<読んだ本 2020年12月>
少林寺拳法の奥義に「三年殺し」という必殺技があり、脾臓のような部位を打撃して三年後に死なせるという。古武道の柔術にも、最高秘伝として同じような当身の必殺技があるという。
なんか、今のいま元気でも二週間たたないとわからないコロナに通じるような・・・。
鎌倉の「小町通り」は、鎌倉駅東口を出てすぐのところから鶴岡八幡宮の南西角に向かって北方向に延びる、四百メートルたらずの商店街である。
商店街に軒を並べる店舗は、地元客目当ての生活感たっぷりの店は極めて少なく、参詣客などの年間に訪れる観光客1900万人を目当てにした土産物店やら飲食店がやたら多い。
つまり、東京下町「砂銀」みたいな商店街のほうが好きなわたしには縁がない、ということだ。それに遠い旅先というよりご近所だしね。
両側の店舗にまったく興味を示さない、久しぶりに小町通りを歩くわたしだが思わず足を止めてしまう。
「ん!?」
くんくん。この堪らなくいい匂いは、うなぎ屋とか焼き鳥屋の店先で醤油ダレが焦げるときに立ち昇るアレ、そのごくごく薄い、かすかなやつだ。(猫か!)
(あの、だんご屋かな)
ちょっと覗いてみるか。だんご屋とか茶店の前をスーッと素通りできないのは、きっと、わたしには江戸時代の旅人のころの遺伝子が脈々と受け継がれているのだろう。
おォ、甘いのばっかりと思ったら、「いそべ」と「しょうゆ」があるぞ。これならいけそうだ。
狭いがイートスペースもあるので、早速購入、高いほうのいそべ(170円)から齧り付く。ぺろりと食べてから、しょうゆ(140円とこれも高いな)のほうに取り掛かる。ジツはこちらのほうが好みなのだ。
ひと口食べて、
(ふーむ、やっぱし高山のだんごのほうに軍配を上げるなあ)
むむ・・・高山に行きたくなってきたな。あっちの“だんご”1本は、たしか百円玉でお釣りがきたぞ。えーい、行っちゃうか。
というわけで、マジに行って食べてきましたので、近々にご報告しまっせ。
あ、そうだ。
この日、寿福寺のそばの自動販売機の前で使いこんだ二つ折財布を拾い、なかに大事な免許とか入っていたので、すぐに匿名で駅の交番に届けたのですが、無事に本人に渡っていればと祈っております。
さて12月に読んだ本ですが、最終月の今月は7冊、年間最終累計で75冊でした。
1. ◎煽動者 下 ジェフリー・ディーヴァ― 文春文庫
2. ○インビジブルレイン 誉田哲也 光文社文庫
3. ○感染遊戯 誉田哲也 光文社文庫
4. ○レイトショー 上 マイクル・コナリー 講談社文庫
5. ◎レイトショー 下 マイクル・コナリー 講談社文庫
6. ○破斬 勘定吟味役 1 上田秀人 光文社文庫
7. ○その男 一 池波正太郎 文春文庫
「煽動者 下」、けっこう面白かった。
キャサリン・ダンスのファンには申し訳ないが、リンカーン・ライムのシリーズに比べると、ちょっとだけ不要な筋があったような気がしますが・・・。
「感染遊戯」は、姫川玲子シリーズの第5作である。姫川玲子が主人公ではない「スピン・オフ」作品の中短編集だ。ただし、一冊読み終わると、これって長編小説なんだとわかる仕掛けの。
この作家は「「ストロベリーナイト」、「ソウルケイジ」「シンメトリー」「インビジブルレイン」など、カタカナ題名がよっぽど好きなようだが、内容は題名負けしているように思う。この本みたいな題名は珍しく、意外や意外一番面白かった。(それでも○止まりだが)また、ご丁寧にもすべての中短編の副題にカタカナが付いていて驚かされる。
好きな作家はできるだけ長編を読みたい。
池波正太郎でまだ読んでなかった「その男」全三巻を発見して早速読んでみることにした。
深川新地の妓楼“百歩楼”で、いつものように馴染の娼妓“歌山”を呼び虎之助は朝を迎える。
『朝起きて、湯を浴び、歌山と共にゆっくり酒をのんだ。
そのあとで、大根おろしへ梅干の肉をこまかくきざんだものをまぜ合わせ、これへ、
もみ海苔と鰹ぶしのけずったものをかけ、醤油をたらした一品で、炊きたての飯を食べる。
この一品。名を[浦里(うらさと)]といい、吉原の遊里で、朝帰りの[なじみ客]の
酒のさかなや飯の菜に出すものだが、深川でもこのごろは、名の通った岡場所なら
吉原のまねをして浦里をだす。
歌山なんぞは、自分でこれをこしらえてきてくれる。
ちょいと、その、うまいものだ。』
池波正太郎は、ところどころに巧みに挟む、こういう食いものの話が実にうまい。
浦里・・・か、そそわれるなあ。半分は酒の肴で、半分は熱い飯にのせて食ってみたい。
→「読んだ本 2020年11月」の記事はこちら
少林寺拳法の奥義に「三年殺し」という必殺技があり、脾臓のような部位を打撃して三年後に死なせるという。古武道の柔術にも、最高秘伝として同じような当身の必殺技があるという。
なんか、今のいま元気でも二週間たたないとわからないコロナに通じるような・・・。
鎌倉の「小町通り」は、鎌倉駅東口を出てすぐのところから鶴岡八幡宮の南西角に向かって北方向に延びる、四百メートルたらずの商店街である。
商店街に軒を並べる店舗は、地元客目当ての生活感たっぷりの店は極めて少なく、参詣客などの年間に訪れる観光客1900万人を目当てにした土産物店やら飲食店がやたら多い。
つまり、東京下町「砂銀」みたいな商店街のほうが好きなわたしには縁がない、ということだ。それに遠い旅先というよりご近所だしね。
両側の店舗にまったく興味を示さない、久しぶりに小町通りを歩くわたしだが思わず足を止めてしまう。
「ん!?」
くんくん。この堪らなくいい匂いは、うなぎ屋とか焼き鳥屋の店先で醤油ダレが焦げるときに立ち昇るアレ、そのごくごく薄い、かすかなやつだ。(猫か!)
