横浜田舎物語

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をお届けします

そうだったんですか

2008-11-22 | ひとりごと
今日の朝日新聞の朝刊、そこに入ってくる土曜日版『be』を
ご覧になった方はいらっしゃるでしょうか

”うたの旅人”今週はかぐや姫の”神田川”
そう、あの『あなたは もう忘れたかしら~』で始まる大ヒット曲です

1973年の発売当時は、かぐや姫のLP(なんて懐かしい響き)のB面の曲
今風にいえば<カップリング曲>というところでしょうか
要は裏面のおまけみたいな曲ということです

それが、あれよあれよという間に大ヒットになったわけですが

作詞家の喜多條 忠(きたじょうまこと)さんの実体験を元に作られた
ということです

早稲田大学生だった喜多條さん、当時神田川べりの木造2階建、風呂もなく
トイレは共同という、ほんとに3畳一間の小さな下宿に、同級生である
彼女と住んでいた。

そして、実際に彼女と銭湯に行ったエピソードが綴られているわけですが

今回、今まで自分が思い描いていた詞の解釈が、まったく違っていたことが
判明したのです

それは、いわゆる”サビ”の部分

『若かった あの頃 何も怖くなかった ただ 貴方のやさしさが怖かった』
というくだりです

その前の詞は『貴方は 私の身体を抱いて「冷たいね」って 言ったのよ』
と、あるように、彼女が彼に言っている言葉ですよね

それが、この”サビ”の『貴方は』は彼から見た貴方、そう彼女のことなのだ
そうです。

彼女のことなら『貴女』にすればわかりやすかったのにと思いますが
そこがこの曲の深いところなのでしょうか

記事には
「実は『神田川』の詞は当初、<何も怖くなかった>で終わっていた。
作詞の喜多條忠さんは、これで完成したと思った。
ところが、ふと「何か怖いものがあったかな」と考えた。
頭に浮かんだのは、デモから帰った下宿でカレーライスを作る彼女の
後ろ姿だ。
このまま結婚し、一市民として安穏と生きる人生。
それは拒まなくてはならないと思った

とっさに、<ただ貴方のやさしさが怖かった>と付け加えた。
女性の気持ちを歌う歌は、この1行の主語が男性に転換する。

そこまでの「貴方」は男性だが、最後の「貴方」は女性を指す。
実は、「やさしさに安住しない人生を生きるぞ」という男の
闘争宣言なのである。  とあります。

なるほど、そいうことだったのね

1973年といえば、今の若い夫婦と違って、
手鍋下げても、というのが珍しくはない時代でした

実際、私も、ほんの少しの間でしたけど、蒲田の京急の電車の振動で
ガタガタいう、3畳ではなかったけど4畳半一間、風呂なし、トイレは共同
という、それはちっちゃなアパートで暮らした経験があります

実家の母が来ても寝る場所もなく、母は帰りの新幹線の中で
悔しさと、悲しさと、情けなさで涙が出たと、生きている間しばらく
ぼやいていました

住んでる私は幸せいっぱいだったんですけど(可愛かったですねえ、どこに消えちゃったんでしょう

そんなこともありまして、この歌はどうしても自分とオーバーラップする
部分があって、確かに暗~そうな歌ですけど気になり、忘れられない歌でも
あるわけです

改めて新鮮な気持ちで聴けるかもしれません



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