夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

昇龍図 中村左洲筆 その5

2018-11-01 00:01:00 | 掛け軸
先日パナソニックの100周年にて東京フォーラウムで催された会に出席してきました。パナソニックやアリババのCEOらとの討論会を聴かせて下だいたのですが、仕事に役立ついいヒントを聴くことができました。いろんな企業の経営者の話を聴くことはこちらの啓蒙になると改めて感じ入りました。日本の中だけではもはやビジネスの仕組みは通用しないことが多いが、日本の良さを前面に出すことも必要だと感じました。

この話をすると際限なくなるので本題に入ります。

本日は中村左洲の作品の「その5」の紹介です。中村左洲は江戸時代後期以降に全国的に流行した四条派の画家であり、左洲の作品も温雅な写実表現を基調としています。

伊勢では、左洲といえば鯛の専門画家のようにいわれることがあります。それは鯛を描いた作品に優品が多かったことによるのでしょうが、左洲が漁師でもあったこと、 魚類は円山四条派の重要な写生対象であったこと、鯛の絵は吉祥画として多くの需要があったことなどが起因しているのでしょう。確かに、鯛を描いた作品には終生伊勢の海に親しみ、伊勢志摩の自然と一体化したかのような彼の特質を見ることができます。

一方、内宮や外宮、山岳風景を主題とした情趣こまやかな風景作品には画家中村左洲の技量がより強く現れているように思われます。伊勢神宮が近くにあり、皇族や宮司からの依頼や招待が多く、作品を献上することもあったようです。

本日の作品は中村左洲としては初めて漁業には関係のない画題の作品の紹介となります。

*本日の作品は辰の年として干支の作品として描いた作品の紹介です。これも吉祥の画題です。

昇龍図 中村左洲筆 その5
紙本水墨軸装 軸先骨 誂箱 
全体サイズ:縦1030*横510 画サイズ:縦350*横480



落款には「昭和三戊辰試筆 左洲 押印」とあり。昭和3年(1928年)55歳頃の作と推定されます。辰年の正月の書初めの作品と推測されますね。



9月の3連休に訪れた修善寺の宝物殿にあった川端龍子の天井画の作品も同年の作でしたので、「縁があるものだな~」と見入ってきました。下記の作品がその作品の写真です。



むろん干支の作品ですからこの年には多くの画家が描いたのでしょう。



「大鯛」(昭和10年作)に押印されている印章と同一印であることが確認できました。



中村左洲の作品では鯛ではない作品にもいい出来の作品がありますが、出来の良いは非常に数が少ないと思います。

「鯛」の作品については一匹や二匹では面白みのある作品が少ないと思います。中村左洲の蒐集対象とする作品は書き込みの多い、出来の良い作品に絞っていきたいと思っています。付け加えるなら漁に関わる作品に優品が多いようです。

なお中村左洲の同じような図柄では下記の作品があります。

「龍画」(個人所蔵)



昇龍の図柄は縁起の良い作品ですね。ただこの作品はやはり他の漁に関わる他の作品と比べると中村左洲の出来の良い作品には分類できないと感じるのは私だけではないと思います。。

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