温泉クンの旅日記

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奈良、東大寺・二月堂へ(3)

2024-11-17 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <奈良、東大寺・二月堂へ(3)>

「あの鹿・・・って、ひょっとしてオンナのコ?」

 
 
 鹿のヤツがこちらをみていないうちに石段の右端をそぉーっと昇っていたのだが、突然、“角”がないのに気がついた。
 なんだ、そうか。しかも若そうで、歳の頃なら女子高校生の、お嬢チャンってとこか。
 それなら鉄拳制裁は中止、懐いてきたら「よーし、よしよし」とムツゴロウ式熱烈ハグでもしてやるか。

「ゲッ! なんだなんだ、ここが溜まり場かよッ!」

 

 右手の空き地に、鹿がグループで屯している。まるで、コンビニの駐車場に坐り込む不良たちみたい。
 しかも、不良少年(オス)のグループではない。オンナ(メス)、お姐チャンばっかしじゃんか! まるでハーレム・・・。 

 そういえば、朝一番の南大門あたりで逢ったのもメス鹿ばっかりだったなと思い返す。
 あとで知ったが奈良公園内では圧倒的にメスのほうが多く、オス約200頭に対し、メスはその4倍多い約800頭とされている。これはメスの寿命が約20年なのに対し、オスは約15年とやや短命であるためと考えられているそうだ。女性が長命なのは人間ばかりじゃないのだ。

 ゆるやかな石段を昇りきると、左手に「東大寺三昧堂(四月堂)」が見えてくる。

 

 東大寺三昧堂は、治安元年(1021年)に「仁仙大法師」と「助慶上人」が<法華三昧>を行う際に創建され、天和元年(1681年)に改築された。
「法華三昧」とは道場で法華経をひたすら読誦することで、毎年4月に<法華三昧会>と呼ばれる法要が行われることから「四月堂」との別称がついた。また、<普賢菩薩>を祀っていたことから古くは「普賢堂」、「普賢三昧堂」とも呼ばれる。

 ようやく目的の二月堂が見えたぞ。

 

 なんとなく胸がちょいと、ときめいてくるなあ・・・。
「二月堂」は、正式名称「東大寺(上院)観音堂」の別称で、その名は旧暦2月に「修二会(しゅにえ=お水取り)」が行われることからきている。

 二月堂のすぐ下にある「閼伽井屋(あかいや)」。閼伽井屋の「閼伽」とは、仏前に供える聖水(香水、功徳水)を意味する。

 

「閼伽井屋」は、別名「若狭井(わかさい)」とも呼称され、その理由は若狭国にある神宮寺境内の閼伽井戸(若狭井)と地下水脈でつながっているとされている。

 東大寺では1200年以上続く伝統行事、毎年3月1日から14日まで「修二会(しゅにえ)」の中心行事「お水取り(おみずとり)」で、閼伽井屋の水は使用される。
 実際に若狭神宮寺では、東大寺お水取りが行われる3月12日の10日前になると「お水送り」と呼ばれる儀式が執り行われる。
 10日前とする理由は、若狭から東大寺まで水が届く日数が丁度10日とされているからで、閼伽井屋の井戸でも不思議なことに水量が増加し、甕に水を汲み入れることができるのだそうである。

 さあて、ずいぶん長いこと引っ張ってしまったが、いよいよ目的の二月堂へ参ろうか。


  ― 続く ―


   →「奈良、東大寺・二月堂へ(1)」の記事はこちら
   →「奈良、東大寺・二月堂へ(2)」の記事はこちら


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