Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

元祖ケーゼクーヘン

2005-11-18 | 料理
現代のチーズケーキの一つの源は、その原料のクヴァークを使うドイツ語圏で、それもハイデルブルクのプファルツ選帝侯のコック長が作ったものとされる。17世紀初頭のプァルツの選帝侯は、ボヘミアに新教徒として出兵して、三十年戦争を捲起すフリードリッヒ五世である。それが事実とすると、その妻の祖母に当たる英国メアリ・スチュワートの家にもチーズケーキが伝わったかもしれない。何れにせよ、フランスではチーズケーキはあまり食されないと聞いて、またカスタードプリンは疎まれてドイツでは食されないので、独仏の文化の差が食後にも如実に表れている。

マンハイムにあるプファルツ選帝侯の宮廷付きケーキ屋で、機会があれば何時も「現在最高」のブロチェンを買うのだが、この歴史を知ってから今回心してチーズケーキを買った。少なくともこのお店は宮廷キッチンの流れではなく、コンディトライなので本家ケーゼクーヘンではなくて、元祖としておこう。

材料のクヴァークが海外では手に入らない事があるときは、ヨーグルトのように自分で摂氏30度で30時間掛けて作れと書いてあった。本物を作るにはそれなりに努力が必要らしい。

以前食べた印象とは変わらないが、丸の儘売るように小さな形のケーゼクーヘンが置いてあったのを買おうとしたら、其の儘しか譲って貰えなかった。パン屋でも売られる事の多いチーズケーキだが、名門のケーキ屋で大きな場所をとってあることからすると、謂われがあるのかもしれない。主人が居なかったのでインタヴュー出来なかったが、一度訊ねてみたいものである。



参照:
朕強クリースリングヲ欲シ [ 歴史・時事 ] / 2005-03-30
ヨーグルトとトッペン [ 料理 ] / 2005-10-05
チーズと甘味とワイン [ 料理 ] / 2005-12-07
コメント (10)
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