夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

瀞潭 福田豊四郎筆

2016-05-24 00:09:55 | 掛け軸
5月の帰省に際しての目的は

ますは春の花々を愉しむこと。



次に毎度ながら家々の健全性を確認すること。



今回のちょっとした目的は探し物、ありました!

前回、本ブログで記載した日本三大遺訓から思い出したもので、我が祖父の処世訓。母方の叔父が祖父の処世訓を、書家に書いてもらった額を居間に飾ったあったものを、小生が書き写し、知り合いの書家にやはり書いてもらい、額入りにしてあったもの。額装にしていないものも数枚あっがはずですが、今回は探しきれませんでした。



「強く正しくにこやかに
 上見てすすめ下みて暮らせ
 真剱の前に不能なし
 論で負けて 行で勝て
 長者と交われば悪友無し
 話上手より聴き上手
 己に克ちて人に譲れ
 急ぐな休むな怠るな
 向上に終点無し
 仲良く働け笑って暮らせ」

尋常小学校卒業の祖父、なかなか難しいことが書いてあるようです。

「強く正しくにこやかに 前見てすすめ下みて暮らせ」がこの世の基本。どこかの知事さんにも読んでもらいたい処世訓のようです。税金でインターネットオークションや高級ホテルに飲食・・・。なにかを勘違いしているようです。



我が家はお惣菜・・、ともかく食べろや食べろ!

祖父や父は材木業を生業にしていたことから、家内が「この作品を購入したら?」という勧めもあって、今年の帰省の時に骨董店から購入した作品です。もちろん自腹・・。

瀞潭 福田豊四郎筆
紙本水墨軸装 軸先象牙 共箱二重箱入
全体サイズ:横*縦 画サイズ:横612*縦1270



題にある「潭」は「たん」と読む。「潭」は「ふち 水を深くたたえた所」という意味。



描いてある川はむろん米代川。



いろんなことを背負って川は流れていくもの。「振り返れば 遥か遠く故郷(ふるさと)が見える」は景色ではなくきっと故郷で生きてきた家族のことかもしれません。



「川の流れのように ゆるやかに いくつも 時代は過ぎて」



「生きることは 旅すること 終わりのない この道 愛する人 そばに連れて 夢 探しながら」

小生も東北の田舎からはるばると遠くへ来たものです。「仲良く働け笑って暮らせ」を求めてきたように思います。




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2 コメント

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いつにもまして (けい)
2016-05-24 08:25:19
毎回、更新を楽しみに読ませて頂いています。
今回はいつにもましてご紹介の品と文章に惹かれました。
お祖父さまのご家訓をこの絵からくみ取り、さらに自分の今を表す言葉の中に幸せとはこうあるのかなと感じさせられるものがありました。
奥様が勧めてくださった絵ということですが、本当に素敵です。米代川の川下り、川に映り込む山の姿、豊かな水は何事もなく滑るように流れていて、これが荒れ狂う流れに変わるなど想像できないほどです。自然と向き合い、自然と共に暮らす人々への優しい福田豊四郎のまなざしを感じます。
良いものを見せてくださったありがとうございました。
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ありがとうございます (夜噺骨董談義)
2016-05-24 18:12:49
読んでいただいてありがとうございます。
日記代わり、作品整理のための拙文のブログですのに、このような素敵なコメントをいただいて恐縮しております。
福田豊四郎の作品は続く予定ですので是非楽しみにしていてください。
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