夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

俳句画賛 紀楳亭筆 その1

2014-06-15 08:14:30 | 掛け軸
二週続けて日経新聞に掲載されているのが「英一蝶」です。名前くらいは知っている人が大半だと思いますが、彼が俳人「宝井其角」と友人であった(友人というより放蕩三昧の飲み友達?)であったことは知りませんでした。

紀楳亭の作品は三作品目の投稿となります。折れがありますが、改装するといい作品になるでしょうが、時代があるものとしてこのままもいいかと・・。

俳句画賛 紀楳亭筆 その1
紙本水墨 軸先木製 合箱
全体サイズ:縦1090*横305 画サイズ:縦270*横207



印章は「楳」と「亭」の白文朱累印が押印されています。この印は文化3年の頃の作品に見られます。念のために文献資料の印章との比較です。

 

最晩年はは画俳の境地で力の抜いた作品で有終の美を飾ったと思われ、本作品も最晩年の作品のひとつでしょう。



賛は「干瓜は おしろいしても 黒き顔 其角 楳低写併題書」とあります。川柳のような俳句です。

新聞にかかれていましたが、芭蕉の名句「古池や 蛙飛び込み 水の音」に対して、宝井其角は発句を「山吹や」ではいかがでしょうかと推したそうです。師をして天才といわしめた宝井其角は、この句に色取りを添えてかったようです。

紀楳亭は近江蕪村と称されるように、蕪村に倣ったような肩の力を抜いて愉しんだ俳画が多くあります。宝井其角の没年は1707年、紀楳亭は1810年、楳亭の一世代前の俳句の寵児の句を借りた俳画の作品ですが、購入した時は紙屑同然のような値段でした。



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2 コメント

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Unknown (minchou)
2014-06-18 18:53:51
追記;すいません、名を入れ忘れました。
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一蝶と其角 (夜噺骨董談義)
2014-06-21 07:32:23
そうですか、新聞の内容ではだいぶ仲がよさそうだという印象でしたが、実際は確執があったのかもしれませんね。
「一蝶については、専門の研究者でもひょっとして知らないのではという興味深い話」・・・、気になりますね。
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