大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

食べる!みんなで!!笑いながら!

2012-03-29 | 食生活

けいこさんと二人で毎朝8時前後にホテルから病院へ出勤し、夜8時半過ぎに戻る。
食事は病院の食堂や売店の弁当で済ませる。これが旨くて結構満足。
健太郎が普通に食事をするようになってからは昼と夜は3人で配膳台を囲んで食べた。
健太郎が食べたがる寿司や天丼やカレー弁当などを病院食の周りに並べて
3人でつつきながら、(ふつーにご飯が食べれるって幸せだな・・・)と
当たり前をかみしめる。
『味覚嗅覚は元には戻らない』と宣告されていたおかげで感謝は日々倍増。
「うまい!!美味い!!」を連発しながらモリモリ食べる息子を見ていたら
ふっ と我に返り、(そうだ!!)と駅ビルに駆け込んで小さな電気コンロを調達。
20㎝のフライパンと、皿、箸、まな板、ナイフ。
しょうゆ、オリーブオイル、ごま油、味噌・・・
夫に玄米と圧力鍋と野菜を宅急便で送ってもらい、2月末よりホテルで自炊を始める。
夜けいこさんより一足先に帰って洗面所でウキウキと米を洗い、
なずなの塩とミネラルウオーターで炊く。
玉葱のスライスをごま油でじっくり炒めて味噌で和える。
炊き立てのご飯にのせてハフハフ食べた。
次の日はとうふと野菜の鍋が旨かった。
朝はフライパンで熱々トースト根菜の蒸し焼き添え。
地粉にオリーブオイルを混ぜてビニール袋の中で練った生地を
丸く薄く伸ばして両面を焼き、トマト、ルッコラ、モッツアレラチーズを載せ、
黒胡椒となずなの塩、蓋をして少し焼いたらピザもできた。
ホテルの部屋の煙探知機を煙に巻きながら、食生活が自分の手に戻った。
あんまりうれしくて、思わず病室にコンロを持ち込み熱々ピザを息子に食べさせていたら「コンロはだめーーー!」と婦長さんに叱られる。
前途を絶たれたか、と思いきや、病棟のロビーにオーブントースターと電子レンジが置いてあるのを思い出す。食事時30分前頃、病室にそっと置いた自炊セット一式が収まった買い物カートをコロコロと引っ張ってロビーへ行き、流し台とレンジ前のあたりで
まな板を取り出し、野菜を洗ったり刻んだり、大根おろしたりを始める。
生食用の鰯が10匹で300円の時は思わず1p買い、
ベット周りのカーテンをすっぽり引いてこっそり
新聞紙の上でさばいた。フライパンに並べてセリをたっぷりのせてグリル焼きにしてわさび醤油で食べた。
アボガドとクレソンの手巻き寿司も簡単で美味しくて3人で夢中で食べた。
真空パックのご飯も始めてチンして食べたが旨かった。
世の中には便利なものが沢山あるな。
そうやって毎日3人で一緒に食事をしていて気づいた。
健太郎がぐんぐん健太郎に戻って行く。
毎日家族でご飯をふつーに食べる、笑いながら食べる、
 たったそれだけの事の中に秘められた
大きなエネルギーのうねりを全身で感じる。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うんうん! (ケロ)
2012-03-29 10:07:52
ひわさん、お久しぶりです!(わかるかな?)
日々の当たり前の中に幸せっていっぱいあるね!楽しむことを知ってるひわさんのエネルギーが伝わってきました!健太郎さんがどんどん元気になりますように!昨日とうちゃんと話しました。今度顔を見に寄らせてもらいます。
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うわ~ん (ゆほ)
2012-03-30 07:03:47
ひわさん、良かったね~U+203CU+203C
母の愛、食の愛、生の愛を感じました。
生きる、食べる、笑う。
もうなんか、それだけでいいんだね。

長沼も春だよ~o(^▽^)o
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みなさんありがとう!! (ひわ)
2012-04-03 07:16:07
ケロさんゆほちゃん、ありがとう!!
2月5日から今日までの時間は私にとって、
何年もの歳月をすごしたようでもあり、ほんの
一瞬のまばたきのなかで起こった出来事でもあるかのような摩訶不思議な時間でした。

そしてこのことを通して、いまさらながら
生きていることはなんて面白いのか!
(死んだら死んだでもっと面白かったりして・・・)と心の奥深くで何度も何度も
いろいろな場面を思い出しては
くすくすと笑いがこみ上げてくるのです。

4月13日、退院が決まりました。
健太郎は大勢の方々の愛と祈りによって生かされました。
これから健太郎の日常はその愛が溢れ出して、
岡山の木々や小さな花や空や海に注がれていくのだと思います。

ひわは16日ころ長沼に戻る予定です
ありがとうございます


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