<読んだ本 2011年9月>
九月は長旅をしてきた。
六月に北海道三千百キロの旅をしたばかりなのだが、懲りずに今度は九州三千五百キロの旅をしてしまった。福岡、大分、宮崎、鹿児島、熊本を廻ってきたのだ。
「千円高速がなくなって、それってコスパー的にどうなの? 海外旅行のほうがよっぽどリーズナブルでは・・・」
そういう、ぐさりと抉るような、思わずうろたえてしまう真っすぐな問いかけには、猫のように耳を塞いで無視したい。
北海道旅では、三沢から横浜まで一気に七百四十キロ走った一日が最長走行距離である。これは日本橋から弘前に至る奥州街道、百八十五里と同じだ。
今回の九州旅は、初日に出発して二日目の最初の宿へ到着するまでの合算千百キロが最長で、最終日に岡山から横浜まで走り通して七百五十キロがそれに次ぐ。途中、高速での事故渋滞が三つあったので、渋滞回避で一般道を使用したために所要時間がえらくかかった。

大分の国東半島を走っているとき、道路際にひまわり畑をみつけて思わず車を止めた。

大好きな映画のひとつ「ひまわり」のワンシーンのようである。
そこからさらに「開運ロードとみくじ(富来路)」走っていると、宝くじにいかにもご利益がありそうな名前の神社があった。

富来神社である。

参拝客がまるでいないところをみると、その多大なご利益のほどはどうなのであろうか。
さて、読んだ本ですが、約十日間ほどを旅に使ったために今月はたった5冊、累計で58冊。
1.○鬼平犯科帳12 池波正太郎 文春文庫
2.○鬼平犯科帳11 池波正太郎 文春文庫
3. ◎1Q84 BOOK2 村上春樹 新潮社
4. ○鬼平犯科帳10 池波正太郎 文春文庫
5. ○密命25 覇者 上覧剣術大試合 佐伯泰英 祥伝社文庫
「1Q84 BOOK2」だが、一巻目ほどの読後感は正直なかった。
もちろん、これから読むひとのために筋は話さないが、タマルと青豆の次の会話の箇所がちょっと目にとまった。
「ところで菜食主義の猫とネズミが出会った話を知っているか?」
「知らない」
「聞きたいか?」
「とても」
「一匹のネズミが屋根裏で、大きな雄猫に出くわした。ネズミは逃げ場のない片隅に追いつめられた。
ネズミは震えながら言った、『猫さんお願いです。私を食べないで下さい。家族のところに帰らな
くちゃならないんです。子供たちがお腹をすかせて待っています。どうか見逃して下さい』。
猫は言った、『心配しなくていいよ。おまえを食べたりしない。実を言うと、大きな声じゃ言えな
いが、俺は菜食主義なんだ。肉はいっさい食べない。だから俺に出会ったのは、幸運だったよ』。
ネズミは言った、『ああ、なんて素晴らしい日なんだろう。なんて僕は幸運なネズミなんだろう。
菜食主義の猫さんに出会うなんて』。しかし次の瞬間、猫はネズミに襲いかかり、爪でしっかりと
身体を押さえつけ、鋭い歯をその喉に食い込ませた。ネズミは苦しみながら最後の息で猫に
尋ねた、『だって、あなたは菜食主義で肉はいっさい食べないって言ったじゃありませんか。
あれは嘘だったんですか』。猫は舌なめずりをしながら言った、『ああ、俺は肉は食べないよ。
そいつは嘘じゃない。だからおまえをくわえて連れて帰って、レタスと交換するんだ』」
猫好きであるわたしは、しばらく沈思黙考してしまった。

掟破りに、最終巻の24巻目から逆に読んできた「鬼平犯科帳」もようやく残り9冊と、ひとケタになった。なんとか年内に読み終えたいものだ。
→「読んだ本 2011年8月」の記事はこちら
九月は長旅をしてきた。
六月に北海道三千百キロの旅をしたばかりなのだが、懲りずに今度は九州三千五百キロの旅をしてしまった。福岡、大分、宮崎、鹿児島、熊本を廻ってきたのだ。
「千円高速がなくなって、それってコスパー的にどうなの? 海外旅行のほうがよっぽどリーズナブルでは・・・」
そういう、ぐさりと抉るような、思わずうろたえてしまう真っすぐな問いかけには、猫のように耳を塞いで無視したい。
北海道旅では、三沢から横浜まで一気に七百四十キロ走った一日が最長走行距離である。これは日本橋から弘前に至る奥州街道、百八十五里と同じだ。
今回の九州旅は、初日に出発して二日目の最初の宿へ到着するまでの合算千百キロが最長で、最終日に岡山から横浜まで走り通して七百五十キロがそれに次ぐ。途中、高速での事故渋滞が三つあったので、渋滞回避で一般道を使用したために所要時間がえらくかかった。

大分の国東半島を走っているとき、道路際にひまわり畑をみつけて思わず車を止めた。

大好きな映画のひとつ「ひまわり」のワンシーンのようである。
そこからさらに「開運ロードとみくじ(富来路)」走っていると、宝くじにいかにもご利益がありそうな名前の神社があった。

富来神社である。

参拝客がまるでいないところをみると、その多大なご利益のほどはどうなのであろうか。
さて、読んだ本ですが、約十日間ほどを旅に使ったために今月はたった5冊、累計で58冊。
1.○鬼平犯科帳12 池波正太郎 文春文庫
2.○鬼平犯科帳11 池波正太郎 文春文庫
3. ◎1Q84 BOOK2 村上春樹 新潮社
4. ○鬼平犯科帳10 池波正太郎 文春文庫
5. ○密命25 覇者 上覧剣術大試合 佐伯泰英 祥伝社文庫
「1Q84 BOOK2」だが、一巻目ほどの読後感は正直なかった。
もちろん、これから読むひとのために筋は話さないが、タマルと青豆の次の会話の箇所がちょっと目にとまった。
「ところで菜食主義の猫とネズミが出会った話を知っているか?」
「知らない」
「聞きたいか?」
「とても」
「一匹のネズミが屋根裏で、大きな雄猫に出くわした。ネズミは逃げ場のない片隅に追いつめられた。
ネズミは震えながら言った、『猫さんお願いです。私を食べないで下さい。家族のところに帰らな
くちゃならないんです。子供たちがお腹をすかせて待っています。どうか見逃して下さい』。
猫は言った、『心配しなくていいよ。おまえを食べたりしない。実を言うと、大きな声じゃ言えな
いが、俺は菜食主義なんだ。肉はいっさい食べない。だから俺に出会ったのは、幸運だったよ』。
ネズミは言った、『ああ、なんて素晴らしい日なんだろう。なんて僕は幸運なネズミなんだろう。
菜食主義の猫さんに出会うなんて』。しかし次の瞬間、猫はネズミに襲いかかり、爪でしっかりと
身体を押さえつけ、鋭い歯をその喉に食い込ませた。ネズミは苦しみながら最後の息で猫に
尋ねた、『だって、あなたは菜食主義で肉はいっさい食べないって言ったじゃありませんか。
あれは嘘だったんですか』。猫は舌なめずりをしながら言った、『ああ、俺は肉は食べないよ。
そいつは嘘じゃない。だからおまえをくわえて連れて帰って、レタスと交換するんだ』」
猫好きであるわたしは、しばらく沈思黙考してしまった。

掟破りに、最終巻の24巻目から逆に読んできた「鬼平犯科帳」もようやく残り9冊と、ひとケタになった。なんとか年内に読み終えたいものだ。
→「読んだ本 2011年8月」の記事はこちら
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