夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

江戸期源内焼 緑釉球獅子水滴 

2012-02-29 05:55:18 | 陶磁器
骨董収集に遊び心があるといいです。。本作品はインターネットオークションで購入したものです。遊び心で買おうと思ったら、一万円近くまで競りました。1000円くらいで買えると判断したのですが、遊び心にある御仁は多いようです。そこまで私が投資した?理由は、本作品は江戸期の源内焼と判断したからです。

遊び心の作品として他の作品では福田豊四郎の蛙の絵なんかはその類です。先日紹介したばかりの蛙の徳利もそうです。最近は奇をてらうこの手のものが多いですが、古いものにこのようなユーモラスを感じさせる作品は非常に少ないものです。

緑釉球獅子水滴 
合箱入
幅98*奥行き99*高さ72



「獅子と玉」については「中国吉祥図説」からです。



官位などの出世を願い、また魔よけの性格も持っているものとして親しまれました。



玉を持っているのは、「良いことが将来起こるように(物事がうまく転がるように、の意か?)」という意味がこめられているそうです。



どこで製作された作品かは不明ですが、私は画像で源内焼かもしれないと判断しました。実際に手に持ってみないとその手取りの重さ、材質感が解りませんが、実物を見て江戸期の源内焼と判断しました。なにやら収納箱までついています。



源内焼は獅子の図がポピュラーであり、水滴や香炉も製作されていますが、本作品はそのなかでも上等な部類の作品です。

出品している人は知らないで出品していますので、休日にパソコンにて偶然見つけたものです。これぞ天下の拾い物

無論、源内焼に興味のない人には面白い水滴という価値しかありません。




球にしがみついている?様は滑稽です。獅子の表情も豊かです。製作した御仁の遊び心を感じます。
地位に執着しすぎてもいけないよと皮肉っているようでもあります。己を戒めるようにもとれます。



誰かに似ているような気がしないでもありません。

実は先週の土日は久しぶりにインターネットオークションで宝物探しをし、この程度でいいだろうとあまり高く入札しないでいたら、次々と落札してしまいました。本命は落札できず、がっかりしていましたが、届いた作品はわりといいものです。思わぬ散財して落ち込みましたが、わりといいものが入手できたと思われます。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
獅子 (金太郎さん)
2012-03-02 20:36:36
ハラを抱えた蝦蟇か何かかと思いましたら、玉乗り獅子でしたか。いや、乗れていない!?
こんな獅子は初めて見ました。なんとも面白いものですね。
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獅子 (夜噺骨董談義)
2012-03-03 10:43:57
たしかに異常にお腹の出た獅子のように見えなくもありません。ただ源内焼にはユーモラスでありながら、決してユーモラスを狙った作品ではない緻密性があって、源内焼の製作者にはどこか共通した意図があるように思えます。それは江戸期の源内焼が有る少数の製作に限られたものあったことによろうかと思います。
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江戸期の感性 (米吉)
2012-03-05 08:57:27
江戸の粋を表現するのに「茶の笑い」ってのがあるようです。スコーン!と抜けた馬鹿馬鹿しい笑いのことのようです。
まさに、その「茶の笑い」その物のように思われる作品ですね~。
来年の干支根付のデザインイメージしていたものにピッタリはまりました。参考にしたいと思います。早すぎ!!
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干支根付 (夜噺骨董談義)
2012-03-05 19:44:55
来年の干支根付は蛇ですね。私の干支でもあります。今から楽しみにしています。
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