古くさいバーの水割りで締めたのであった。
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