いつも彼岸花を見て感じることは、 “ 不気味さ ” である。
あの燃えるような赤と草の緑の反対色コントラストが
その不気味さを一層強くするのである。
ケイトウ ( 鶏頭 ) の花と同じようにあの赤色はイタダケナイ。
彼岸花の名は秋の彼岸ごろから開花することに由来するらしいが、
別の説には、これを食べた後は 「 彼岸 ( 死 ) 」しかない、というものもある。
別名の曼珠沙華は、法華経などの仏典に由来する。
また、 " 天上の花 " という意味も持っており、相反するものがある。
仏教でいう曼珠沙華は 「 白くやわらかな花 」 であり、
ヒガンバナの外観とは似ても似つかぬものである(近縁種ナツズイセンの花は白い)。
『 万葉集 』 にみえる " いちしの花 " を彼岸花とする説もある。
「 路のべの壱師の花の灼然く人皆知りぬ我が恋妻は 」
また、毒を抜いて非常食としている事もあるので、
悲願の花と言う意味もあるが一般的には?である。
異名が多く、死人花 ( しびとばな ) 、地獄花 ( じごくばな ) 、
幽霊花 ( ゆうれいばな )、剃刀花 ( かみそりばな ) 、
狐花 ( きつねばな ) 、捨子花 ( すてごばな ) 、はっかけばばあと呼んで、
日本では不吉であると忌み嫌われることもあるが、
反対に 「 赤い花・天上の花 」 の意味で、めでたい兆しとされることもある。
欧米では園芸品種が多く開発されている。
園芸品種には赤のほか白、黄色の花弁をもつものがある。
日本での別名・方言は千以上が知られている。
また、韓国ではナツズイセン(夏水仙)のことを花と葉が同時に出ることはないから
「 葉は花を思い、花は葉を思う 」 という意味で 「 相思華 」 と呼ぶが、
彼岸花も同じく花と葉が同時に出ることはないので彼岸花も相思花と呼ぶことが多い。
日本では上記の 「 花と葉が同時に出ることはない 」 という理由から
「 葉見ず花見ず 」 とも言われる。
学名のLycoris(リコリス)とはギリシャ神話の女神、海の精:ネレイドの一人、
Lycoriasの名前からとられたもの。
ちなみにヒガンバナの花言葉は、「 悲しい思い出 」 「 あきらめ 」 「 再会 」 「 独立 」 「 情熱 」
などである。
上の花言葉から 「 悲しい思い出 」 というイメージしか思い浮かばない。