温泉クンの旅日記

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奈良公園・鷺池、浮見堂

2024-10-20 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <奈良公園・鷺池、浮見堂>

 奈良公園の「鷺池(さぎいけ)」に浮かぶ檜皮葺き(ひわだぶき)の、八角堂形式(六角形)の堂が「浮見堂」である。

 

 浮見堂のある場所は、春日大社の“飛火野(とびひの)”の隣にあたる処だ。
 水面に映る美しい佇まいで人気を集める観光スポットで、 春は桜、夏の燈花会、秋には紅葉、冬は雪景色と、四季の自然を感じることのできる水辺の憩いの場所である。堂の建物は、1916年に建てられ、1966年に修復、1994年に再建された。

 

 滋賀・堅田の琵琶湖畔に建つ、千年以上の歴史がある満月寺の「浮御堂」とは同じ名だがまるで違う。

『(オォー、これが近江八景「堅田の落雁」で名高い「浮御堂」か・・・)
江戸後期の浮世絵師「歌川広重」によって描かれた、彼の代表作の一つである名所絵『近江八景』をネットで観るにおよび、俄然、浮御堂へ行ってみたくなったのであった。


 

 元禄四年の中秋名月の翌日、膳所(ぜぜ)から湖上を舟で堅田に出て十六夜のお月見の宴で松尾芭蕉が詠んだ句、
   鎖明けて 月さし入れよ 浮御堂
 堂内の「阿弥陀千体仏」が月に輝く光景を期待した句意である。

(しかし・・・広重に浮世絵を描かせ、芭蕉に句を詠ませるとは、浮御堂はとんでもない名所スポットだ!)
 早起きして京都から駆けつけた甲斐はあったというものである。』


「鷺池」では、池底に堆積したシカのふんなどによる汚泥が原因の水質悪化(濁りや悪臭)のため、2021年から定期的に水抜き、池干し、水張りの水質改善が行われている。

 

 

 奈良県の農地面積の3分の2を占める大和平野地域は、年間の降水量が少なく、それに加えて大きな川や湖もないことから、用水不足に悩まされてきた。 そのため、昔から多くのため池が造られた。

 

 奈良公園の「鷺池」は、「猿沢の池」と同様に厳密に言うと“ため池”というよりは、“人造の池”である。かつては灌漑用の水を貯めるための池として作られたと言われているが、現在ではその機能は失われ、<景観を楽しむための池>として整備されている。

 

 観光スポット「浮見堂」は、奈良の得難い<撮影スポット>である。



  →「滋賀・堅田、浮御堂(1)」の記事はこちら
  →「滋賀・堅田、浮御堂(2)」の記事はこちら
  →「奈良、春日大社を駆け足参拝(1)」の記事はこちら
  →「奈良、春日大社を駆け足参拝(2)」の記事はこちら


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