トロージャンとは、ギリシャ神話に描かれる小アジアの北西部(現在のトルコの位置)にあったトロヤ国の人や有名な戦士を言う。ホメロスのイリアスとオディセイに描かれていたトロヤの遺跡は、1870年に考古学者ハインリッヒ・シュリーマンが発見するまでは実在が疑われていた。神話でも考古学でもコンピューターヴィールスでもない、天体の不思議の話題である。
土星の衛星探査機カッシーニから発射されたホイヘンスが衛星タイタンに着陸した。ホイヘンスから膨大な資料が送られて、二月ほど経つ。ESAのデータ解析は今後を待つとして、土星の謎と言われるのが有名なワッカである。それどころかこの間、更に三つの月状の衛星がリストに加わっている。2004年の10月に見つかった小遊星ポリィデウスがこのトロージャンに当てはまる。この概念は、ハイデルベルクの天文学者マックス・ヴォルフによって使われるようになって、これによって小さな天体を探索することが出来るようになったと言う。写真撮影の比較から1906年に、木星の軌道に見つけた116KM径の小遊星アキレスが太陽を中心に60度の角で存在する事を示した。300年前のケプラーの観測を髣髴させる話である。
天体物理では、これをトリノ出身フランスの数学家ジュセフ・ルイ・ラグランジェ(1736-1813)の名前を付けて五つの点が定められている。こうして万有引力の場も流体や量子の系の様に扱われる。ここでは、なんでもないアイザック・ニュートンの17世紀の有名な物理学が基本となっている。重要なその第二法則をここで確認すると、「物体の運動の変化は、その物体に及ぼされる外力に比例し、その力の方向におこる。」となる。これを批判的に位置と運動を同時に扱えるようにラグランジェ博士がフリードリッヒ大王の命でベルリンで纏めた表記方法を、ラグランジェ・システムと先ずしておく。そしてこれを天体に当てはめると、二つの比較的大きな質量の惑星の軌道から、小さな質量の小遊星が在り得るべき位置が自ずと定まってくる。
さて土星の不思議は、1684年に天文学者カッシーニよって発見された月テティスに始まる。これと土星が独自にトロージャンらしき小遊星を有しており、それが太陽を中心とした土星本体の軌道と関係なく存在しているということが分かった。1981年にそれが発見されてから、昨年その月の小遊星の一つテレストが観測され、これがトロージャンとして確認された。また他の衛星ディオーネには、ヘレナと名付けられたトロージャンが少なくとも一つ存在する事が発見されている。極めつけは月ポリィデウセスで、これには定められた位置を外れて行き来するトロージャンが存在するというのだ。
数学者ラグランジェの天体への興味ではないが、このような天体の不思議は自らが観測しなくとも万人に大きな関心を齎す。天文学者でも物理学者でなくても関心が自然と湧く事象ではないだろうか。さて、これを工学家や経済学者が使うような定式でなくて、17世紀のニュートン物理を基本に18世紀末のラグランジェの発想を追って行くとどうなるだろう。個人的な思考の飛躍を科学史の中で静的に捉えるのではなくて、発想の展開や飛躍を追体験する事で何かが見えてくるのではなかろうか。これを短く簡易に纏めて考察する事は決して容易ではないが、面白いと思うので試してみたい。
土星の衛星探査機カッシーニから発射されたホイヘンスが衛星タイタンに着陸した。ホイヘンスから膨大な資料が送られて、二月ほど経つ。ESAのデータ解析は今後を待つとして、土星の謎と言われるのが有名なワッカである。それどころかこの間、更に三つの月状の衛星がリストに加わっている。2004年の10月に見つかった小遊星ポリィデウスがこのトロージャンに当てはまる。この概念は、ハイデルベルクの天文学者マックス・ヴォルフによって使われるようになって、これによって小さな天体を探索することが出来るようになったと言う。写真撮影の比較から1906年に、木星の軌道に見つけた116KM径の小遊星アキレスが太陽を中心に60度の角で存在する事を示した。300年前のケプラーの観測を髣髴させる話である。
天体物理では、これをトリノ出身フランスの数学家ジュセフ・ルイ・ラグランジェ(1736-1813)の名前を付けて五つの点が定められている。こうして万有引力の場も流体や量子の系の様に扱われる。ここでは、なんでもないアイザック・ニュートンの17世紀の有名な物理学が基本となっている。重要なその第二法則をここで確認すると、「物体の運動の変化は、その物体に及ぼされる外力に比例し、その力の方向におこる。」となる。これを批判的に位置と運動を同時に扱えるようにラグランジェ博士がフリードリッヒ大王の命でベルリンで纏めた表記方法を、ラグランジェ・システムと先ずしておく。そしてこれを天体に当てはめると、二つの比較的大きな質量の惑星の軌道から、小さな質量の小遊星が在り得るべき位置が自ずと定まってくる。
さて土星の不思議は、1684年に天文学者カッシーニよって発見された月テティスに始まる。これと土星が独自にトロージャンらしき小遊星を有しており、それが太陽を中心とした土星本体の軌道と関係なく存在しているということが分かった。1981年にそれが発見されてから、昨年その月の小遊星の一つテレストが観測され、これがトロージャンとして確認された。また他の衛星ディオーネには、ヘレナと名付けられたトロージャンが少なくとも一つ存在する事が発見されている。極めつけは月ポリィデウセスで、これには定められた位置を外れて行き来するトロージャンが存在するというのだ。
数学者ラグランジェの天体への興味ではないが、このような天体の不思議は自らが観測しなくとも万人に大きな関心を齎す。天文学者でも物理学者でなくても関心が自然と湧く事象ではないだろうか。さて、これを工学家や経済学者が使うような定式でなくて、17世紀のニュートン物理を基本に18世紀末のラグランジェの発想を追って行くとどうなるだろう。個人的な思考の飛躍を科学史の中で静的に捉えるのではなくて、発想の展開や飛躍を追体験する事で何かが見えてくるのではなかろうか。これを短く簡易に纏めて考察する事は決して容易ではないが、面白いと思うので試してみたい。