温泉クンの旅日記

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魚の棚で、明石焼き(2)

2012-12-23 | 食べある記
  <魚の棚で、明石焼き(2)>

 日経「訪れてみたい商店街ランキング」によると、砂町銀座(三位)と同じくここ「魚の棚商店街」も堂々八位にランクされている。
 つまりはとても活気のある商店街ということだ。

 たこ磯の店の前には行列ができていた。



 たしか関西人は行列が大嫌いと聞いたことがある。(わたしも、車の渋滞と似ているから嫌いである)
 とすれば観光客だろうか。でも、並んだ人の格好をみると観光客だけでもないようだ。これは味に期待が持てる。

 食べ終わった客と入れ替わり、だんだん暖簾に近づいていく。



 暖簾に書いてあるように地元では「玉子焼」というが、地元以外には朝食でよく食べる玉子焼きと混同するので、区別して判りやすいように一般的には「明石焼」といわれる。

 玉子焼はその名の通り玉子、出汁、浮粉とか沈粉と呼ばれる粉(小麦でんぷん)と当然の小麦粉、そして具の主役の明石名産のタコが材料だ。

 入り口の傍で、イケ面のお兄さんたちが忙しそうに菜箸を器用に使って焼いている。



 その焼台の前には大量の玉子の殻が投げ捨てられている。いったい一日に何個の玉子が使われるのだろうか。



 ようやくわたしの番がきて席に案内された。



 メニューをちらりと見て、蛸と明石名物の穴子入りというのもあってちょいと心が動くが、ここはやっぱりスタンダードな一番安い玉子焼を注文する。

 ほどなくして、明石焼きが載ったまな板が運ばれてきた。



 熱々の明石焼きを落とさないように箸でとり、三つ葉の浮いた温かいつけ汁に浸して口に運ぶ。冷たいつけ汁で出す店もあるが、わたしの好みは熱いものは熱い内に食べたい。
 はふはふ言いながら、まずは一個食べる。
 熱々ふわふわのとろとろ、タコも邪魔しない柔らかさで旨い。あやうく香ばしい外側と、巧みな混ざり具合の中身の具が、つけ汁を含んで口中でほどける。



(これだよ・・・なんとも懐かしいなあ)

 昔、有楽町にある東京宝塚劇場ビルが古いビルだったころ、地下街に気に入りの飲食店がいくつかあった。
 そのなかに、もと宝ジェンヌらしい背が高く美貌でスタイルのいい母娘がやっている喫茶店があり、関東ではそのころ珍しい「明石焼き」が軽食メニューとして提供されていた。
 客は宝塚ファンの女性が多いのだが、母娘目当ての男性も多かった。
 そのころわたしが働いていた丸の内の帝国劇場からだと、東京宝塚劇場は楽々昼食のエリアである。
 わたしも同じフロアーにあるカウンター席だけのラーメン店で、餅入りの「すみれラーメン」を食べたあとにその喫茶店にいって、ラーメンだけではもの足りないから明石焼きを追加で食べた。
 この店で生まれて初めて食べて、あまりに衝撃的に美味しくてちょっと病みつきになってしまったのだ。たこ焼きによく似ているが、まったくの別物と考えたほうがわかりやすい。というか江戸時代から食べられていて、こちらのほうがたこ焼の原形といえる。



 一列三個をソースで食べてみる。周りの客をそれとなく見ていて、ソースを使っている人も多かったのだ。

 これもなかなか美味でいける。
 なかにはソースをつけて、さらにつけ汁で食べている人もいたが、ソースだけでも、味が変わって面白い。明石焼きをビールのつまみにしているひとがいて、なんともうらやましい限りである。
 明石焼き、文句なく満足しました。はるばる三朝温泉から車を転がしてきた甲斐がありましたぜ。



 ところで東京や横浜ではなかなか美味しいたこ焼にお目にかかれない。たこ焼も、大阪で絶品のものを食べてみたいものだ。



  →「魚の棚で、明石焼き(1)」の記事はこちら
  →「砂銀で塩うどん」の記事はこちら
  →「続・三朝温泉(1)」の記事はこちら
  →「続・三朝温泉(2)」の記事はこちら


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