<ウエストのうどん>
会社を午後二時に早退して家に帰り手早く旅支度をした。九州に向けて出発したのが午後四時半ごろである。
東名、新名神、中国道を使った。
名神で行く予定だったのが、運悪くその夜岐阜県の一部区間で早朝まで八時間集中工事行われ走行できないとのことで、新名神を使った。途中で降りると、横浜・九州間の通しの夜間割引適用の料金に支障があっても困るからでもあった。
巡航速度が夜なら時速百キロ、昼間なら百十キロくらいでムラのない走りをするプロのトラックをみつけて、一定間隔をあけて追尾するように車を走らせる。
これがわたしの長距離走行の際のコツだ。
途中、兵庫県のサービスエリアで三時間の仮眠を一回して走り続け、九州入りしたのが午前十一時であった。
八幡インターで降りて、夜間半額が適用され一万円ほどであった。
ここからは無料の一般道を利用する。
さて、昼はなににしようか。
旅の前は、九州到着の昼は博多で鯛茶漬けをなんて考えているが、実際はそうはいかない。眠りが不足しているので、できれば胃に負担をかけたくない。
煌々とした灯りのサービスエリアの駐車場は途切れない騒音もある。車のなかでの三時間の仮眠は、正味一時間くらいの睡眠くらいしかとれていないのだ。
「おっ、ウエストか・・・」
九州、とくに福岡ではよく見かける店で、まだ入ったことはない。ウエストはうどん、焼肉、中華料理、和食、定食、居酒屋、カフェと手広い業種のチェーン店を展開している。
うどんは消化にいい。迷わずに駐車場に車をいれた。経験的に、迷ったら選択するほうが旅先では吉となることが多い。
カウンターに座り、メニューを広げる。ごぼう天うどんは、二百九十円である。
「ごぼ天うどん、を」
それだけでいいです、と言いきってから気が変わり、再度メニューをみて稲荷をみつける。一個六十円である。形式的にちょっと悩んだのち、追加することにする。
顔をあげると、カウンターのなかで店を仕切っている若い女性と眼が合った。心のうちをバッチリ読まれているようだ。眼が、どうぞ言ってください、と言っている。
「あの・・・稲荷を二個、追加で」
「ありがとうございます」。厨房のスタッフに、「稲荷二個はいりました」と復唱する。
客がどんどん入ってきて、テーブルとカウンターも次々と埋まってしまう。
あんまり待たせることなく、稲荷寿司とごぼ天うどんが同時に届いた。
出汁は関西風だ。あじこ(鯵子)、いりこ、昆布、鯖と鰹の削り節、天然塩を使っていて、じつにやさしい味である。
一番好きなのは讃岐うどんだが、うどんに関しては心が広いわたしである。博多系うどんは腰があまりないが、わたしにはとても美味しい。あの減らない魔法のうどん、「牧のうどん」よりいまのわたしには適量である。
うどんに載っているごぼ天も、熱々の揚げたてのもので憎いかぎりだ。
稲荷の甘みもくどくなくて食べやすい。稲荷のご飯は阿蘇小国産の棚田米、「あきげしき」という品種だそうだ。
お代は四百十円也。とにかく安い。関東の立ち食い蕎麦屋も値段と内容でまったくかなわないのではないか。
店を出ると、同じ敷地の向かいにウエストの焼肉店があった。きっと営業時間の関係で二店舗にしたのだろう。
今回の九州旅の第一食目、満足しました。
→「牧のうどん」の記事はこちら
会社を午後二時に早退して家に帰り手早く旅支度をした。九州に向けて出発したのが午後四時半ごろである。
東名、新名神、中国道を使った。
名神で行く予定だったのが、運悪くその夜岐阜県の一部区間で早朝まで八時間集中工事行われ走行できないとのことで、新名神を使った。途中で降りると、横浜・九州間の通しの夜間割引適用の料金に支障があっても困るからでもあった。
巡航速度が夜なら時速百キロ、昼間なら百十キロくらいでムラのない走りをするプロのトラックをみつけて、一定間隔をあけて追尾するように車を走らせる。
これがわたしの長距離走行の際のコツだ。
途中、兵庫県のサービスエリアで三時間の仮眠を一回して走り続け、九州入りしたのが午前十一時であった。
八幡インターで降りて、夜間半額が適用され一万円ほどであった。
ここからは無料の一般道を利用する。
さて、昼はなににしようか。
旅の前は、九州到着の昼は博多で鯛茶漬けをなんて考えているが、実際はそうはいかない。眠りが不足しているので、できれば胃に負担をかけたくない。
煌々とした灯りのサービスエリアの駐車場は途切れない騒音もある。車のなかでの三時間の仮眠は、正味一時間くらいの睡眠くらいしかとれていないのだ。
「おっ、ウエストか・・・」
九州、とくに福岡ではよく見かける店で、まだ入ったことはない。ウエストはうどん、焼肉、中華料理、和食、定食、居酒屋、カフェと手広い業種のチェーン店を展開している。
うどんは消化にいい。迷わずに駐車場に車をいれた。経験的に、迷ったら選択するほうが旅先では吉となることが多い。
カウンターに座り、メニューを広げる。ごぼう天うどんは、二百九十円である。
「ごぼ天うどん、を」
それだけでいいです、と言いきってから気が変わり、再度メニューをみて稲荷をみつける。一個六十円である。形式的にちょっと悩んだのち、追加することにする。
顔をあげると、カウンターのなかで店を仕切っている若い女性と眼が合った。心のうちをバッチリ読まれているようだ。眼が、どうぞ言ってください、と言っている。
「あの・・・稲荷を二個、追加で」
「ありがとうございます」。厨房のスタッフに、「稲荷二個はいりました」と復唱する。
客がどんどん入ってきて、テーブルとカウンターも次々と埋まってしまう。
あんまり待たせることなく、稲荷寿司とごぼ天うどんが同時に届いた。
出汁は関西風だ。あじこ(鯵子)、いりこ、昆布、鯖と鰹の削り節、天然塩を使っていて、じつにやさしい味である。
一番好きなのは讃岐うどんだが、うどんに関しては心が広いわたしである。博多系うどんは腰があまりないが、わたしにはとても美味しい。あの減らない魔法のうどん、「牧のうどん」よりいまのわたしには適量である。
うどんに載っているごぼ天も、熱々の揚げたてのもので憎いかぎりだ。
稲荷の甘みもくどくなくて食べやすい。稲荷のご飯は阿蘇小国産の棚田米、「あきげしき」という品種だそうだ。
お代は四百十円也。とにかく安い。関東の立ち食い蕎麦屋も値段と内容でまったくかなわないのではないか。
店を出ると、同じ敷地の向かいにウエストの焼肉店があった。きっと営業時間の関係で二店舗にしたのだろう。
今回の九州旅の第一食目、満足しました。
→「牧のうどん」の記事はこちら
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