Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

よい物をよい時に食べる

2006-04-06 | 料理
遂にプフェルツァー・シュヴァイネぺッファーを食す。十年近く前に試して、その経験を満足していただけで、他の名物料理に目が行って、なかなかこれをリピートする事がなかった。シュヴァイネぺッファーとは、ネットで検索するとツューリッヒからベルギーにまで及ぶ広い地域に分布して食される、胡椒を効かせた豚の煮込みの総称らしい。更に地元の名物として検索しても、ワイン街道沿いの五件ほど北隣の町のレシピーは似ても非なるものなのである。肝心の豚の血が入っていないのである。

早速聴き採り調査をして見なければいけないが、しかし五件ほど南隣の町では血が入っているのである。先ずは電話で友人に確認を取ったところ、この地域に相当する「ミッテルハルト特有の料理である筈がない。」と言うのである。その代わり「ヘルツぺッファーとして、心臓若しくは内臓を煮込んだ料理とは、別けなければいけない。」と言い、そのような発言への確認を取ると「今日は庭仕事で立ち通しで足が痛い。」と言って逃げられてしまった。

彼の薦めで、早速1858年出版の地元料理の本を見ると、計らずもこの意外性を証明してしまった。そこには血で煮る事は一切記載されていない。この地元では比較的有名で、殆んど食す機会のない血で煮込む料理は一体何なのであろう。それも、非常に小さな地域にしか存在しないとすると、どういう事なのであろうか?引き続き調査をしなければいけない。

店の親仁に、飲み物を推薦して貰ったが、赤ワインでも、白ワインでもなくて、皆が一般的に飲むビールを挙げた。一般的なレシピーでは赤ワインを良く使っているが、なるほど血を入れるとなると必ずしも赤ワインを入れる必要もないのである。その通り小母さんは、材料に赤ワインを挙げなかった。

さて、講釈が長くなったが、味の方は記憶にある生臭さとは縁遠く、肩透かしを食らった様に軽妙な一品であった。肉も柔らかく、中は白くさくさくとしている。ソースも重くなくて優しい。胡椒も隠し味のように、鼻に付く事が無いのである。食卓での出し方は以前とは変わっているが、一切レシピーに変化はないと小母さんに確認したので、間違いはないであろう。こちらの味覚が変わって「地元料理に口が慣れたかな。」と言うと、「あんた、家でブルートヴルストを食べてるでしょ。」と言われた。

気候の変化で、頭が痛いが、これを食べたお陰で体は し ん ど く てもくたばって仕舞う気がしない。よい物をよい時に食べる事が出来た。なにか血が騒いで、嬉しいのである。
コメント (5)
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