温泉クンの旅日記

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読んだ本 2018年5月

2018-06-03 | 雑読録
  <読んだ本 2018年5月>

 四月に石巻湾、雄勝湾、播磨灘、備前市沖などで発生した麻痺性貝毒でカキの出荷が一部止まるという事態が起きた。牡蠣だけではなくアサリもそうで、毒は強烈で火を通しても毒はなくならい。大人でも中くらいのヤツを十個くらいが致死量だというのだから恐ろしい。
 そんなこととはつゆ知らず、どうにか蕎麦屋で今シーズン最後のカキフライを食べたのであった。



 盗人宿を見張る火盗改めの密偵<相模の彦十>よろしく、わたしもたまに無性に蕎麦屋に腰を落ち着けて呑みたくなる。あるいは休日の昼どきに、蕎麦前で海苔とか板わさで燗酒を二合くらいやってからの盛りそばなんてのもたまらない。
 ただ昼でないときには、どうしても酒に煙草はセットになるのだが蕎麦屋の多くが軒並み禁煙になって久しく、煙草が吸えるところを探すのは容易ではないのだ。

 たまに利用する喫煙自由な蕎麦屋があり、久しぶりにいってみると壁に禁煙と書いた紙が貼られていた。
「あれれ、ここも禁煙になったんだ?」
 なんだよお前もか、と鼻白んだが一応訊いてみると、禁煙は開店から午後三時までだとの返事にすぐに時計を確認すると現金にも頬が思い切りゆるんだのであった。

 ついで、こちらは毒の心配のない山菜の天ぷらで春の息吹を味わった。



 店内を見回すと喫煙客があまりにも少ないせいでなんとなく窮屈感を感じ、早めに切りあげてとろろ蕎麦で締めたのであった。



 さて、5月に読んだ本ですが今月は7冊、累計で26冊です。

 1. ○密謀    上        藤沢周平 新潮文庫
 2. ○密謀    下        藤沢周平 新潮文庫
 3. ◎闇の傀儡師  上       藤沢周平 文春文庫
 4. ◎闇の傀儡師  下       藤沢周平 文春文庫
 5. ○一茶             藤沢周平 文春文庫
 6. ◎よろずや平四郎活人剣  上  藤沢周平 文春文庫
 7. ◎よろずや平四郎活人剣  下  藤沢周平 文春文庫

 一カ月、読んだ本は藤沢周平オンリー、まるで藤沢周平祭りである。



 用心棒シリーズではたしか時代背景に忠臣蔵が絡む小説であったが、「闇の傀儡師(かいらいし)」においては将軍家後嗣問題である。
 冒頭からぐいぐい引き込まれてしまったのも、「白河ラーメン」という記事で下記のように書いたように、お馴染の田沼意次とか松平定信が出てきたからだ。

  『松平定信といえば、あの田沼意次とセットであちこちの時代小説によく出てくる。
   八代将軍吉宗の孫であり十代将軍家治の後継将軍と目されていたが、権力者である田沼意次に対し
  賄賂政治と批判したため、意次に疎まれ白河藩に養子として追いだされてしまう。天明の飢饉後
  その憎き田沼が失脚、定信は老中首座になると田沼系を一掃し吉宗の「享保の改革」をならって
  「寛政の改革」で幕府再建を目指す。
   田沼と真反対の清廉な政治をすすめるが、節約・倹約政策が厳しすぎて
  「白河の清きに魚すみかねて もとの濁りの田沼こひしき」と揶揄されたとおり、わずか六年で
  老中を失脚してしまうのだった。』


 上杉藩の知将直江兼続を描いた「密謀」は、他の著者でかなりの冊数を読んでいる関ヶ原とかの描写でかったるくなってしまった。一茶もそうだが歴史上の実在の人物を主人公にした作品は重すぎて面白さはいまひとつという気がする。
 フィクションで伝奇小説っぽいこちらとか、剣豪小説というよりは市井侍小説といった趣の「よろずや平四郎活人剣」のほうが痛快な軽みというものもあってわたしの好みである。



  →「読んだ本 2018年4月」の記事はこちら
  →「白河ラーメン」の記事はこちら



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