小樽のパパの子育て日記

日々のできごとを徒然なるままに2006年から書いて18年目になりました。
ヤプログから2019年9月に引越し。

室蘭市長と議会の対立

2022-04-23 04:30:07 | 雑感

室蘭市長と議会とが対立しているようだ。

人口減少が続く港町の室蘭市は、小樽市と共通する点が多く、親近感を持つ自分としては、関心が高い。

これは、他山の石としなければいけない。

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室蘭市長に「人間として最低」 市議の批判は人格否定? ツイッター投稿に注文、どう思う?
出典:北海道新聞
 「人間として最低」。室蘭市議の1人が3月の定例市議会で青山剛市長(44)に繰り返したこの言葉で、市議会が揺れています。市長は市議会閉会後、ツイッターで「心が傷つく」とつぶやきました。市議会は22日、市民から「人格否定だ」と批判を浴びてようやく、市議の発言は不適切だったと認めましたが、「議会外での反論はおかしい」との理由でツイッター投稿で慎重な対応を市長に求めました。政治家がツイートすることはいまや珍しいものではありません。議員の品位とは何なのか、表現の自由をどう捉えるのか、市議会は問われています。みなさんはどう思いますか。(室蘭報道部 高野裕美、古田裕之)

■「発言は過激だった」と議長
 「『人間として最低』という言葉は過激で、使うべきではなかった」。室蘭市議会の児玉智明議長は22日、市長応接室で会談した青山市長に市議会を代表する立場としてこう伝え、この発言を放置した市議会の当初の対応についても「反省する」と述べた。ただ、市長のツイッター投稿については「表現の自由という権利はあるが、公人として影響にも十分に考慮して慎重に利用してほしい」と注文も付けた。
 「人間として最低だ」と発言したのは、少数会派「令和新緑会」の羽立(はだち)秀光市議(83)。3月7日の市議会本会議代表質問と同18日の特別委員会で、市内3病院の再編協議や1月末に休止された室蘭―八戸(青森)間のフェリー航路再開、市役所建て替えの「市政3大懸案」に市長は道筋を示せていないと批判する中で、この言葉が飛び出た。
 市長は議場では直接反論せず、他の市議からも問題視する発言はなかったが、市長は直後に議会事務局に「過激な発言を控えて」と申し入れていた。国会でも人種差別と受け取られかねない発言や明らかに事実と異なる発言が議事録から削除されることはある。だが、議会事務局が明確な対応をしないまま市議会は3月28日の閉会を迎えた。

■「心が傷つく」とツイート
 市長がツイッターでつぶやいたのは翌29日。「【人間として最低】 公の場で何度も言われた言葉 乱暴な表現で流石(さすが)に心が傷つく 使ってもいい言葉なのだろうか 何だかなあ」。市長は頻繁にツイッターに投稿しているが、市議の公的発言に心情を語るのは異例だった。するとツイッター上では「一般社会においてもその人の仕事やアウトプットの批判はあっても、その人自身を批判することは避けるべきなのは当たり前のこと」「いじめやハラスメントだ」と羽立氏の発言を問題視する指摘が拡散した。

 事態を重く見た児玉議長は今月7日、全市議に「『議員の本質』『議員の品位』について再確認し、今後の本会議や委員会などの公の場に臨んでいただきますよう、お願いいたします」と要請する文書を送った。地方自治法132条の条文も付記されていた。この条文は「議員は無礼の言葉を使用してはならない」と定め、一般的に「品位の保持」規定と言われる。児玉議長としては事態の収拾を図ろうとしたものだったが、この時点でも羽立市議は北海道新聞の取材に「市長には以前から厳しく指摘しており、立場に変化はない。市長は議場で堂々と議論に応じるべきだ」と意に介さなかった。

■「市長はツイート改善を」
 市議会も市長へ反撃に出た。全5会派の会長会議は18日、「市長は議会では議論しなかったのに、ネットで発信し混乱を招いた」として、市長にツイッター利用について改善を申し入れることを決めた。羽立市議の「最低」発言についても単なる市政運営への批判の一部で、前後の文脈を通して聞けば「問題ない」との認識で一致した。複数の会派会長によると、会議では市長のツイートについて「定例会の開会中に対処できたことを閉会後に交流サイト(SNS)で公開するのは間違っている」「羽立市議の発言の一部を切り取った発信は市民の誤解を招きかねない」と市長批判の意見が大勢を占めたといい、児玉議長も会議後の取材に「議会閉会後に指摘するのはフェアではない」と態度を硬化させた。
 ただ、会派会長会議のこの決定が北海道新聞で報じられると、ツイッター上では再び、「市長にツイッターの使い方を改めてもらう前に、議会は『人間として最低』発言を改めるべきだ」「ツイッターの使い方は自由」と市議会批判が噴出した。議会事務局にも市内外から議会の対応を問題視する指摘が相次いだ。
■世論の風向きで軟化
 各会派会長会議が態度を軟化させたのは21日午後、世論の動向に危機感を抱いた若手市議らの忠言を受けてからだった。
 そして迎えた翌22日。幕引きを図りたい児玉議長は向き合った市長に羽立市議の発言は「過激」で、市議会の対応にも問題があったと認め、「羽立氏は『人間としてではなく、市長として批判するつもりだった』と話していた」と説明した。市長にとっても市議会との対立を長引かせるのは得策ではなく、自らのツイートについて「私の投稿も配慮を要するところがあった。発信による影響を十分に配慮する」と述べ、幕引きに応じた。
 羽立氏は市長との会談に立ち会わなかったが、北海道新聞の取材に「人格を否定する気は最初からなかった。青山市長に室蘭を良くしてもらいたいという思いに変わりはなく、今後もおかしいと思うことは追及する」と語った。
 ただ、市長のツイートを制約するような市議会の対応には一部で「市長の議会外での発言を議会が制限することは、市民への情報を制限することと同じだ」と表現の自由の観点から疑問視する声が残り、釈然としない幕引きとなった感は否めない。室蘭工業大大学院の清末愛砂教授(憲法学)は「青山市長の交流サイト(SNS)の使い方は法的には問題なく、市議会が市長に対して使い方を制限するよう求めるのは出過ぎた行動だった」と指摘する。市長や市議会は次の議会論戦で、議員の品位の問題だけでなく、表現の自由の問題についても議論を深める姿勢が求められそうだ。

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しっかりとした取材に基づいて論点が整理されており、読者に分かりやすく好感が持てる記事だ。

あくまで中立を装ってはいるが、担当する記者の議会に対する不信感が行間から読み取れる。

そして、議会と市長とが対立構造にあり、根が深そうなことも。

 

 

車の両輪に例えられ、それぞれにお互いを尊重し合いながら、市政という汽車を走らせる議会と市長。

長と議会議員は、それぞれ直接選挙されることから、地方公共団体の行政運営について長と議会が異なる立場をとることは想定されているものの、現実的には、一旦対立構造に陥ると、解決手段を見出すことが難しいという構造的な問題が指摘されている。

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室蘭市の状況は今後も注視していこう。

 

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今年、市制施行100周年も同じ。