
源内焼の作品は当方ではおおよ140作品余りの数となり、地図をあしらった図柄の大皿以外の作品についてはおおかたの蒐集は済んでいるため、よほど状態の良い佳作の作品以外は入手しないのようにしていますが、今回は状態が悪い(表側はわりと健全です)ですが、非常に珍しい図柄の作品でしたので、入手した作品の紹介です。

珍しい作品 源内焼 三彩黄安図輪花皿 (作品NO145)
裏面疵多数 合古箱
最大口径220*高台径*高さ35

非常に手の込んだ型にて作られている作品であり、表側は釉薬の剥げ以外はいい出来の作品となっています。

周囲に亀甲文様を主体として、中央に「黄安図」が描かれています。黄安(こうあん、通称:亀仙人)は前漢・武帝の時代とされる中国の仙人とされます。
大きな亀(3尺もある亀)に乗っており、その亀は3000年に1回しか首を出さなかったと言われていますが、黄安は5回首を出したのを見たといわれ、単純計算でも黄安は1万5千年生きたことになります。
ある日、皇帝・武帝に呼ばれ、仙人の話をしましたが、武帝が亡くなって後は人知れず何処かへ消えていったとされています。別名は亀乗り仙人と呼称されています。
*この図柄は当方の資料としてある源内焼のどの図集にも掲載されてない珍しい作品かと思われます。

「黄安図」は日本では古来から多くの画家によって描かれ、またあちこちの彫刻にも見ることがでします。下記の写真は「海老江曳山 東町 右面欄間」です。

仔の源内焼の作品は、周囲の文様については型からの抜けもよく、輪花上の口縁もきれいです。

それほど大きな作品ではありませんが、堂々とした形状を成しています。

残念なのは裏面の疵・・・、またおそらくなんらかの理由で高台を削ったのかも知れません。

どうしたら裏面だけこんなに疵だらけになるのでしょうか?

汚れを落とすくらいで、あとはちょっと補修のしようがない状態ですね。

源内焼の特徴はその全体からくる匂いと虹色の発色ですね。

それなりの古箱に納まっています。

当方で保管方法をキチンとしておきました。

源内焼の作品は非常に脆いので、その保管には箱の中には綿などのクッションを欠かさないなどの気遣いが必要です。