小樽のパパの子育て日記

日々のできごとを徒然なるままに2006年から書いて18年目になりました。
ヤプログから2019年9月に引越し。

令和の葬送

2019-10-11 05:05:22 | 図書館
図書館で借りた本。



へーが多く、とても勉強になった。
自分自身の宗教観が改めて確かなものになったような気がする。
覚えて置きたい箇所を記しておく。
以下、自分用メモ。。

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①直葬 ちょくそう、僧侶はじきそうと読むほうが多い。

②故人の遺志で身内だけの葬儀にしたり、無宗教の葬儀をしたいために近親者だけの小規模な葬儀をしたりする場合が多い。

③日本では一般葬の費用が200万円前後と諸外国に比べて特別に高額。特に宗教関係の費用や高額な飲食費などは見栄と世間体に過ぎず、虚礼を排したいと考える人が多くなっている。

④故人の意見が尊重されるようになり、見栄や世間体を気にした豪華な葬儀より、個人をしのぶ十分な時間が持て、金銭的な負担も少ない家族葬の需要が急速に高まっている。

⑤通夜を省略し、法律で定められた24時間以上後に葬儀を行う一日葬、ワンデイ・セレモニーがある。

⑥2015年「月間仏事」によると、一般葬42%、家族葬32%、直葬16%、一日葬9%とされている。

⑦東京では直葬が20%に達しているとの見方もある。

⑧ある専門家は、2040年までに現在77,000ある寺院のうち35-40%が消滅すると指摘する。

⑨墓地埋葬法では納骨堂は、「焼骨を収蔵する施設」として位置づけられ都道府県知事の許可が必要である。

⑩日本全体で墓地総数87万か所、これとは別に納骨堂の総数は1万5000か所に上る。

⑪以前は散骨は違法と考えられていたが、葬法の一つとして節度を持って行えば、墓地埋葬法にも刑法の遺骨遺棄罪にも該当しない。(必ず骨を粉状に砕き、海水に溶けないものは撒かない)

⑫あとに墓を守る人がいなくなったため、墓を一か所に集める両家墓がある。

⑬1999年墓地埋葬法規則改正、寺院や行政が無縁墓地を整理する手続きの簡素化、官報記載と墓地への立て札1年間建て名乗り出る人がいなければ撤去可能となった。

⑭過疎地の無縁墓地が急増、山間部の墓地では8割が無縁墓地となっている。

⑮遺族のすること。
死亡届(7日以内)、火葬上の予約(死後24時間以上後)
死亡届には死亡診断書を添付。かかりつけ医がおらず医師の診断書が得られない場合には、警察医に死体検案書を書いてもらうことができる。
納棺、火葬後収骨し、埋葬許可書を受け取る。(埋葬許可書は納骨の際に必要)

⑯納骨に法的義務はなく遺骨を自宅に保管している人が多くいる(東京だけで推定10万人)

⑰死者の臨終にあたって遺族が死者の口に死に水を含ませることが日本の臨終の習俗となっている。

⑱葬儀の前に火葬を済ませ、骨葬にしている地域もある。(東北から北海道、本州の一部の地域)

⑲スイスの精神学者ユング「高度に文明化した社会では、死者にまつわる習慣は、合理化される」と予言。
イギリスなどの極めてシンプルで合理的な葬儀の模様と日本の華美な仏式葬儀の模様を比較すれば、その予言は適格だったことが分かる。

⑳永井荷風「余死するとき、葬式は無用なり。死体は普通の車に乗せ、直ちに火葬場に送り、骨は拾うに及ばず。墓の建立また無用なり」1936.2.24断腸亭日記

㉑生活保護の葬祭扶助費 最大20万6000円。遺体搬送、火葬代、棺桶、骨壺、ドライアイスなど最低限。祭壇供花は対象外

㉒読売新聞の調査H24.2-3月 戒名(法名)が必要ない56% 必要だ43%

㉓戒名は、「見えない権力」として、現在の秩序=格差社会を維持、継続させる役割を果たしている。
寺院は、政治・経済の実権を握ってはいないが、戒名制度の背景には、体制維持勢力が控えているのである。
仏教の経典には戒名のことは一切記されていないし、自分だけでなく他者をも救済するという大乗仏教の建前にも死後戒名は反している。
言葉選びのゲーム感が拭えず、コンピュータの戒名作成ソフトが販売されている。

㉔沖縄は伝統的にお墓が大きい(亀甲墓)

㉕市町村が経営する公営墓地は、一般に永代使用料が安価で経営と管理体制が安定していること、宗教宗派を問わないこともあり人気が高いが空きがない。

㉖寺院墓地は、比較的立地条件がよく、寺が代々手厚く葬ってくれるなどのメリットがある一方、檀家になることを求められる。

㉗民間墓地は、墓の販売数が多く、墓石のデザインなどに制限がないなどのメリットがある一方、永代使用料が高く、墓石建設が指定石材店だけに限定される。

㉘石材店の収益率は高い。(9割以上が中国)

㉙島根県隠岐群島カズラ島(無人島)1年に2回船で行き、散骨ができる。800坪ほどの広さで島全体が日本唯一の散骨専用島として認められている。

㉚いかに立派な墓をつくっても、死者はいずれ忘れ去られる存在である。
墓とは、死者を覚えている人が生きている限り遺骨の収蔵場所として機能するものである。
墓は自然をこれ以上破壊せず、低価格で多くの人に平等に提供されるものでなければならない。

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