夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

田家の春 寺崎廣業筆 その48

2016-09-14 00:01:00 | 掛け軸
本日の作品は今回の帰郷で知人から譲っていただいた作品です。



少子高齢化で廃れ行く地方ですが、文化は息づいています。知人が「こういった作品を今後どうしたらいいのだろう」という話をしていたので、「小生に譲ってくれたら後世に遺るよ。」と回答しておきました。

田家の春 寺崎廣業筆
絹本水墨淡彩軸装 軸先象牙 鳥谷播山鑑定箱 二重箱
全体サイズ:縦1960*横562 画サイズ:縦1086*横416



郷里におられる亡くなられた収集家のお孫さんから依頼があり、祖父から受け継いでいた作品を見てあげたところ、その御礼に本作品を譲り受けたものです。

小生は祖父の方とは生前に僅かながら交流があり、お孫さんにもまた現在いろいろとお世話になっているという縁もあります。



作品に箱には「大正壬戌仲夏」とあり、大正11年(1922年)の鳥谷播山の鑑定となります。他に見させていただいた作品に「菊花秋日」、「倣応挙雪景山水図」、「瀑布図」、「李白観瀑図」などがあり、いずれもしっかりした作品で、特に前述の二作品が優品でした。



いい作品はあるところにはあるものです。小生の所蔵する作品などは足元にもおよびません。



小杉放庵、山口蓬春、田崎草雲、平福百穂など筋の良い、いろんな作品を見せていただきました。



次から次に作品が出てくるので、夕食に遅くなり家内から催促の電話・・・



骨董蒐集家というものは寝食を忘れるもの・・・ 



人生、寝食を忘れるものがひとつやふたつあったほうがいい。むろん害にならないもの、できれば世のため人のためになることが望ましい・・。



刀剣にしても鍔にしても、陶磁器にしても、掛け軸にしても、興味や知識のない人にはその楽しみはわかるものではありませんが・・。



本作品・・・、亡くなった家内も現在の家内も酉年。息子と小生は巳年

さて贋作の多い寺崎廣業ですので、まずは間違いの無い蒐集家の作品でも一応、確認しておく必要があります。

 

資料の乏しい画家でもなんとかして資料を揃えておく必要がありますが、ただし資料ばかり優先して、作品が乏しいと「論語読みの論語知らず」、疑心暗鬼の蒐集家になりかねませんので自戒が必要です。

 

「買え、売れ、勉強しろ!」が骨董の基本。

  

もうひとつ「贋作・駄作は捨てろ!」、作品のレベルを上げていくためには必要なことのようです。


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