<たまの熱海で旅気分(1)>
(うぅーん、生牡蠣か・・・)
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店に入るとどのテーブルにもメニューだけで灰皿が影も形も無かったので、喫煙できるかどうかをしっかり確認してから手近の四人掛けテーブル席に腰をおろし、メニューに眼を凝らし厚岸産の生牡蠣でちょいとばかり悩む・・・。
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西洋では「アール(R)のない月の牡蠣は良くない」といい、英語でアールが付かない月、つまり五月から八月にかけては牡蠣は食べてはいけないとされている。そしてだ、我が国にも「花見過ぎたら牡蠣食うな」という同じような古いことわざがあるのだ。
河津桜よりも早い、熱海の早咲きの桜は二月の中旬の今頃にはほとんど散ってしまうのだ。ええい、日本のことわざはこの際忘れちまおう。
「生牡蠣をふたつ、と『御岳』の水割りを」
熱海には、仕事が終わってからとか午後半休をとってからとかでもっぱら夕方来ることが多いのだが、この日、珍しく昼前に着いてしまい昼食を食べるところをひたすら探し廻ったのである。なにしろ一カ月を超える禁酒も明けて、食いものも血圧に良い蕎麦ばかりを食べ続けたのだ。もちろん、普通電車で一時間で来られる<近場>の熱海にしたのは温泉ギレのせいもある。
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熱海駅は今年中(2016年)の完成を目指して駅前広場の整備と、駅舎と駅ビルの改築が行われていた。駅前の平和通商店街や仲見世商店街の飲食店は観光地値段の割に美味しい店は極端に少ない。
熱海駅の左手正面の第一ビルには一階に名店街が、地下に手ごろな値段で食べられる飲食店があるが残念ながら禁煙の店が多い。
できれば軽く呑めて喫煙できる店がいい。
さんざ歩きまわって、ここならだいじょうぶそうと踏んだ店が、駅前の信号のところにある「るな」という食堂だったのだ。
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北海道の厚岸の牡蠣はわたし好みの小ぶりなもので、それはそれは空恐ろしく旨かった。ふむ、こいつなら何個でも食べられそうである。
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「御岳の水割りのお代りと、あと、急がないけどB定食もお願いします」
青森は弘前の懐かしいイカメンチを思いだして思わずそれとアジフライがセットになっている定食にしたのだ。さきに定食に付く小皿が三種類運ばれたが、これでも二杯くらい呑めそうだ。
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イカメンチは子どもでも食べられるような万人受けするようなものだった。
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弘前のガツンとするイカメンチと比べると品がありすぎてちょっと物足りない。アジフライも並の上といったところだが、ご飯が炊きたてなのが嬉しかった。
混んできて、隣のテーブルに幼児連れが座ったので勘定にしてもらった。
値段も適当だったし、牡蠣が旨いこの店は季節が合えばまた来そうである。ただし、ママさんと厨房にいる息子さんの、ちょいと険悪な雰囲気が今日だけのことならばだが。
― 続く ―
→「弘前、いかめんち」の記事はこちら
→「熱海、伝説のバーガー」の記事はこちら
→「梅園とワンタンメン」の記事はこちら
→「来宮神社の大樟」の記事はこちら
(うぅーん、生牡蠣か・・・)
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店に入るとどのテーブルにもメニューだけで灰皿が影も形も無かったので、喫煙できるかどうかをしっかり確認してから手近の四人掛けテーブル席に腰をおろし、メニューに眼を凝らし厚岸産の生牡蠣でちょいとばかり悩む・・・。
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西洋では「アール(R)のない月の牡蠣は良くない」といい、英語でアールが付かない月、つまり五月から八月にかけては牡蠣は食べてはいけないとされている。そしてだ、我が国にも「花見過ぎたら牡蠣食うな」という同じような古いことわざがあるのだ。
河津桜よりも早い、熱海の早咲きの桜は二月の中旬の今頃にはほとんど散ってしまうのだ。ええい、日本のことわざはこの際忘れちまおう。
「生牡蠣をふたつ、と『御岳』の水割りを」
熱海には、仕事が終わってからとか午後半休をとってからとかでもっぱら夕方来ることが多いのだが、この日、珍しく昼前に着いてしまい昼食を食べるところをひたすら探し廻ったのである。なにしろ一カ月を超える禁酒も明けて、食いものも血圧に良い蕎麦ばかりを食べ続けたのだ。もちろん、普通電車で一時間で来られる<近場>の熱海にしたのは温泉ギレのせいもある。
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熱海駅は今年中(2016年)の完成を目指して駅前広場の整備と、駅舎と駅ビルの改築が行われていた。駅前の平和通商店街や仲見世商店街の飲食店は観光地値段の割に美味しい店は極端に少ない。
熱海駅の左手正面の第一ビルには一階に名店街が、地下に手ごろな値段で食べられる飲食店があるが残念ながら禁煙の店が多い。
できれば軽く呑めて喫煙できる店がいい。
さんざ歩きまわって、ここならだいじょうぶそうと踏んだ店が、駅前の信号のところにある「るな」という食堂だったのだ。
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北海道の厚岸の牡蠣はわたし好みの小ぶりなもので、それはそれは空恐ろしく旨かった。ふむ、こいつなら何個でも食べられそうである。
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「御岳の水割りのお代りと、あと、急がないけどB定食もお願いします」
青森は弘前の懐かしいイカメンチを思いだして思わずそれとアジフライがセットになっている定食にしたのだ。さきに定食に付く小皿が三種類運ばれたが、これでも二杯くらい呑めそうだ。
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イカメンチは子どもでも食べられるような万人受けするようなものだった。
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弘前のガツンとするイカメンチと比べると品がありすぎてちょっと物足りない。アジフライも並の上といったところだが、ご飯が炊きたてなのが嬉しかった。
混んできて、隣のテーブルに幼児連れが座ったので勘定にしてもらった。
値段も適当だったし、牡蠣が旨いこの店は季節が合えばまた来そうである。ただし、ママさんと厨房にいる息子さんの、ちょいと険悪な雰囲気が今日だけのことならばだが。
― 続く ―
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