温泉クンの旅日記

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岳温泉(1) 福島・二本松

2014-09-21 | 温泉エッセイ
  <岳温泉(1)>

「ダケ温泉に行ってきました」
 同僚にそう言われると、
「福島県のダケですか?」
 と必ず訊き返してしまう。
 まったく同じ発音で、東日本には福島の岳温泉と青森の嶽温泉があるからだ。

 福島県の中央、東北道の西側の中通りには北から南へ、高湯温泉、土湯温泉、岳温泉と名湯が並ぶ。土湯のそばにはわたしの好きな野地温泉もある。
 岳温泉は、温泉の初心者だったころだからもう十五年以上前に行った以来再訪していない。青森の嶽温泉も久しぶりに行ったことだし、たまにはいってみるか。

 岳温泉界隈を走ってみると、どこか那須に雰囲気が似ている。安達太良山が那須火山帯に属しているせいなのかもしれない。



 早めに着きすぎたので「フォレストパークあだたら」で、カレーうどんと桃のジュースという軽めの昼食をとって、広い駐車場で仮眠をとることにした。



 ヒマラヤ通りと呼ばれる温泉街である。 岳温泉は活火山である安達太良山の中腹、海抜六百メートルに位置する高原の温泉郷だ。坂上田村麻呂が東征の折りに発見したといわれている。
 岳温泉という言葉を聞くと、この風景がまず頭に浮かんでしまう。



 坂道になっている通りの真ん中を貫いて清流が流れている。





 突きあたりには、いかにも風情のある温泉神社がある。

 今日の宿、「清流の宿 喜ら里」である。





 宿の玄関もなかなか凝っている。



 小さいが迫力のあるねぶたが飾られた宿のロビーでお茶をもてなされた。



 ロビーでチェックインをしていると、貸切露天風呂を何時からにしますかと訊かれた。ありがたいことに、宿泊客は無料で一回だけ利用できるらしい。
 電光石火で着替えてすぐに入ってみることにした。

(広い・・・)



 いっぺんに十人くらい入れそうな贅沢な露天風呂である。
 掛け湯をたっぷりしてから、ゆっくり身を沈めていく。
 熱めの、活きのいい掛け流しの温泉だ。

 岳温泉は湯量豊富で、泉質は珍しい単純酸性泉である。
 源泉温度は七十度近いが、湯元から温泉街まで八キロも引湯しているので、温度も適温に近くなり湯が揉まれて肌に優しい。もともとは源泉の地にあった温泉街だが、戊辰戦争の際に官軍の拠点になるのを恐れて焼き払われてしまい、現在の地に移ったのである。神経痛や胃腸病に効能がある。



 この湯も打ち身に効きそうである。いつもなら十分くらいで上がってしまうのだが、湯のなかでストレッチをじっくりすることにしたのだった。


― 続く ―


  →「岩木山神社と嶽温泉」の記事はこちら
  →「朝霧に包まれる土湯温泉」の記事はこちら
  →「玉子湯」の記事はこちら
  →「続・玉子湯」の記事はこちら
  →「雲上の湯めぐり宿(1)」の記事はこちら
  →「雲上の湯めぐり宿(2)」の記事はこちら
  →「雲上の湯めぐり宿(3)」の記事はこちら

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