夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

源内焼 その107 三彩唐人琴奏図皿 その2

2017-12-07 00:01:00 | 陶磁器
先日赤坂で食事を共にした友人から苺が届きました。封を開けるやいなや息子はかぶりつき! 「お~い、パパの分は?」、「パパは一個だけ!」



本日から連続して源内焼の作品の投稿です。

源内焼を蒐集していると同図の色変わりの作品に必ず出会うことになります。焼成時期が違う作品はむろんでしょうが、焼成時期が同じでも、同じ型で作った作品を釉薬をかける段階で釉薬を別々にした作品が多々あるように思います。

源内焼 その107 三彩唐人琴奏図皿 その2
合箱入 
口径260*高台径183*高さ37



源内焼の「その44」で紹介した作品が同じ図柄の作品です。

源内焼 その44 三彩唐人琴奏図皿
合箱
口径260*高台径180*高さ43



「その44」は口縁部分にも三彩が施されています。本作品のように口縁部分が緑釉一色のものは文様が奇獣のようにも見えますが、三彩だと花柄のように見えるから面白いですね。



まるで鬼の面のように見えます。



中央の見込み部分も色の使い方は逆転しています。



江戸期の源内焼は人物でも緻密な型によって作られていますが、時代が下がると型が曖昧となり、源内焼の面白みが半減しています。



明治まで時代の下がった再興された源内焼と本来の江戸期の作品と明確に区分するべき理由のひとつにこの精巧な型の作りにあります。



本作品は傷のない完品ですが、ちょっとだけ歪みがあるようです。



底の作りは同じです。



釉薬の違う作品を揃えるのも源内焼蒐集のひとつの愉しみです。



源内焼は軟陶ですので、割れたり、釉薬が剥がれたりして、状態の良いものが少なくなりますので、このような完品に近いものは重宝されます。



源内焼の面白さを十二分に伝えられる作品だと思います。


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