温泉クンの旅日記

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長岡で回転寿司(1)

2014-10-22 | 食べある記
  <長岡で回転寿司(1)>

 長岡に来るのは数年前、紅葉時期の「もみじ園」以来である。



 立派な長岡駅にはもう痕跡が欠片もないが、今年はあの中越地震からちょうど十年が経ったのである。たしか東京方面から走行中の新幹線が長岡駅手前あたりで脱線した映像を記憶している。
 長岡といえば八月初めの大花火大会が有名である。駅前には花火玉も飾られていた。



「うわぁ、びっくりした!」



 寿屋旅館・・・なんともシブい旅館でびっくりである。駅の正にド真ん前という立地で、どうやら現役で頑張っているらしい。
 長岡駅構内のCoCoLo長岡や一階の商店街をぶらぶらして吟醸酒を一本買い求めて、ついでに駅付近を散策して発見した。
 森繁が主演した喜劇映画に「駅前」シリーズというのがあったが、まさに正真正銘の「駅前旅館」だ。寅さんみたいな香具師や商人がいかにも泊りそうな宿である。

「助さん、格さん、もーお(印篭を出して)いいでしょう」
 時計を確認して小声でそう言うと、駐車場に戻った。
 車を出すと駅前を曲り、真っ直ぐの大手通りを通って大手大橋を渡る。すぐ右手に見えてきたイオンの前が目的地である。

 回転寿司の店、「廻鮮富寿し」。



 回転寿司の初心者、人生でに入ったのはまだ三回だけのわたしがこの店を選んだのは一度食べて旨かった「富寿し」という、あの新潟オークラにも入っている老舗寿司屋がプロデュースした回転寿司だからである。

 まだ開店に少しの間があった。
 入り口に貼られたメニューをじっと見ていると、女性店員が急いで暖簾を持ってきて店内へ招じ入れてくれた。さすがの接客だ。



 テーブルでもカウンターでもお好きなほうへと言われ、カウンターに座った。

「まだ、回転寿しが廻っていませんので直接にお好きなものをご注文してください」
 と言われ、素早く悩む。



 メニューをちらりとみて一皿目を即決する。
「あの、まぐろづくしをお願いします」
 いきなりの鮪は、寿司屋での注文のマナー違反かもしれないが、羆喰い、猫喰いのわたしはセオリーなど無視である。羆は鮭を大好きな腹からガブリとひと口喰って、ぽいと惜しげもなく放り捨てるのだ。
 お茶の用意をして、暫し待つ。



 三つ載った鮪はどれもさすがに旨い。赤身のしっとりした繊細な甘さ、トロの上質の口融けのいい脂、シャリも文句なしである。
 さあて、と、次はなににしようかな。ちょっと興奮してきたぞ。



  ― 続く ―


  →「もみじ園(1)」の記事はこちら
  →「もみじ園(2)」の記事はこちら
  →「新潟、特上寿しとイタリアン(1)」の記事はこちら
  →「新潟、特上寿しとイタリアン(2)」の記事はこちら

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