温泉クンの旅日記

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川湯温泉(1)北海道・弟子屈

2019-12-22 | 温泉エッセイ
  <川湯温泉(1) 北海道・弟子屈>

 いまだ現役の活火山である硫黄山の香ばしい噴気を嗅がされて、温泉好きはしこたまそそられ、一刻も早く湯煙たなびく温泉に入りたくなってくる。
 実際に、硫黄山を観光したあとにセットみたいにして川湯温泉で日帰り入浴する観光客は多いそうだ。その気持ち、よくわかる。

 北海道最大、全国では三位のサロマ湖に続く、北海道で二番目の屈斜路湖は、全国でも六位の広い湖である。

 

 硫黄山駐車場を出て屈斜路湖方面に向かう。
 一万年前まで川湯温泉あたりはもともと屈斜路湖の水底であったが、周囲の火山や摩周岳の爆発噴火により湖が埋まり、およそ千年前までに現在の地形を形成していったのだそうだ。

 

 距離はほんの眼と鼻の先というよりアクセルを踏み込めば目睫の間くらい、あっという間に硫黄の香りが漂う川湯温泉に入り、迷うことなく今日の宿「名湯の森ホテル きたふくろう」に到着した。
 チェックインをすませ宛がわれた部屋で瞬時に浴衣に着替えると、脱兎のごとく大浴場に走り込み浴衣を脱ぎすてる。
 
 

 浴槽の渕にしゃがみ桶で手早く掛け湯する。硫黄山では、ご馳走の匂いだけでずっと“待てよ”の状態が、いままさに“よし!”と解かれるのである。
 逸る気持ちに抗い、ことさらゆっくりとした動作で湯に身体を沈めていく。

 温泉の泉質は強酸性硫化水素含明礬・緑礬泉だ。釘など貴金属は浸けておくと酸化して腐食してしまうほど酸性が強いので湯を循環させる機器は使用に適さない。ために源泉100%、加水・加温・濾過・一切なしの文句なし。
 正真正銘の嬉しい掛け流し温泉である。

 

 噴気される硫黄に匂いを嗅ぎすぎて慣れちゃったせいか、硫黄の匂いが薄く感じてしまうから不思議。熱い湯を掬い、顔をつるりと撫でまわす。強酸性なので眼はさけてだ。
 うーむぅ・・・。至福のときである。

 おっと、いけない。他の客がこないうちにとり急ぎ露天にも行かねば、な。

 

 

 この宿の露天は二つあって、そのひとつ目は木風呂「ふくろうの湯」である。
 入浴しているわたしを冷気が包み、そしてすぐそばに広がる原生林の静寂があった。

 

 深夜になって男女の風呂が入れ替えられると、さっそくいってみる。
 内風呂は、昼間と似たような感じである。ちょっと広いかもしれない。

 

 

 外の露天の二つ目は「万年の湯」と呼ばれる岩風呂だった。

 

 

 満天の星空を仰ぎながら・・・といきたかったが、あいにくの曇天で残念無念。
 天候には勝てないとあきらめて、明日の朝湯を楽しみにするとしよう。


     ― 続く ―


  →「硫黄山の温泉蒸したまご」の記事はこちら
  →「摩周ブルー、そんでもってカットメロン」の記事はこちら


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