温泉クンの旅日記

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意外なり! 富山ブラック

2012-07-11 | 食べある記
  <意外なり! 富山ブラック>

 富山で昼メシといえば、定番の白エビ丼とか、味も値段も手ごろな「8番ラーメン」になってしまう。

 富山の黒いラーメンのことは、ずいぶん前から知ってはいた。
「ああ、あれってご飯バクバク進むっていう、とにかく塩ッ辛いラーメンですよね」
 そうも聞いていて、血圧が高め傾向のわたしは「毒だな」と思い、ずっと敬遠していたのだった。
 富山大空襲の復興土木事業に汗を流す肉体労働者のための塩分補給と、白飯もいっしょに食べることを意識した味付けのため、醤油を濃くしたスープのラーメンを作ったのが起源だそうだ。

 ところが、最近になって俄かに流行りだしたご当地ラーメン「富山ブラック」は、そんなに塩辛くないという話を聞く。だからこそ、メキメキと全国区へ売り出し中なのであろう。
 よーし、いっちょ試してみるか。

 砺波の散居村からほど近い射水市にその店はあった。
 射水市役所そばにある「麺屋いろは本店」。



 ここが「富山ブラック」の認知度をここ数年で飛躍的に高めたラーメン店である。



 昼時を過ぎているので店内は空いていた。カウンター席、テーブル席のほかに座敷もあったので、広い座敷席を選ぶ。



 メニューを点検する。白エビ塩らーめん、完熟みそらーめんに気を引かれるが、まずは王道の富山ブラック黒醤油らーめんと、これも定番のライス(半)を注文する。



 運ばれてきた、らーめんと半ライス。たしかにスープは真っ黒である。
 そのスープから味見してみる。



 まず、香りは魚介系である。いい温泉の硫黄の匂いがいつのまに好きになったように、魚介系ラーメンの香りも大好きだ。

 丸鶏と魚介(氷見煮干)のダブルスープだそうだが魚介が勝ったいい匂いで、予想していたよりぜんぜん塩辛くなく、脂っこくもない。微かに野菜の旨味もはいっているような気もする。水は富山湾の海洋深層水を使用している。
 秘伝という黒醤油が、驚くほど塩分を抑えた魚醤だからなのだろう、たしかに、あっさりしていて旨い。魚介スープのせいで、なぜか尾道の「みやち」を思いだしてしまう。



 麺はちょい太めの固めで、縮れのあるせいかほどよい腰で、縄跳びする少女のように心地よく口中で飛び跳ねる。
 具もまずまずの味である。

 富山ブラック、意外にいける味だ。
 さて、テーブルに用意されている柴漬けをライスにのせ、おろし大蒜を丼に投入、一心不乱に食べることに集中する。
 なお、定番のライスのお伴に、柴漬けが嫌いならふりかけも用意されている。

 勘定をすませたときにもらった「半熟玉子無料券」は、嬉しいことに有効期限がはいっていない。次に来た時には白エビ塩らーめんか、完熟みそらーめんを試してみよう。



  →「麦秋の散居村」の記事はこちら
  →「富山の白えび」の記事はこちら
  →「続・8番らーめん」の記事はこちら
  →「続・尾道ラーメン」の記事はこちら

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