Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ワイン三昧 第二話 '05II

2005-11-04 | ワイン
名前
ブュッルクリン・ヴォルフ

場所
ヴァッヘンハイム アン デア ヴァインシュトラーセ

特記
現在の醸造親方は、代々当家に勤め四世代目である。ローマ人が栽培をはじめた粘土質の土壌のみならずワイン栽培に適さないとされていた砂地の土壌で偉大な業績をあげる。1997年より本格的にシュペートブルグンダーを主とするドイツ赤ワインの質向上に挑んでいる。

履行日時
2005年10月29日

試飲ワイン
2003年ピノ・ノワール(シュペートブルグンダー)、
2003年ピノ・ノワールS(シュペートブルグンダー)、
2003年プレステージ(C・ソーヴィニョン、C・フラン、ピノ・ノワール)、
以上赤ワイン三種類。

感想
2003年のピノ・ノワールは、香りからして柔らか味がある。飲み口は、旨味があるが14度のアルコールが比較的強く当たる。この傾向は、ブルゴーニュと比べると堅いとして印象付けられる。口が慣れてくると、今度はその旨味が少々野暮ったくダラッとしているのがいけない。しかし、例年の物に比べると格段に太陽の恵みを受けているのは明らかである。ピノ・ノワールSの方は、満を持して発売された割にはまだ飲むには早い。香りからして一段上で、充分に開かれていない感じながら、非の付け所が無い。繊細で、透明感がある味わいは熟成が期待出来る。14.5%のアルコール度とは関係が無いようだが、シュペートブルグンダーの堅い性質は変わらない。最後のワインは、ボルドーのメローの代わりにピノ・ノワールが混ぜられているので、渋みの他はボルドーよりも寧ろブルゴーニュに近い。どちらとも比べられないので高級イタリアワイン等と比較する方が良いかもしれない。

総論
2003年は、その記録的に暑い夏からプファルツの赤ワインにとって特別なヴィンテージである。数年若しくは何十年に一度しかない当たり年である。地下で二年間の木樽での熟成期間を経て瓶詰めされた。糖価が高いので、フランスの赤ワインと直接比較する事が出来る。特にピノ・ノワールSは、ブルゴーニュと同じ土壌に改良されて栽培されているので、葡萄の品種が厳密には違うながら似た個性を持っている。今後5年程のビンでの熟成期間が予想される。問題はその価格と熟成期間である。フランスワインのように充分な歴史が無いからである。食事の相性もラムなどは素晴らしいだろう。通常のピノ・ノワールの方は、野暮ったくとも肉や鹿をこのワインに付けておいて料理すると美味いだろう。しかし、その辺の食事との愉しみ方や飲み方が形成されていないのが苦しい。ワインは、衣食住を含めたライフスタイルであり文化であることを思い知らされる。キュベー・プレステージなどは高名なソムリエーの協力で配合を決めたようだが、これなども料理までの推薦を考えなければ意味が無い。厨房経験があって、接待業であるソムリエーならば特定の料理とゲストのイメージがあって然るべきである。その双方ともが浮かばないと辛い。


参照:
ドイツワイン三昧 第二話 '05 [文化一般] / 2005-06-14
ドイツワイン三昧 第二話 [ ワイン ] / 2004-12-14
コメント (10)
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