<読んだ本 2011年5月>
「ねぇ、アイ・ダブリュー・ジー・ピーって知ってる?」
「IWGP?」
ほぉ~、珍しいな。プロレスの話なんて聞かれるとは・・・。「知ってるよ」
IWGPと言えば、プロレスファンなら知らないひとはいない。アントニオ猪木が率いる新日本プロレスが開催した「INTERNATIONAL WRESTLING GRAND PRIX」の略だ。IWGPヘビー級チャンピオンとかである。ええと、初代チャンピオンはハルク・ホーガンだったけかな。
深く大きく頷いて偉そうに説明すると、鼻先で笑われた。
作家石田衣良の池袋西口公園(IKEBURURO WEST GERT PARK)辺りを根城にするトラブルシューター「マコト」という主人公の小説シリーズということであるという。
たぶん同じ目にあったひとも多いのではないか。
嘲笑されたダメージもあり、秘かに読んだら面白くて最新作以外は読みきってしまった。IWGPシリーズ以外の本もほとんど図書館にあるすべてだ。
そのIWGPに初めて行った。
えっ、この狭いちっちえ公園が・・・それか。
昭和記念公園に行った記憶が強烈なだけに、落胆は激しかった。たしかに池袋の繁華街のなかにある公園だから多少小さいだろうとは思っていたが、これほどとは思わなかった。
文章を読んで想像した公園とは大違い、であった。
がっかりしただけで帰っても無意味だ。せっかく来たのだから、西口を徘徊したのであった。
さて、読んだ本ですが今月は6冊、累計で36冊。今月も二重丸が一冊だけ付いた。
1.△雪原の炎 アリステア・マクリーン 早川書房
2.○極東細菌テロを爆砕せよ (上) クライブ・カッスラー 新潮文庫
3. ◎極東細菌テロを爆砕せよ (下) クライブ・カッスラー 新潮文庫
4. ○鬼平犯科帳17 鬼火 池波正太郎 文春文庫
5. ○ノルウェイの森(上) 村上春樹 講談社文庫
6. ○ノルウェイの森(下) 村上春樹 講談社文庫
主人公が危なくなるといつからか作家本人(カッスラー)が小説に登場して助けるようになったが、どうかと思うナア。反則。
「掟破りの逆さそり(固め)」ってやつだ。(これはプロレス知らないとわからない)
さすがに、海洋での戦闘シーンの描写は迫力がある。
『・・・高性能爆薬百六十五キロを搭載したその中国製ミサイルは、巡洋艦を沈没させるだけの破壊力を優に備えて
いた。至近距離から被弾したのだから、巡視艇にチャンスはまったく無かった。全長ほぼ六メートルのミサイルは
ナールワール号を切り裂いて食いこみ、巨大な火の玉となって炸裂し、乗員もろとも沿岸警備隊の船を火を噴く
断片と化して吹き飛ばし海上にちりばめた。小さな黒いキノコ雲が惨劇の上空に、慄然とさせる墓標さながらに
立ちのぼり、海面のあまたの炎が静かに息を引き取っていった。燃え殻となった白い船腹が巡視艇の原形を
とどめる唯一の残骸で、浮かんでいようと海面にしがみついていたが、それは甲斐なき戦いだった。船体の周りの
水中では火を噴く破片が光を放っていたが、やがてゆっくりと海底目指して沈んでいった。くすぶり続ける船殻は
十五分近く海面に食らいついていたが、やがて戦う気力も失せ、ナールワール号の最後の残骸は断末魔と
ひともとの蒸気とともに水面の下に滑りこんだ。・・・・』
「ノルウェイの森」。
映画化されたので読んでみた。恥ずかしながら生まれて初めて読む村上春樹である。
なんとなく、しばらく眼が止まってしまった一文。
『・・・・文章という不完全な容器に盛ることができるのは不完全な記憶や不完全な想いしかないのだ。・・・・』
そうなんだそうだよねぇ、と変に納得してしまう。
この作家、食べ物でいうなら嫌いでない。ちょくちょく食ってもいいかな。
→「読んだ本 2011年4月」の記事はこちら
「ねぇ、アイ・ダブリュー・ジー・ピーって知ってる?」
