夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

羅漢図 倉田松涛筆 その7

2012-11-14 06:23:32 | 掛け軸
秋田の保戸野窯の平野庫太郎氏から秋田市内での個展の案内の葉書がきました。




何度か本ブログでも作品を紹介しました。いい作品を作られていますので、ぜひ機会のある方は訪れてみてください。非常に作品の数が少ない陶芸家ですが、リンク先をみられると作品群がよくわかります。




積極的に収集しているわけではありませんが、倉田松涛はわりといい作品が多く当たり外れの少ない画家といえますし、同郷の画家となる愛着も湧いてきます。


羅漢図 倉田松涛筆
紙本水墨淡彩軸装軸先練 箱入 
全体サイズ:横592*縦2020 画サイズ:横465*縦1220




インターネットオークションより入手(1万5千円程度)。





羅漢の顔の出来などなかの秀作。





賛は「明治歳次戊申 □□□□・・ 百三談□・・ 松涛」(解読中)朱文白楕円印「百三談画房」、朱文白方印「松涛」が押印され、斜め上に遊印が押印されている。

明治の「戊申」というと1908年(明治41年)となり、倉田松涛が41歳の作品である。八戸からの入手ですので、各地を放浪している頃の作品かと思いますが、詳細は不明です。



しばらく寝ているところの真ん前に掛けています。心が和みます。「いつもつまらないことに悩むものではない。今の幸せ、いままで生きてきたことへ感謝し、にこやかに生きること」を諭しているようです。どうも小生はまだまだ修行が足りないようです。



「豪放磊落な性格でしられ、酒を好み、死の床に臨んだ際にも鼻歌交じりで一句を作ったという逸話もある。」という御仁ですから、死に臨んで悟りを持っていたように思います。

同じような作品に所蔵作品の中に「布袋図」がありますが、この作品が初めて購入した作品です。たしか5万円くらいであったように思います。


倉田松涛はむろん秋田県出身の画家で、幼いときから同じ秋田県出身の平福穂庵に絵を習っていました。平福穂庵の「羅漢図」と比べると面白いでしょう。


倉田松濤:明治~大正期の日本画家。慶応3年(1867)生~昭和3年(1928)歿。秋田県出身。巽画会・日本美術協会会員。

幼い時から平福穂庵に師事。特異な画家といわれ、匂いたつような濃厚な筆で一種異様な宗教画(仏画)をのこした。少年時代から各地を転々とし、大正期初の頃には東京牛込に住んだ。

この頃より尾崎紅葉らと親交を深め、帝展にも数回入選し世評を高くした。宗教画の他に花鳥も得意とし、俳画にも関心が高く「俳画帳」などの著作もある。

豪放磊落な性格でしられ、酒を好み、死の床に臨んだ際にも鼻歌交じりで一句を作ったという逸話もある。             


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (kuni)
2013-08-31 23:29:37
はじめまして。高橋と申します。
私も最近秋田関係の人物や歴史について調べておりまして、貴ブログも参考とさせていただきました。
倉田松濤は比較的有名ですが、もっと有名になって欲しいところですね。
当サイトからリンクを張らせていただきましたので、よろしくお願いいたします。
http://www.informatics.jp/akita/kurata_shoto.html
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こちらこそよろしくお願いします (夜噺骨董談義)
2013-09-01 07:11:47
秋田関係の人物や歴史についてお調べとか。画家なら「秋田書画人伝」(井上隆明 加賀谷書店)が他の県より群を抜いて纏められています。おそらく画家なら他の県より数多くの画家を輩出していると思われます。
倉田松涛は一時期著名になりましたが、贋作が横行し評判を下げたということを聞いたことがあります。それでも非常に面白い絵を描く画家なので、もっともっとメジャーな画家として評価して欲しいですね。
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