Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

お宝は流れ流れて

2005-03-15 | 文学・思想
ラインの黄金の指輪の話を、「子供の不思議な角笛」で読むと、これはかなり地方色豊かな話となる。これらは、「ニーベルンゲンの歌」伝説によるようだ。13世紀の手書きの書物によると、ジークフリートは竜を退治して下ラインからヴォルムスの王室に乗り込む。この辺がヴァーグナーの楽劇「指輪」の第二夜「ジークフリート」と第三夜「神々の黄昏」で描かれるところである。

民謡集「子供の不思議な角笛」の「ラインの盟約の指輪」では、ラインとネッカーの畔で草刈する男が、労働歌を口ずさむ塩梅で夢想とも幻ともつかぬ情景を髣髴とする。ローカルな話で恐縮だが、両河の畔で草刈るという事は両河が交わる現在のマンハイム市のライン・ネッカー三角洲地帯であろう。何れにせよ取材先の関係もありハイデルベルクで纏められたこの民謡集にはこの地域の話が多い。指輪を河に投げ入れると、流され流され下ラインを越え、ネーザーランドを通って大西洋に出る。ここで、魚に食われて、それが結局王の食卓に上る。ラインの妖精らしきは、水に飛び込んで四苦八苦して指輪を探して返してくれるが草刈は手伝ってくれない。相変わらず、寓話性に満ち溢れている。

この民謡集、最近のドイツ語学者の研究では多くの部分で編集者二人の手が加わっていると言う事である。そのようにしてみると1859年に近くのオーデンヴァルトの山中で取材された別ヴァージョンは、ネッカーの代わりにアッカーとなっており場所が異なる。これは、農耕地を意味する。農耕地で草刈では、全くバルビゾン派のミレーの農民の姿になってしまう。因みにこれも「ラインの伝説」としてグスタフ・マーラーの歌曲集に含まれる。テキストは変わらないが、ここでも民謡集とタイトルが異なっている。
コメント (8)
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