夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

梅の花と歌図 藤原啓筆

2013-03-20 11:30:14 | 掛け軸
週末の陽気に誘われて、日曜日は午後から急遽、府中市美術館へ出かけました。「かわいい江戸絵画」といい展示会でした。これが実にいい企画です。



円山応挙、伊藤若冲、長澤芦雪、森祖仙、柴田是真といった有名な画家の絵もたくさんありました。このようなものが東京近郊で見られるということは非常に恵まれています。田舎ではまず見ることはありません。観に来ておられる方々に若い人が非常に多いのには驚きました。



個人所蔵の作品の多さに驚きました。やはり所有することによって、骨董の奥深さは知れるものです。大事にしたい日本の文化でが根強く、脈々と残っていることに安堵しました。

さて、本日は備前焼・・・。といっても陶磁器ではありません。

日本人のの趣味(庭の趣味)は「花(絵を含む)に始まり、木(盆栽を含む)に移り、土(陶磁器)、そして石に終わる。」というのがどうも一般的?なようです。とすると私は石の手前か??

主に備前は夏の器ですが、陶磁器の趣味でも最後は備前と言われています。その中でも金重陶陽と藤原啓は抜きんでているように思います。本日は藤原啓の書画ですが、書は以前にも投稿しましたので、二作品目ということになります。


梅の花と歌図 藤原啓筆
紙本水墨淡彩 牙細工 共箱入
全体サイズ:縦1328*横486 画サイズ:横345*縦345

藤原啓は書の作品を数多く残していますが、その中でも本作品は書画が一体となった秀作といえます。



「梅の花 雪より白く 咲きほこる 山の裾野は 春の香に満つ」とあり、「啓」の落款と印があり、箱の裏には「梅の花と歌」と題され、「啓」の落款と印章があります。




いい歌ですね、梅の季節となりました。先週に訪れた練馬区立美術館前の梅の花です。



本職顔負けの絵の腕前です。みずみずしくにおい立つような絵です。



軸先の象牙の細工も趣があります。



表具もちょっと面白いものです。大事に保存されていた作品と推察されます。どなたがどのような理由で手放されたのかは分かりませんが、藤原啓の書画ではいい作品です。



藤原啓の作品に初めて触れたのは某コレクターのお茶碗です。下記の作品がその作品ですが、温かみにあるいいお茶碗でした。



下の作品は水指。




手頃な花入、水を吹き付けて・・、そう茶席ではわざと霧吹きで水を吹き、涼しげな雰囲気を醸し出しますが、とくに備前は水を吹き付けると生き返ったように雰囲気が変わります。



小生がようやく手に入れた緋襷の小振りなお茶碗です。



掛け軸を床に掛け、来る季節に胸ときめかせる時間を愉しみたいものです。









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