夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

五柳先生図 寺崎廣業筆 その26

2014-06-16 05:03:48 | 掛け軸
日本のサッカーはそれほど強くないと言ったことが現実となりましたが、至極当然のことのように思われます。フィジカルに劣る日本が世界に通用するのには、組織力であるはずなのですが、その練習がまったく足りていないように思えました。

海外移籍している代表が多くなればなるほど、個々のプレーに頼るところが大きく、日本の強みである組織プレーが陰を潜めました。

日本の強みはないごとにも「組織に対する忠誠心に基づいた組織力」です。これはスポーツもサ同じです。それゆえゴルフやテニス、卓球という卓越した個々が希に出ても、組織で闘うものほど強くはありません。いまやこれを忘れかけているのが日本人です。

五柳先生図 寺崎廣業筆 その26
水墨淡彩紙本軸装 軸先象牙 共箱 
全体サイズ:横435*縦2230 画サイズ:横310*縦1310



箱の箱書などから知人が売却した「寿老人(思文閣へ売却)」と同時期の作品かと思われます。



題名の「五柳先生」とは「陶 淵明」のことです。

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五柳先生:陶淵明の号。彼が自分のことを託して書いた「五柳先生伝」という文章に基づく。家の前に5本の柳があったところからの名という。

陶 淵明:365年(興寧3年)~ 427年(元嘉3年)11月)は、中国魏晋南北朝時代、東晋末から南朝宋の文学者。字は元亮。または名は潜、字は淵明。死後友人からの諡にちなみ「靖節先生」、または自伝的作品「五柳先生伝」から「五柳先生」とも呼ばれる。潯陽柴桑(現江西省九江市)の人。郷里の田園に隠遁後、自ら農作業に従事しつつ、日常生活に即した詩文を多く残し、後世「隠逸詩人」「田園詩人」と呼ばれる。


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本作品をつまなないと感じるか、いい作品だと感じるかは「陶 淵明」という詩人に関心、知識があるかないかという素養の問題が大きく関係します。



郷里の田園に隠遁後、自ら農作業に従事しつつ、日常生活に即した詩文を多く残し、後世「隠逸詩人」「田園詩人」と呼ばれる・・・、そういう生活を送りたいものです。詩を才能がないから無理として・・。このような晩年を送れるのは極少数でしょうね。体力と死(生)へのきちんとした考えがないとできない。

それも組織から脱却してから、組織に組しているうちは組織の目的に忠実にならないといけませんね。



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