Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

理のある変換とその転送

2006-04-20 | テクニック
アナログ信号をデジタル信号に変換するPCM変調は有名である。最近はPDM変調も身の回りで使われるようになっている。前者の信号をコード化する方法と比べて、後者は所謂量子化歪が少ないといわれる。

スーパーオーディオCDなどPCM以外のデジタル録音システムについて調べる。後者のパルス・デンシティー・モデュレーションを密度と読み込むと、所謂ビットストリームと云う様なパケットとなった転送の量の濃淡を考えると、感覚的にも理解出来るのでないだろうか。通信手段におけるデーターの転送やコンピューターのデータの処理のプロセスも思い浮かぶ。

この変調方式を使う事で、デジタルからアナログへの変換を効率良くやっているのがダイレクト・ストリーム・デジタル(DSD)と云われる方式である。こうしたデジタル・アナログ・変換機を使う事で、今まで以上の音声を再生しようとするのが、フィリップスやソニーが進めて来たSACDと云われる新メディアである。

ジャズやクラッシック音楽の世界では、SACDと云う商品が多く市場に出ている。その多くは、ハイブリッドSACDであって、従来のCDプレーヤで再生出来る。しかし、そこで再生されるのは、実際のこうした変換を利用したものではない。本来のSACDを再生しようとすればSACDプレーヤーは不可欠なのだが、市場での普及は伸びず殆んど頭打ちのように見られる。その反面、DVDやブルーレイなどと云う新メディアは、その容量の増加ゆえに普及が予想されている。

またSACDを使う事で、メーカー・メディア側はコピー防止を徹底しようとしているのだが、その結果ハイブリッドSACDが廉価なCDプレーヤーでは回らないということもあるらしい。何れにせよハイブリッドSACD自体には、何らの利点は無いので何れ消え去るメディアである。SACDプレーヤーがDVD・CDなどとのコンビプレーヤーにどのように組み込まれて行くかに、本当のSACDの存続は掛かっているようである。

SACDのソフトにデジタル処理のリマスターをした古い録音も多くあって、PCM変換では避けきれなかった量子化歪を出来る限り抑えてデジタル再生する意図を持っているようである。反対に、初めからPDM変調を行なってDSDでデジタル化された録音は極数少ない。この場合も高いサンプリングレートやそれを保証するハイビットのアナログ・デジタル変換を心掛ける事が肝要で、その点からするとPCM変調に於ける議論とあまり変わらない。

こうした方式で変換されて保存されたデータをそのままデジタル・アナログ変換して、音声化するから量子化歪も少なく再生出来る。だからこそ最終的にアナログに変換する簡易な機器に依存すると云うよりも、寧ろ保存する形態(メディア)が問われている。その物理的に移動性流通性のあるメディア(CD、SACD、DVD、BLU-RAY等)での保存方法に多くを依存しているのであって、実際にデータとしてハードディスク等に保存すれば実はそれほどその変換方式の影響を受けない。勿論そうなればコピー防止も何も無く、全てのデータは自由に処理したり操作したりして扱える事にもなる。つまり、デジタルデータは、いかに安全に損失無く、大量に他の媒体に移殖して転送するかが問題なのである。

ソニーのサイトを見ると、西部ドイツ放送局や中部ドイツ放送局やザールランド放送局等のドイツの放送局にそれらのシステムを導入促進の目的でも納入してているようだが南部ドイツ放送局等などではこれからのようである。これらがデジタル放送などの基礎技術となっていく事は理解出来る。

そしてSACDメディアが本当に画期的なのは、マルチチャンネルを使った録音と云われる。しかし嘗ての四チャンネルで経験しているように高度な音響芸術に至るのはなかなか難しい。それどころか最近の傾向として、音楽ファンは益々アイポットなど簡易な形態への傾向があって、ホームシアターやマルチチャンネルの再生は、極少数の興味であり必ずしも誰にでも出来ると云う経験や話しではないのである。



参照:
究極のデジタル化 [ テクニック ] / 2004-11-29
骨董化した空間のデザイン [ 文化一般 ] / 2005-04-03
コメント (5)
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