議会制民主主義という響きは美しい。それが上手く絵に描いたように執り行われるという前提に立っての共鳴である。当然の事ながら、議会自体が、時代に合った運営方法などを常時検討しなければならない。この運営委員会では、選挙法や議員の身分保障や訴追免除などの重要な問題が同時に議論される。
政治家が職業になって来ているという新聞記事があった。何人かの政治家の兄弟や親戚などが違う政党などで出ている例もある。政界への接触と交友関係ということではあり得る環境である。これは職業とは関係ないながらも、政界に近い環境というのはどうしても発生する。実際の統計を見ると、各々の社会層の全ての職業を代表する代議士が議会に存在しているのではないのが読み取れるらしい。労働組合関係が圧倒的に多いようだが、ある種の職業では直接代表している代議士はおらず、意外に企業家も少数派である。緑の党などは、職業政治家を避けるために永年の議員活動を禁止していたらしいが、これも変わってきている。理想としては素晴らしいが、あまり現実的ではないようだ。
経験豊かな政治家を求められているのが、現在のベルリンでの連立構想である。SPD党首ミュンタフェリンクが書記長推薦に敗北して辞意を表明した事から、大連立構想が大きく揺らいでいる。その経過と結果は、後任党首の決定でSPDの若返りとなりそうである。CSUのバイエルン首相が組閣に参画しない表明をしたのも、これを理由にしているのが面白い。先週からベルリンの議会筋で囁かれていた様子は先日伝えた通りだが、このままでは終結しそうにないという動きである。揺さぶりの掛け合いと牽制の権力抗争こそが政治である。
ミュンタフェリンク氏は、SPDが与党と野党を使い分けるのは不可能なのにも拘らず、まだ副総裁として入閣する可能性もある。お陰でバイエルン首相の、この退陣劇をバイエルンへの引き篭もりの言い訳とする、独特の政治判断と滑稽なキャラクターを久しぶりに見る事が出来た。SPDの書記長推薦選挙で若いナーレス女史の名前が挙がったのが今週の騒動の始まりだった。プファルツの農家出身で村の若者政治活動から党中央に移行した女性である事は重要である。老舗SPDの代変わりと原点に還るという意味で、マルクスがフランスの第二帝政に対して名付けたという所謂ボナパルティスムといわれる現政権のあり方に、再度異議を唱えた事になる。しかし、このようなイデオロギーに纏われた手法で、有権者に鮮明なメッセージを送り、自浄作用を働かすことが出来るのだろうか?
写真:ドイツ連邦共和国連邦議会本会議場
参照:
税金運用法を正しく討議 [ 雑感 ] / 2005-10-30
平均化とエリートの逆襲 [ 文学・思想 ] / 2005-11-06
政治家が職業になって来ているという新聞記事があった。何人かの政治家の兄弟や親戚などが違う政党などで出ている例もある。政界への接触と交友関係ということではあり得る環境である。これは職業とは関係ないながらも、政界に近い環境というのはどうしても発生する。実際の統計を見ると、各々の社会層の全ての職業を代表する代議士が議会に存在しているのではないのが読み取れるらしい。労働組合関係が圧倒的に多いようだが、ある種の職業では直接代表している代議士はおらず、意外に企業家も少数派である。緑の党などは、職業政治家を避けるために永年の議員活動を禁止していたらしいが、これも変わってきている。理想としては素晴らしいが、あまり現実的ではないようだ。
経験豊かな政治家を求められているのが、現在のベルリンでの連立構想である。SPD党首ミュンタフェリンクが書記長推薦に敗北して辞意を表明した事から、大連立構想が大きく揺らいでいる。その経過と結果は、後任党首の決定でSPDの若返りとなりそうである。CSUのバイエルン首相が組閣に参画しない表明をしたのも、これを理由にしているのが面白い。先週からベルリンの議会筋で囁かれていた様子は先日伝えた通りだが、このままでは終結しそうにないという動きである。揺さぶりの掛け合いと牽制の権力抗争こそが政治である。
ミュンタフェリンク氏は、SPDが与党と野党を使い分けるのは不可能なのにも拘らず、まだ副総裁として入閣する可能性もある。お陰でバイエルン首相の、この退陣劇をバイエルンへの引き篭もりの言い訳とする、独特の政治判断と滑稽なキャラクターを久しぶりに見る事が出来た。SPDの書記長推薦選挙で若いナーレス女史の名前が挙がったのが今週の騒動の始まりだった。プファルツの農家出身で村の若者政治活動から党中央に移行した女性である事は重要である。老舗SPDの代変わりと原点に還るという意味で、マルクスがフランスの第二帝政に対して名付けたという所謂ボナパルティスムといわれる現政権のあり方に、再度異議を唱えた事になる。しかし、このようなイデオロギーに纏われた手法で、有権者に鮮明なメッセージを送り、自浄作用を働かすことが出来るのだろうか?
写真:ドイツ連邦共和国連邦議会本会議場
参照:
税金運用法を正しく討議 [ 雑感 ] / 2005-10-30
平均化とエリートの逆襲 [ 文学・思想 ] / 2005-11-06