「IWGP?」
ほぉ~、珍しいな。プロレスの話なんて聞かれるとは・・・。「知ってるよ」
IWGPと言えば、プロレスファンなら知らないひとはいない。アントニオ猪木が率いる新日本プロレスが開催した「INTERNATIONAL WRESTLING GRAND PRIX」の略だ。IWGPヘビー級チャンピオンとかである。ええと、初代チャンピオンはハルク・ホーガンだったけかな。
深く大きく頷いて偉そうに説明すると、鼻先で笑われた。
作家石田衣良の池袋西口公園(IKEBURURO WEST GERT PARK)辺りを根城にするトラブルシューター「マコト」という主人公の小説シリーズということであるという。
たぶん同じ目にあったひとも多いのではないか。
嘲笑されたダメージもあり、秘かに読んだら面白くて最新作以外は読みきってしまった。IWGPシリーズ以外の本もほとんど図書館にあるすべてだ。
そのIWGPに初めて行った。
えっ、この狭いちっちえ公園が・・・それか。
昭和記念公園に行った記憶が強烈なだけに、落胆は激しかった。たしかに池袋の繁華街のなかにある公園だから多少小さいだろうとは思っていたが、これほどとは思わなかった。
文章を読んで想像した公園とは大違い、であった。
がっかりしただけで帰っても無意味だ。せっかく来たのだから、西口を徘徊したのであった。
さて、読んだ本ですが今月は6冊、累計で36冊。今月も二重丸が一冊だけ付いた。
1.△雪原の炎 アリステア・マクリーン 早川書房
2.○極東細菌テロを爆砕せよ (上) クライブ・カッスラー 新潮文庫
3. ◎極東細菌テロを爆砕せよ (下) クライブ・カッスラー 新潮文庫
4. ○鬼平犯科帳17 鬼火 池波正太郎 文春文庫
5. ○ノルウェイの森(上) 村上春樹 講談社文庫
6. ○ノルウェイの森(下) 村上春樹 講談社文庫
主人公が危なくなるといつからか作家本人(カッスラー)が小説に登場して助けるようになったが、どうかと思うナア。反則。
「掟破りの逆さそり(固め)」ってやつだ。(これはプロレス知らないとわからない)
さすがに、海洋での戦闘シーンの描写は迫力がある。
『・・・高性能爆薬百六十五キロを搭載したその中国製ミサイルは、巡洋艦を沈没させるだけの破壊力を優に備えて
いた。至近距離から被弾したのだから、巡視艇にチャンスはまったく無かった。全長ほぼ六メートルのミサイルは
ナールワール号を切り裂いて食いこみ、巨大な火の玉となって炸裂し、乗員もろとも沿岸警備隊の船を火を噴く
断片と化して吹き飛ばし海上にちりばめた。小さな黒いキノコ雲が惨劇の上空に、慄然とさせる墓標さながらに
立ちのぼり、海面のあまたの炎が静かに息を引き取っていった。燃え殻となった白い船腹が巡視艇の原形を
とどめる唯一の残骸で、浮かんでいようと海面にしがみついていたが、それは甲斐なき戦いだった。船体の周りの
水中では火を噴く破片が光を放っていたが、やがてゆっくりと海底目指して沈んでいった。くすぶり続ける船殻は
十五分近く海面に食らいついていたが、やがて戦う気力も失せ、ナールワール号の最後の残骸は断末魔と
ひともとの蒸気とともに水面の下に滑りこんだ。・・・・』
「ノルウェイの森」。
映画化されたので読んでみた。恥ずかしながら生まれて初めて読む村上春樹である。
なんとなく、しばらく眼が止まってしまった一文。
『・・・・文章という不完全な容器に盛ることができるのは不完全な記憶や不完全な想いしかないのだ。・・・・』
そうなんだそうだよねぇ、と変に納得してしまう。
この作家、食べ物でいうなら嫌いでない。ちょくちょく食ってもいいかな。
→「読んだ本 2011年4月」の記事はこちら
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