温泉クンの旅日記

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鬼子母神から王子権現へ(1)

2013-08-04 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <鬼子母神から王子権現へ(1)>

 旅のときを別にすれば、ふだん外にでるときにも本は必ず手放さない、いわゆる軽い活字中毒である。
 時代小説も好きでよく読むから、テレビのBSで夜七時台にやっている鬼平犯科帳もついつい観てしまう。
 いろいろな名優が長谷川平蔵を演じているが、わたしは中村吉衛門の平蔵が一番気にいっている。出てくる密偵たちひとりひとりも、はまり役のような芸達者が多い。

 ある土曜日、思い立って、鬼平で出てくるような寺社に行ってみようと出掛けてみた。
 大塚駅でJRを降りると、都電に乗って鬼子母神前で下車する。



 鬼子母神だが、拙いわたしが描写するよりも鬼平犯科帳から抜粋した上質な文章を味わいながらのほうが、よほど雰囲気が伝わると思う。



  『当時の鬼子母神は豊島郡・野方領という現代からは想像を絶した田園地帯にあった。
   境内は銀杏、杉、松、槇などの古木がそびえ、門前には藁屋根の茶店が軒をつらねている。
   これらの茶店で売っている、芒の穂でつくった木菟の玩具や水飴、芋田楽は鬼子母神の名物である。
   鬼子母神は、安産、求児、幼児保育の守護神で、四季を問わず、参詣の人が絶えぬ。
  「・・・・・・よって、門前の左右には貨食屋、茶店、軒をつらね、十月の御会式には、ことさら群衆絡繹として織るがごとし」
   と、ものの本に記してある。』   文春文庫 池波正太郎著 鬼平犯科帳23巻より




(おっ、百度石だ!)



 心願成就のために行う百日詣とは、近くの氏神神社や有名な社寺に百日間毎日参拝する。
 しかし、そんな百日もかけてはいられない、急で切実な祈願があって、一日に百度参るという簡略化された形で百日詣の代わりとするようになった。
 百度参りの方法は、社寺の入口から本堂まで行って参拝し、また社寺の入口まで戻る。これを百度繰り返す。俗に、「お百度を踏む」という。誰にも見られないように深夜に行ったり、裸足で行ったほうが更に効果があるそうである。



 その際に目標となるのがこの「百度石」である。回数を間違えないように、小石や竹串などを百個用意しておいて参拝のたびにこの石の上に置くという。
 そういうのが寺社の入り口にあるらしいとは知っていたが、わたしは初めてみた。

 入り口の左右に、なかなか立派な石の仁王像が堂を守護するように立ちはだかっていた。



 参拝をすませると、駄菓子屋に寄って物色し寝酒用にミルクせんべいを買い求めた。梅ジャムが見当たらなかったが、ソースで食べればいいだろう。





  ― 続く ―

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