Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

おかしな暗雲の風景

2006-04-12 | アウトドーア・環境
天候の不安定な時期である。冬の冷たい空気と冷えた地面は、急激な強い光に照らされて、至る所に黒い雲を発生させて、青天の霹靂の通り雨を降らせる。

海抜が違うので時期は違うだろうが、セガンティーニの代表作の中に「馬草集め」がある。1890年にエンガディーンに登る下の谷で描かれて、1898年に完成されている。一般的にバルビゾン派のミレーの影響が語られる名画である。これを観て何時も気になるのは、黒く手が伸びたような暗雲である。しかし、おかしな雲が現れるセガンティーニ作品は少なくとも幾つか存在する。

1899年の遺作三部作「生成」、「存在」、「消滅」の一番右の作品には、これとは反対に白く光る自然の雲が現れている。

気象条件や光の加減は小説より奇なりで、「馬草集め」は後に手直しされているようだが、実際に目撃したおかしな雲の形状を、殆んど目の高さで見た人々の生活と切り離して、描き込んでいる。もし何らかの象徴をしているとすれば、このような自然にではなくて、人々の取る姿勢などの方に意味があるのではないだろうか。それは、タールで塗りつぶした暗い谷間を描き込んだ作品にも言える。
コメント (4)
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