<大沼国定公園>
登別温泉を朝の八時過ぎに出て函館に向かった。
十一時を廻ったあたりで、国道を逸れて大沼に寄ることにした。
大沼公園駅は函館から二十八キロほどで、ここまでくればあともう一息である。車を降りて外でもすこし歩きたい。
大沼国定公園は約九千ヘクタールの総面積で渡島半島の中央に位置しており、活火山の「駒ヶ岳」と、噴火でできた大沼・小沼・蓴菜(じゅんさい)沼をはじめとする大小の沼、その周辺一帯が指定されている。
あいにくなことに今日は駒ヶ岳が見えない。
駒ヶ岳と大沼がセットでいい写真になるのだが・・・。
大沼には自然散策ルートがあり、団体がそちらのほうに向かったのでわたしもついて行くことにした。運転ばかりで鈍った脚の筋肉もたまには使わないといけない。
沼、といってもさすがは北海道、湖に匹敵する広さがある。
船も苦手なわたしだが、たった一度だけモーターボートに乗ったことがある。
ここ大沼公園で、であった。
遊覧船もあるのだが時間がかかるので、それなら短時間で済むモーターボートにでもするかと軽い気持ちであった。乗員はわたしを含めて五名ほどである。
ゆっくり走りだしたがすぐに猛スピードとなり、オートバイでいう「ウィリー状態」で波を掻きわけ大小の島を鋭く迂回して、湖面をすっ飛ぶように進む。
急角度で迂回すると、あちこちで楽しさが混じった悲鳴があがる。
「あははは、わっはははは!」
人間、あまりにも怖すぎるとなぜか笑ってしまう。少なくてもそのときのわたしはそうだった。いまさらわたしだけを降ろしてくれるわけもないので、狂人のように大声で笑ってしまう。
風を切って弾丸のように走るので、大口を開けて笑うその口の中に、大量の風が飛び込んできて唇を震わせ、ついで頬をいっぱいに膨らませはためくのだ。
周りをみると、全員同じ状態で、お互いの顔をみて指さしながらまた笑いだす。
ただ、同じ笑いだがわたしと違って楽しいから笑っているのかもしれない。
乗員全員が高笑いし、わたしはひたすら馬鹿笑いしているうちに、無事に戻りついたが、降りても口の中が乾ききってすぐには閉じられなかったのを思いだす。
そんな懐かしい思い出もあるので、北海道への旅ではなんとなく寄ってしまうのである。
→「登別温泉」の記事はこちら
登別温泉を朝の八時過ぎに出て函館に向かった。
十一時を廻ったあたりで、国道を逸れて大沼に寄ることにした。
大沼公園駅は函館から二十八キロほどで、ここまでくればあともう一息である。車を降りて外でもすこし歩きたい。
大沼国定公園は約九千ヘクタールの総面積で渡島半島の中央に位置しており、活火山の「駒ヶ岳」と、噴火でできた大沼・小沼・蓴菜(じゅんさい)沼をはじめとする大小の沼、その周辺一帯が指定されている。
あいにくなことに今日は駒ヶ岳が見えない。
駒ヶ岳と大沼がセットでいい写真になるのだが・・・。
大沼には自然散策ルートがあり、団体がそちらのほうに向かったのでわたしもついて行くことにした。運転ばかりで鈍った脚の筋肉もたまには使わないといけない。
沼、といってもさすがは北海道、湖に匹敵する広さがある。
船も苦手なわたしだが、たった一度だけモーターボートに乗ったことがある。
ここ大沼公園で、であった。
遊覧船もあるのだが時間がかかるので、それなら短時間で済むモーターボートにでもするかと軽い気持ちであった。乗員はわたしを含めて五名ほどである。
ゆっくり走りだしたがすぐに猛スピードとなり、オートバイでいう「ウィリー状態」で波を掻きわけ大小の島を鋭く迂回して、湖面をすっ飛ぶように進む。
急角度で迂回すると、あちこちで楽しさが混じった悲鳴があがる。
「あははは、わっはははは!」
人間、あまりにも怖すぎるとなぜか笑ってしまう。少なくてもそのときのわたしはそうだった。いまさらわたしだけを降ろしてくれるわけもないので、狂人のように大声で笑ってしまう。
風を切って弾丸のように走るので、大口を開けて笑うその口の中に、大量の風が飛び込んできて唇を震わせ、ついで頬をいっぱいに膨らませはためくのだ。
周りをみると、全員同じ状態で、お互いの顔をみて指さしながらまた笑いだす。
ただ、同じ笑いだがわたしと違って楽しいから笑っているのかもしれない。
乗員全員が高笑いし、わたしはひたすら馬鹿笑いしているうちに、無事に戻りついたが、降りても口の中が乾ききってすぐには閉じられなかったのを思いだす。
そんな懐かしい思い出もあるので、北海道への旅ではなんとなく寄ってしまうのである。
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