小樽のパパの子育て日記

日々のできごとを徒然なるままに2006年から書いて18年目になりました。
ヤプログから2019年9月に引越し。

あんぽん

2012-08-20 05:58:53 | インポート
今朝は雨のため走れず。

燃やすごみを黄色い10リットルの袋にぎゅうぎゅうに詰めて、
10円得したとほくそ笑む小市民



図書館から予約して借りた本。



『あんぽん 孫正義伝』 佐野眞一著

面白い。
サッサと読んでサッサと返します。


ぴったりの書評があったので以下参考までにコピペ。
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評・星野博美(ノンフィクション作家・写真家)
系譜に見るたくましさ

いまや日本でその名を知らない人は少ないだろう、IT事業家、孫正義。
3・11以降はいち早く脱原発の旗頭的存在となり、その動向からはますます目が離せない。

しかし存在が際立てば際立つほど叩たたかれるのは日本社会の常。
在日三世の彼に対する風当たりは特に強く、彼の信奉者でなくとも辟易するほどだ。
本書は孫という、どことなくいかがわしくも傑出した人物を生み出した背景に迫るノンフィクション。
とにかく面白い。
読んで損はしないとうけあう。

孫は佐賀県鳥栖市の無番地とつけられた朝鮮に生まれ、豚の糞尿と密造酒の臭いの中で育った。
題名の「あんぽん」とは彼の旧姓、安本を音読みした差別的な呼び方だ。
気位だけは高い祖父。
仔豚に自分の乳を飲ませるほど情が深い祖母。
正義に天才だと言い続けた父。
炭鉱の底で命を落とした叔父。
親類が顔を合わせれば陶器が飛び交い、血が流れる。
被差別体験が彼の原動力だなどという生やさしい成功譚ではない。
個性的すぎる面々が繰り広げるのは、圧倒的な身体性を放つ血の物語。
特に父、三憲のなんと破天荒でチャーミングなことか。
私は孫の成功を羨まないが、圧倒的な物語にまみれて育ったことは切なくなるほど羨ましい。

孫が手にし、日本人が失ったものは、この「物語」だろう。
いまだに高度経済成長の夢から抜け出せず、どこへ向かったらいいかわからず
立ち往生する日本人にとって孫は、まぶし過ぎる合わせ鏡のようだ。
自分たちよりハンディーを背負っていた男は、目もくらむスピードで頭上を飛び越え、
成層圏を突破しようとしている。
その速度に本能的な恐怖を感じ、逞ましい生命力に嫉妬する。
孫は日本人の潜在意識を丸裸にしてしまう怖い存在なのだ。
「孫正義よ、頼むから在日でいつづけてくれ。
そして物議を醸しつづけてくれ。
あなたがいない日本は、閉塞感が漂う退屈なだけの三等国になってしまうからである」。
著者の悲痛な叫びに深く共感する。
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