(あの、だんご屋かな)
ちょっと覗いてみるか。だんご屋とか茶店の前をスーッと素通りできないのは、きっと、わたしには江戸時代の旅人のころの遺伝子が脈々と受け継がれているのだろう。
おォ、甘いのばっかりと思ったら、「いそべ」と「しょうゆ」があるぞ。これならいけそうだ。
狭いがイートスペースもあるので、早速購入、高いほうのいそべ(170円)から齧り付く。ぺろりと食べてから、しょうゆ(140円とこれも高いな)のほうに取り掛かる。ジツはこちらのほうが好みなのだ。
ひと口食べて、
(ふーむ、やっぱし高山のだんごのほうに軍配を上げるなあ)
むむ・・・高山に行きたくなってきたな。あっちの“だんご”1本は、たしか百円玉でお釣りがきたぞ。えーい、行っちゃうか。
というわけで、マジに行って食べてきましたので、近々にご報告しまっせ。
あ、そうだ。
この日、寿福寺のそばの自動販売機の前で使いこんだ二つ折財布を拾い、なかに大事な免許とか入っていたので、すぐに匿名で駅の交番に届けたのですが、無事に本人に渡っていればと祈っております。
さて12月に読んだ本ですが、最終月の今月は7冊、年間最終累計で75冊でした。
1. ◎煽動者 下 ジェフリー・ディーヴァ― 文春文庫
2. ○インビジブルレイン 誉田哲也 光文社文庫
3. ○感染遊戯 誉田哲也 光文社文庫
4. ○レイトショー 上 マイクル・コナリー 講談社文庫
5. ◎レイトショー 下 マイクル・コナリー 講談社文庫
6. ○破斬 勘定吟味役 1 上田秀人 光文社文庫
7. ○その男 一 池波正太郎 文春文庫
「煽動者 下」、けっこう面白かった。
キャサリン・ダンスのファンには申し訳ないが、リンカーン・ライムのシリーズに比べると、ちょっとだけ不要な筋があったような気がしますが・・・。
「感染遊戯」は、姫川玲子シリーズの第5作である。姫川玲子が主人公ではない「スピン・オフ」作品の中短編集だ。ただし、一冊読み終わると、これって長編小説なんだとわかる仕掛けの。
この作家は「「ストロベリーナイト」、「ソウルケイジ」「シンメトリー」「インビジブルレイン」など、カタカナ題名がよっぽど好きなようだが、内容は題名負けしているように思う。この本みたいな題名は珍しく、意外や意外一番面白かった。(それでも○止まりだが)また、ご丁寧にもすべての中短編の副題にカタカナが付いていて驚かされる。
好きな作家はできるだけ長編を読みたい。
池波正太郎でまだ読んでなかった「その男」全三巻を発見して早速読んでみることにした。
深川新地の妓楼“百歩楼”で、いつものように馴染の娼妓“歌山”を呼び虎之助は朝を迎える。
『朝起きて、湯を浴び、歌山と共にゆっくり酒をのんだ。
そのあとで、大根おろしへ梅干の肉をこまかくきざんだものをまぜ合わせ、これへ、
もみ海苔と鰹ぶしのけずったものをかけ、醤油をたらした一品で、炊きたての飯を食べる。
この一品。名を[浦里(うらさと)]といい、吉原の遊里で、朝帰りの[なじみ客]の
酒のさかなや飯の菜に出すものだが、深川でもこのごろは、名の通った岡場所なら
吉原のまねをして浦里をだす。
歌山なんぞは、自分でこれをこしらえてきてくれる。
ちょいと、その、うまいものだ。』
池波正太郎は、ところどころに巧みに挟む、こういう食いものの話が実にうまい。
浦里・・・か、そそわれるなあ。半分は酒の肴で、半分は熱い飯にのせて食ってみたい。
→「読んだ本 2020年11月」の記事はこちら
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます