
ここのところ大橋翠石の作品を続けて入手し、その作品の検証作業を進めながら以前の蒐集作品を確認しています。常に学習ですが、一人の画家についてある程度蒐集して学習し、しばらく時間が経てからまた検証するのが効果的なようです。新たに学ぶことや勘違いして覚えていたことなど知識の組み立て直しがよくあります。

贋作考 親子虎之図 大橋翠石筆 その13
絹本水墨淡彩軸装 軸先骨 玉置頼石鑑定箱
全体サイズ:横650*縦2150 画サイズ:横510*縦1260
絹本水墨淡彩軸装 軸先骨 玉置頼石鑑定箱
全体サイズ:横650*縦2150 画サイズ:横510*縦1260


いつも反省するのが、所蔵作品には贔屓目に見てしまうことですが、己に克つのはいつもながら、何事も難しい。

親子の虎は「点翠石」の頃には珍しいようで、時にはこの題材というだけで贋作扱いされます。

もともと大橋翠石は子虎を描くのは苦手であったと推察しています。晩年の作でもその兆候が見られ、子猫を描くようになった頃には抵抗感のない作品になっています。

この作品の子虎の出来はマシな出来なほうでしょう。

この作品における「点翠石」の落款と印章はもっとも贋作に多いもののようです。一応はこの印章は真印と印影が一致します。

似通った作風の「点翠石」の落款の作品を比較するのも鑑識眼を向上させるには必要なことのようです。

大橋翠石の真作に辿り着くのはなかなかむずかしいようです。